レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013年08月17日
- 登録日時
- 2013/08/17 23:32
- 更新日時
- 2013/08/18 00:08
- 管理番号
- 20130817-1
- 質問
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解決
「理想」の語源について知りたい。
- 回答
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り‐そう[:サウ]【理想】 日本国語大辞典
〔名〕
(1)({英}ideal の訳語)
哲学で、人間の理性と感情を十分に満足させる最も完全な状態。現実の状態の発展の究極として考えられた最高の形態。実現可能な相対的な究極状態と、実現不可能だがそれでも行為を促す絶対的な状態(神、最高善、永遠)の二つに分かれる。
*利学〔1877〕〈西周〉上・二「行己如人、愛鄰如己云者、在利家道徳、而為理想上極功」
*哲学字彙〔1881〕「Ideal 理想」
*当世文学の潮摸様〔1890〕〈北村透谷〉「愛恋の哲理を授ん、希臘の古哲学と欧米の新理想(リソウ)とを筆に任かせて示しやらん」
*天地有情〔1899〕〈土井晩翠〉万有と詩人「かのプラトンの見るところ 高き理想の夢に酔へ」
【語誌】
(1)西周によって造られた訳語の一つと思われ、当初は(1)のように哲学用語として用いられた。「哲学字彙」には、初版では挙例のほか「Idea 観念」とあるが、改訂増補版(一八八四)では「Idea 観念、理想」「Ideal 理想的、観念的」と改められている。
(2)哲学以外では、(2)のように明治一〇年代の終わり頃から文学理論を論ずる場で、「現実」に対する語として盛んに使用されるようになった。特に、明治二四年から翌二五年にかけての坪内逍遙と森鴎外との「没理想論争」は有名である。→没理想。
大辞林 第三版
②〘哲〙 物や心の最も十全で最高の形態。ふつう現実的具体的なものの対極ないし究極として,知性ないし感情の最高の形態とされる。実現可能な相対的な理想と,到達不可能な絶対的な理想(神・永遠・最高善など)とに区別でき,後者は超越的・規制的なものであり真の理想といえる。 〔英語 idea の訳語。西周(にしあまね)「利学」(1877年)にあり,哲学用語として西周の造語と考えられる〕
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本語 (810 9版)
- 語源.意味[語義] (812 9版)
- 参考資料
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- 現代に生きる幕末・明治初期漢語辞典 佐藤亨 著 明治書院, 2007 ISBN:9784625404009
- キーワード
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- イデア idea
- 語源
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000135478