レファレンス事例詳細(Detail of reference example)
提供館 (Library) | 吹田市立中央図書館 (2310124) | 管理番号 (Control number) | 吹-85-2014-012 | |||||||
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事例作成日 (Creation date) | 2014年07月07日 | 登録日時 (Registration date) | 2014年07月07日 12時55分 | 更新日時 (Last update) | 2014年12月11日 16時39分 | |||||
質問 (Question) | 技術文書で読点が「,」(カンマ)で句点が「.」(ピリオド)になっているものが多い。使われている根拠は何か。 | |||||||||
回答 (Answer) | 昭和25年(1950年)9月発行の文部省編『文部省刊行物表記の基準』付録「横書きの場合の書き方」では、横書きでの句点は「。」を用い、読点は「,」を用いるという記述があり、現物を利用者に見ていただいた。 吹田所蔵の資料を取り寄せたが、根拠となるものを見つけることはできなかった。 ただ、資料によっては技術文書は欧字や数字、数式が含まれていることが多いので「,」(カンマ)「.」(ピリオド)を推奨するという記述があるものもあった。 インターネットのホームページで論文の原稿執筆に「,」(カンマ)「.」(ピリオド)を用いるとしているものもあったが、根拠は見つけられなかった。 | |||||||||
回答プロセス (Answering process) | 1~5の資料を取り寄せ確認した。 1、『句読点、記号・符号活用辞典。』 小学館辞典編集部/編 小学館 2007年9月 23P 昭和25年(1950年)9月発行の文部省編『文部省刊行物表記の基準』付録「横書きの場合の書き方」では、横書きでの句点は「。」を用い、読点は「,」を用いるという記述がありました。 2、『テンとマルの話』芝原 宏治/著 松柏社 2013年6月 230P 『文部省刊行物 表記の基準』の付録所収 上記の記述を利用者に確認してもらいました。 3、『科学技術系のライティング技法』小山 透/著 慶応義塾大学出版会 2011年4月 62P~63P 科学技術系の文書を対象としているので、横書きが主流であり、そこには欧字や数字、数式が含まれていることが多い。したがって、カンマ-ピリオド(, .)を推奨するという記述がありました。 4、『図解日本の文字』沖森 卓也/著,笹原 宏之/著,常盤 智子/著,山本 真吾/著 三省堂 2011年5月 107P △1954年(昭和29年)公用文作成の要領では、横書きの場合の句読点は、「,」と「。」を』用いることになっているが。一般日常文では「、」と「.」の組み合わせで書かれることも少なくないという記述がありました。 5、『日本語表記ルールブック』日本エディタースクール/編集 日本エディタースクール出版部 2005年9月 P55 句読点の種類 縦書きでは〔、 。〕であるが、横書きでは〔, .〕〔, 。〕〔、 。〕の3種類の方法があるので、方針を決めて表記する。本文中に欧文などが多く入る場合はそれらとの組み合わせから〔, .〕が望ましい。公用文では〔, 。〕を使用するという記述がありました。 6、レファレンス協同データベースを「横書き 句読点」で検索すると、下記の事例がありました。 岐阜県図書館が登録された管理番号岐県図-0011が横書きの読点についてのレファレンス。 文章表記で横書きの場合、読点は「、」「,」のどちらが正しいか。 1 『基本日本語の表記』には、横書きは原則として「,」を用いるとある。 2 『教師用日本語教育ガイドブック2』には、横書きの用例に「,」を使っているが、特に明記されていない。 3 『国語学辞典』の句読点の項を見たが、特に記載されていない。 4 当館の蔵書から無作為に15冊選んで調べたところ、「、」2冊、「,」13冊であった。 5 『労働白書』は「,」、『青少年白書』は「、」を使用。政府刊行物でも使用法にばらつきが見られた。上記のことを説明し、特に決められていないのではと回答。 インターネットの情報で句読点について記述があったもの。 7、一般社団法人情報処理学会内→学会誌「情報処理」→原稿執筆のご案内→情報処理学会誌原稿執筆案内のページに下記の記述があった。 https://www.ipsj.or.jp/magazine/sippitsu/kaishi.html (2014.7.4最終確認) 原稿の体裁 句読点は“.”および“,”を用い、それぞれ1画(1字分)を用いる。 8、電子情報通信学会内→投稿のページ→論文の投稿→和文論文投稿方法について 投稿のしおり→和文論文誌投稿のしおり(基礎・境界ソサイエテイ)→2.投稿原稿について→2.4用字と用語について http://www.ieice.or.jp/jpn/shiori/iss_2.html (2014.7.4最終確認) 電子情報通信学会和文論文誌 投稿のしおり 2.4 用字と用語について (d) 句読点は,句点「.」と読点「,」をそれぞれ全角で用いる. 9、科学技術情報流通技術基準(独立行政法人 科学技術振興機構)→STST Q&A→Q9 http://sti.jst.go.jp/sist/qa/answer.html#q9 (2014.7.4最終確認) Q9. 【句読点】 横書き文書の句読点はコンマ(,)とマル(。)ですか。 【回答】 SIST(科学技術情報流通技術基準)では規定していませんが,SISTの各基準ではJISの規格票の書き方(JIS Z 8301:規格票の様式及び作成方法)にならって,コンマとマルを利用しています。国語審議会が建議した「公用文作成の要領」(1952年(昭和27年) 4月 内閣閣甲第16号依頼通知)では「書き方について」の注で横書きでのコンマとマルの利用が記載されています。 一方,例えば「情報処理学会誌原稿執筆案内(2008年)」では,コンマ・ピリオド方式を採用しています。科学技術書ではこの方式が多いようです。句読点については日本語入力ソフトの初期値のまま文書作成していることも多いでしょうし,縦書きと同じく,テン(,)とマル(。)を句読点とする横書き文書も多いと思います。 このように,現状はさまざまであり,作成する文書で統一を図る際にいずれかに決めればよいと考えます。このQ&A文書はコンマ・マル方式です。 利用者には電話で連絡し、上記の本を取り寄せたが根拠を見つけることができなかったこととホームページの情報を伝えた。取り寄せた資料は不要とのことで終了した。 | |||||||||
事前調査事項 (Preliminary research) | ||||||||||
NDC |
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参考資料 (Reference materials) |
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キーワード (Keywords) | ||||||||||
照会先 (Institution or person inquired for advice) | ||||||||||
寄与者 (Contributor) | ||||||||||
備考 (Notes) | 下記の資料を取り寄せ確認したが、記載なし。 『アカデミック・ライティング』桜井 邦朋/著 朝倉書店 2007.11 『最新公用文用字用語例集』ぎょうせい 公用文研究会/編 ぎょうせい 2010.7 『句読点活用辞典』大類 雅敏/編著 第3版 栄光出版社 2006.5 『理科系の論文作法』高木 隆司/著 丸善 2003.8 『理系のためのレポート・論文完全ナビ』見延 庄士郎/著 講談社 2008.1 『表記の手引き』松村 明/校閲 第5版 教育出版 2009.2 『どう書くか』杉原 厚吉/著 共立出版 2001.1 『現代日本語講座 第6巻』飛田 良文/編 明治書院 2002.5 | |||||||||
調査種別 (Type of search) | 文献紹介 | 内容種別 (Type of subject) | 質問者区分 (Category of questioner) | 社会人 | ||||||
登録番号 (Registration number) | 1000155681 | 解決/未解決 (Resolved / Unresolved) | 未解決 |