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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

提供館
(Library)
国立国会図書館(National Diet Library) (1110001)管理番号
(Control number)
K130413182655
事例作成日
(Creation date)
2013/5/2登録日時
(Registration date)
2013年10月17日 00時30分更新日時
(Last update)
2013年10月17日 00時30分
質問
(Question)
江戸末期~昭和の商船の海難事故について、発生日時、場所、被害者数等を知りたい。特に山陰沿岸について調べたいが、全国の状況がわかる資料でも可。
回答
(Answer)
海難事故の発生日時、場所、被害者数等についてまとめた主要な当館所蔵資料のうち、貴館で未所蔵又は未調査のものをご紹介します。

まず、明治初年から平成9年1月までに発生した我が国における主要な海難事故については、高等海難審判庁監修『海難審判制度百年史』所収の「主要海難事件一覧」(資料①)で概観できます。この資料では、海難審判法(昭和22年法律第135号)施行(昭和23年2月29日)前までについては、さまざまな出典資料から海難の事件名、発生年月日、発生場所、事件の概要(被害者数含む)をまとめています。
同法施行後については、主要な海難事件については海難審判が行われたことから、同審判の裁決から事件名、発生年月日、発生場所、裁決言渡、損傷等(被害者数含む)をまとめています。

海員懲戒法(明治29年法律第69号)による海員審判が行われた明治30年から昭和19年については、各年度の海員審判の裁決をまとめた『海員審判所裁決録』(資料②)で海員審判に付されたケースを確認できます。なお、同資料には別冊の総目次があり(資料③)、事件名、(船の)トン数、関係人名、発生年月日、発生場所、言渡年月日、言渡審名等を一覧することができます(被害者数は含まれていません)。

海難審判法(昭和22年法律第135号)による海難審判が行われるようになった昭和23年以降については、昭和29年までは『海難審判庁裁決例集』(資料④)、昭和30年以降は『海難審判庁裁決録』(資料⑤)で海難審判に付されたケースをみることができます(資料④の第6巻以降にも昭和30年以降の裁決例が含まれていますが、資料⑤はそれらを含んでいることから、昭和30年以降については資料⑤を見れば足ります)。
なお、海難審判法による海難審判では、事件の管轄について、海難発生地主義を原則としました(参考資料(1))。
例えば島根県の場合、海難審判法が施行された昭和23年2月29日以降、まず大阪地方海難審判所(参考資料(2))、同法施行令の第一次改正により、昭和23年8月26日以降は神戸地方海難審判所(参考資料(3))、同法施行令の第十次改正により、昭和35年4月1日以降は広島地方海難審判所(参考資料(4))の管轄下にありました。
資料⑤は、各年度、各地方海難審判所の裁決ごとにまとめて掲載しています。特定地域の海難事故を探す場合、各年度につき、その地域を所管する地方海難審判所の裁決から探していくのが効率的です。又は、索引がある年度については、「事件種類別索引」において、事件発生場所という項目があるため、そこから該当する地域で発生した事件の裁決を探すことができます。(昭和28及び33年度、44-52年度は索引のみの冊子、昭和40-44及び48年度については本体綴じ込みの索引あり。)

なお、江戸時代については、海難に関するまとまった史料がないとの指摘もありますが(参考資料(5)p.96.)、今回調査した範囲で得られた情報を参考までにご紹介します。

江戸時代、航行中の船舶が風や波の難に遭遇すると、沈没を免れるため積荷の一部又は全部を海中に投じており、この積荷を海中に投ずることを荷打といいました。この荷打を行った船に対し、海難証明書を交付する制度が寛永13[1636]年8月に法制化されました(参考資料(6)p.45.)。
この制度の趣旨は、船頭は荷打をした時は最寄りの港で浦役人に届けなければならず、浦役人は厳重に取調べの上、証文を交付するというものでした。この証文は、一般には浦証文、又は浦手形、浜書物、難証文、難状、浦状、浦状一札、浦一札、難船(破船)浦証文などともいわれたそうです(参考資料(6)同)。
『海事史料叢書 第15巻』(参考資料(7))には、当時の浦証文が12件含まれていますが、目次・解題情報から山陰地方の海難事故と判別できるものはなく、時期も明和元[1764]年~安政4[1857]年と古いものとなっています。

(資料)(【 】内は当館請求記号です。)
①「主要海難事件一覧」『海難審判制度百年史』海難審判協会, 1997, pp.763-791. 【AZ-482-G2】
②『海員審判所裁決録 明治30-昭和19年(1897-1944) 』海員審判所, [19--] [11リール] 【YC-21】
③『海員審判所裁決録総目次』海難審判研究会, 1967. 【CZ-2482-1】
④『海難審判庁裁決例集』海難審判研究会, 1963-, 第1-4巻【CZ-2482-2】第5巻【CZ-2482-H3】
⑤『海難審判庁裁決録』海難審判協会,
 昭和30[1955]年1/2号-平成9[1997]年10/12号 ; 平成10年1/3月-平成20年6/8月分.【CZ-482-1】
  ※本タイトル等は最新号による.

