レファレンス事例詳細(Detail of reference example)
提供館 (Library) | 豊中市立図書館 (2310050) | 管理番号 (Control number) | 6000014443 | ||||||||
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事例作成日 (Creation date) | 2014/01/30 | 登録日時 (Registration date) | 2014年07月02日 00時30分 | 更新日時 (Last update) | 2014年07月06日 09時30分 | ||||||
質問 (Question) | お菓子の一種である甘食の語源についてわかる本はあるか。いつごろできたかもわかるとなおよい。 | ||||||||||
回答 (Answer) | 『パンの事典』には、名前の由来として、「甘いビスケットを大きくしたような食事用のパンから来ているらしい」との記載があり。その他甘食についての記載があった資料を回答プロセスに記載。 | ||||||||||
回答プロセス (Answering process) | 『日本国語大辞典 1 あ-いろこ』(小学館)で「甘食 あましょく」を調べる。p530に項目あり。菓子パンと食パンの中間程度の甘味をもった円錐形のパンで、二個一組で売られることが多いとあるが、語源についての記載はなし。「甘食パン」の項目もあり、甘食に同じとのこと。 さらに383.8(飲食史)596(料理)の書架を探す。 『洋菓子・和菓子・デザート 百菓辞典』(東京堂出版)p10「あましょく」には、甘食は菓子パンの一種でやや甘みのある円錐形のパンとあり。 『たべもの日本史総覧』(新人物往来社)p131「パン」の項に、甘食について、和製菓子パンのひとつで口当たりがもろく、平たい円錐形をしているとの記載があり。『コムギの食文化を知る事典』(東京堂出版)p223の表「代表的な日本のコムギ粉菓子」に、甘食について、半生の焼き菓子で大正末期から昭和初期にかけて流行し最近も復活の兆しとの記載があり。材料は薄力粉・砂糖・卵・油脂・ミルクとのこと。『パン・洋菓子事典』(パン・洋菓子事典編纂会)p32-33「甘食」には、材料の配合比と製法・甘食のイラストがあり。いずれも語源はなし。 レファレンス協同データベースで「甘食」を検索すると、埼玉県立久喜図書館の事例 https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000065805 などがヒットするが、レシピに関してのもの。紹介されていた『昔ながらの三時のおやつ』(NHK出版)の内容を確認するが、レシピのみで語源はなし。 さらにGoogle Booksで「甘食」を検索。 『まだある。 今でも買える"懐かしの昭和"カタログ おやつ編』(大空出版)などがヒットしたため内容を確認すると、p32-33「甘食」に、甘食の元祖は1894年に東京の清新堂という店が売り出した「イカリ印のまき甘食」で、マフィンを参考に開発されたという記載があり。また『食べもののかたちの秘密!? ドーナツの穴』(大空出版)p78-79には、甘食は明治時代にヒルサイドパントリー代官山の猪狩清氏が発案したとの記載があり。 『たべもの起源事典』(東京堂出版)p35「甘食パン」には、甘食は日本独特の半生の焼き菓子風のパンで、1894(明治27)年に東京・芝の清新堂の初代が半日がかりだったパン作りの時間を短縮するために苦心を重ねて考案したものとの記載があり。 『パンの事典』(旭屋出版)p155-156に甘食の項目があり、名前の由来として、「甘いビスケットを大きくしたような食事用のパンから来ているらしい」との記載があり。考案はヒルサイドパントリー代官山の猪狩清氏とのこと。 | ||||||||||
事前調査事項 (Preliminary research) | |||||||||||
NDC |
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参考資料 (Reference materials) |
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キーワード (Keywords) |
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照会先 (Institution or person inquired for advice) | |||||||||||
寄与者 (Contributor) | |||||||||||
備考 (Notes) | 日経新聞記事データベース「日経テレコン」で「ヒルサイドパントリー」を調べると、日経新聞1996年2月17日の記事「旧山手通り、東京都渋谷・目黒区、ゆとりの街に高感度な店――駅の便より選ぶ楽しみ。」がヒット。これによると、ヒルサイドパントリー代官山はヒルサイドテラスのオーナー朝倉家の会社の直営店。ただし清新堂と関係があるかどうかは確認できず。ヒルサイドテラスのサイト http://d-hillsideterrace.com/ に朝倉家についてなどの記載があり。 このほか、『新・食品事典1 穀物・豆』(真珠書院)「パン」「菓子パン」「食パン」の項を調べるが、食パンの語源は「本食(西洋料理のもとになる食べもの)のパン」を略したものとの紹介などはあるものの、甘食への言及はなし。 また『たべもの語源辞典』(東京堂出版)『パンの研究 文化史から製法まで』(柴田書店)『菓子の事典』(朝倉書店)『食の文化話題事典』(ぎょうせい)『コムギ粉料理探求事典』(東京堂出版)『ものと人間の文化史 80 パン』(法政大学出版局)には、甘食についての記載はなかった。 | ||||||||||
調査種別 (Type of search) | 文献紹介 | 内容種別 (Type of subject) | その他 | 質問者区分 (Category of questioner) | 一般 | ||||||
登録番号 (Registration number) | 1000155364 | 解決/未解決 (Resolved / Unresolved) | 解決 |