レファレンス事例詳細(Detail of reference example)
提供館 (Library) | 凸版印刷株式会社印刷博物館ライブラリー (4310008) | 管理番号 (Control number) | PML20110824-01 | ||||||||||||||
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事例作成日 (Creation date) | 2011年8月28日 | 登録日時 (Registration date) | 2014年02月20日 13時56分 | 更新日時 (Last update) | 2021年01月20日 17時36分 | ||||||||||||
質問 (Question) | 本の帯について、 いつから、理由は | ||||||||||||||||
回答 (Answer) | 【いつから】については今回新たに寄せられた下記の情報以外では、これ以上古い記述も見つからず。 紀田順一郎氏が1994年4月に読売新聞に寄稿し、著者のサイトのコラムに再録(2010年11月10月)した「たかがオビ、されどオビ」より、 「大正三年(一九一四)四月刊の阿部次郎著『三太郎の日記』(東雲堂)に付されたものが、現在判明している限りでは最古といわれる。 白い用紙に緑色の活字で、ただ一言「読め!」とある。考えてみれば、これほど簡単で効果的な宣伝文句もあるまい。」 → http://plus.harenet.ne.jp/~kida/topcontents/news/2010/111003/index.html (20114.2.20確認) 【帯をつける理由】(用途)については、 ・広告宣伝/販売促進 ・価格変動やコピー等、流動性への対応 ・識別(同じような表紙や函なので、区別するため等) ・(書店で)分類・陳列法の判断のための情報源 主な参考文献は、 関善造『編集印刷 デザイン用語辞典 増補』(誠文堂新光社 1980年) p.52「帯紙」「単行本(まれには雑誌)の表紙の下部に巻き付けて、読者の注意を引く宣伝や、推薦文などを記した紙。小売店の店頭における陳列効果をねらう本は帯紙を用い、読者を魅了し、購買意欲をそそる工夫をしている。現在は定価の変動が激しいため、書物の定価を奥付に付けず帯紙に記しているものがある。腰帯、腰巻という俗称がある。」 松本一朗編著『広告 印刷 企画用語辞典』(日本理工出版会 1986年) p.63 「帯」「(前略)書籍の場合などでは本自体は地味であるので、注目率を高め、遡及にインパクトを求めることが、この帯によって行われているケースが多い。すなわち、書籍の場合ならキャッチフレーズやイントロ、ないしは推薦文など、タイトルとともに多色表現することも容易である腰巻ともいう。」 『出版事典』(出版ニュース社 1971年) p.52-53[帯紙]より「(前略)その用途は主として広告宣伝のためであって、多くは目だつように色紙を用い(後略)」 p.53 [帯広告]「新刊書の表紙や箱の帯紙に記載される広告。(中略)一説には昭和初期の左翼出版物が、店頭の宣伝効果をねらって帯をつけたのが最初ともいわれている。(後略)」 紀田順一郎監修『新版 本の情報事典』(出版ニュース社 1991) p.243 [帯紙]『出版事典』(出版ニュース社)の[帯紙]の項と[帯広告]の項から引用。 「少しでも店頭で目につきやすいようにという出版社の商魂の現われ」 植原路郎『実用 本の辞典』(出版ニュース社 1964年) p.80 [腰巻]「販売政策のために書物の上にかける1/3ほどの巾の掛け紙。(中略)いずれも宣伝部が知恵を絞って広告文句を並べ立てる。(後略)」 『出版者の日常用語集 第三版(新入社員のためのテキスト 3)』(日本書籍出版会 1999年) p.9 [おび(帯紙)]「(前略)主として宣伝の目的で、内容紹介や著名人の推薦の言葉などを記載している例が多い。」 下村昭夫『本づくりこれだけは:失敗しないための編集術と実務 改訂3版』(本の未来を=出版メディアパル №16)』(出版メディアパル 2009) p.37 「3.帯の役割と効用」用途は『出版事典』から引用。「(前略)また、書店などでは、その本の陳列法を定める重要な情報源として用いる。」 日経デザイン編 工藤強勝監修『編集デザインの教科書』(日経BP社 1999年) p.115 「書店は、大抵、タイトルや著者など表紙に書いてある情報や帯のコピーに従って本を分類する。」 p.119 「また、書店で見て本を購入するケースが最も多いという調査結果から分かるのは、書店が立派な広告媒体であるという事実だ。本の装幀や帯のコピー、陳列場所や書店が作るPOPなどが重要であることは間違いない。」 「帯のコピーは、本の売れ行きに応じて変えることもある。」 p.133 「南伸坊氏の装幀」「[帯]函の色調が似ているため、1巻ごとに帯の色を変えて区別しやすいようにした。」 岡崎武志『文庫本雑学ノート 二冊目』(ダイヤモンド社 2000) p.123-139 「6 帯の研究」 p.125 カバーが無いころの岩波文庫は帯の色でジャンルがわかるようにしてあったと記述。 宗武朝子「「帯」の話」『エディター』17号(日本エディタースクール出版部 1976年1月)p.4 日販仕入部弘報課長が新聞取材に対応した際の記事 「第一の目的 ひと目みて本の内容を端的に読者に読みとってもらうこと(後略)」 「帯の機能として、忘れてならないのはその"流動性"だろう。造本・装幀のとり替えは困難だが、帯はいくらでもとり替えが利く。」 「だが、Y紙の記者は帯をつけるとつけないでは、売れ方がどうちがうと思うか、と鋭い質問を投げかけた。「買う買わないは別として手にとる率は二,三割ちがうでしょうね」と私は答えた。」 | ||||||||||||||||
回答プロセス (Answering process) | 前回の同内容のレファレンス回答参照 インターネットおよび辞典類追加調査 | ||||||||||||||||
事前調査事項 (Preliminary research) | |||||||||||||||||
NDC |
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参考資料 (Reference materials) |
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キーワード (Keywords) |
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照会先 (Institution or person inquired for advice) | |||||||||||||||||
寄与者 (Contributor) | |||||||||||||||||
備考 (Notes) | |||||||||||||||||
調査種別 (Type of search) | 事実調査 | 内容種別 (Type of subject) | 質問者区分 (Category of questioner) | 当館学芸員 | |||||||||||||
登録番号 (Registration number) | 1000149609 | 解決/未解決 (Resolved / Unresolved) | 未解決 |