(参考資料)
(1)『海難審判制度百年史』海難審判協会, 1997, p.68, p.165, p.174. 【AZ-482-G2】
(2)「海難審判法施行令(昭和23年政令第54号)」 『官報』昭和23年3月6日(号外)p.9.【CZ-2-2】
(3)「海難審判法施行例の一部を改正する政令(昭和23年政令第266号)」 『官報』昭和23年8月26日第6485号 p.208.【CZ-2-2】
(4)「海難審判法施行令の一部を改正する政令(昭和35年政令第43号)」 『官報』昭和35年3月25日第9976号 pp.554-555.【CZ-2-2】
(5)金指正三「江戸時代の海難について」『海事史研究』(10)1968.4, pp.96-136. 【Z5-8】
(6)同上「近世における海難証明制度」『海上保安大学研究報告第1部』1958.3,pp.43-72. 【Z2-62】
(7)住田正一 編『海事史料叢書』巌松堂書店, 昭和5-6[1930-31]. 第15巻 目次及び解題 【593-17】

(調査済みデータベース)
・日本法令索引( http://hourei.ndl.go.jp/SearchSys/
・NDL-OPAC( https://ndlopac.ndl.go.jp/

(その他調査済み資料)
・『審判裁決録 明治30-33,40-41年分』逓信省管船局, 明36-45.【CZ-482-01】
※内容は資料②に同じ。
回答プロセス
(Answering process)
事前調査事項
(Preliminary research)
●『明治ニュース事典』第1巻~8巻(明治ニュース事典編纂委員会/編集 毎日コミュニケーションズ/編集 毎日コミュニケーションズ 1983.1~1986.2)
 ‘海難’というキーワードで調べると、事故の発生日、概要は確認できる。
ニュースになった事故であり、発生した事故の一部である。
『大正ニュース事典』、『昭和ニュース事典』も同様。

●『近代日本海事年表』Ⅰ・Ⅱあり(海事産業研究所『近代日本海事年表』編集委員会/編 成山堂書店 2002.10,2003.2)
  索引で‘海難事故’と調べると該当はあるが、発生した事故の一部が紹介されている。

●『新海難論』(福島弘/著 成山堂書店 1991.7)
 付録に「戦後の主要海難一覧」とあるが、こちらも主要海難事故のみ。

●海難事故に関する統計は、総務省統計局・政策統括官(統計基準担当)・統計研修所のホームページ( http://www.stat.go.jp/data/chouki/29exp.htm )に下記の記載あり。

 海難統計は,明治29年(1896)海員懲戒法制定によって,翌30年(1897)以降「海員審判所裁決録」に,昭和22年(1947)海難審判法の制定により昭和23年(1948)以降「海難審判裁決録」に,それぞれ審判の対象となった船舶についての海難が記録されている。また,明治32年(1899)に船員法が制定され,船長に行政官庁に対する海難報告が義務付けられた。昭和22年(1947)に制定された現行船員法にも同法第19条に海難報告義務が規定されている。
 海難統計は,前述の「海難審判法」と「船員法」に基づく資料で作成されていたが,昭和23年(1948)海上保安庁の発足を機に,海難船舶を迅速かつ確実に把握するため,24年(1949)から統計法に基づく指定統計として「海難統計調査」が実施された。その後,昭和46年(1971)に指定統計は中止され,届出統計として海難審判庁の事件記録から集計し,海難統計年報として公表を行ってきたが,平成16年(2004)をもって中止された。これ以後の海難に関する統計は海難審判庁から公表される「海難レポート」によることとなった。

『海員審判所裁決録』『海難審判裁決録』は当館に所蔵がなく、どのように記載されているか確認できていない。

●海難裁判所( http://www.mlit.go.jp/jmat/
裁決の閲覧が可能。
 ・昭和23年~昭和54年まで言渡の主要な海難の裁決及び昭和55年1月~平成9年12月言渡の裁決は(財)海難審判協会のページで検索可能。
 ・平成10年1月~平成17年12月言渡の裁決は日本財団の海難審判庁裁決録のページで公開されている。

●『海事摘要』(国立国会図書館デジタルライブラリー)
  明治から昭和にかけて、欠号はあるが内容を確認することができる。
  たとえば、明治30年刊の海事摘要では、遭難船の総数、遭難人員数は掲載されているが、発生日時、場所、それぞれの事故の詳細は不明。
  昭和11年の海事摘要では、「第三 遭難船」があり、海難船舶地方別累年表(29p)もあるが、それぞれの事故の詳細については不明。

●『鳥取県史』4 近世 社会経済(鳥取県/編 鳥取県 1981.3)
 第2節 水上交通の中の「2 海難」があり、異国船漂着について、国内船の漂着記録について記載されている。
  近代の記録については『鳥取県史』では見つけられない。

●『鳥取県統計年鑑』
鳥取県統計課のホームページより( http://www.pref.tottori.lg.jp/170173.htm
明治18年の鳥取県統計書では、「交通」の項目に「難破船」があり、発生場所や船の種類、発生時期などが掲載されている。大正2年の鳥取県統計書では、「保全」の中に「難破船」あり。昭和55年の鳥取県統計年鑑では「災害・事故」の中に「海難発生救助状況」があり、海上保安統計年報によるデータであり、事故発生場所についての詳細は不明。
鳥取県統計年鑑は明治期よりデータ化されているが、データの取り方が変化し、以前はあった海難事故発生場所についての記録なども確認できない。
NDC 
参考資料
(Reference materials)
キーワード
(Keywords)
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
内容種別
(Type of subject)
質問者区分
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登録番号
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