レファレンス事例詳細(Detail of reference example)
提供館 (Library) | 東京都江戸東京博物館 図書室 (4110007) | 管理番号 (Control number) | edo2011-03 | ||||||||||
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事例作成日 (Creation date) | 2011/03/01 | 登録日時 (Registration date) | 2011年12月24日 16時13分 | 更新日時 (Last update) | 2018年01月22日 09時56分 | ||||||||
質問 (Question) | 遠山金四郎(遠山景元)は本当に桜吹雪の刺青をしていたのか。 | ||||||||||||
回答 (Answer) | 図柄については美女の生首、花紋など諸説ありますが、実際の有無については確証のある文献は当館所蔵図書には見つけられませんでした。 | ||||||||||||
回答プロセス (Answering process) | 【資料1】『NHK歴史発見 8』によると、元幕臣中根香亭『帰雲子伝』(明治26年)によれば「遠山は二の腕から肩にかけて彫物をしており、その図柄は、髪を振り乱して口に文をくわえた美人の生首だった」としている。「しかし彫物を禁止するよう水野忠邦に進言していた遠山本人が彫物をしていたとは考えられない。実際に二の腕に彫物をしていた町奉行、根岸鎮衛(しずもり、やすもり)のことが、遠山のこととして語られるようになったと思われる」と、疑問を呈している。 【資料2】『遠山金四郎の時代』によると、明治26年発行の雑誌『史海』第26号に中根香亭が執筆した『帰雲子伝』に遠山が「断頭の美人髪を乱して箋を啣む」彫り物をしていたと描き、同年に出版された角田音吉著『水野越前守』(東京文館蔵版)では「左腕に花紋を黥する」と描写している。著者は「ほんとうに彫り物があったのかどうかは確認しようがない」とし、ただし、天保年間には刺青禁止令が出るほど流行していたこと、遠山より約30年も前の町奉行根岸鎮衛が彫り物をしていたという噂が、遠山の話と関係していることはありうる話としている。 【資料3】『遠山金四郎』によると、(確証のある史料がないため)「”入れ墨はあったかもしれないし、なかったかもしれない、図柄はわからない”としか答えようがない。」 【資料4】『江戸の名奉行 人物・事績・仕置きのすべて』【資料5】『時代劇の見方・楽しみ方 時代考証とリアリズム』によると、様々な史料を引用しているが確証なし。 【資料6】『捏造されたヒーロー、遠山金四郎』によると、「景元の彫物の実物はだれも見ていない、ということだけはたしかなのである。」 【資料7】『日本伝奇伝説大事典』によると、「景元も放蕩無頼の生活を送るうちに当時流行の刺青を彫ったといわれるが、その旨の記録はない」根岸肥前守の話が「転化したとも思われる。」 | ||||||||||||
事前調査事項 (Preliminary research) | |||||||||||||
NDC |
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参考資料 (Reference materials) |
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キーワード (Keywords) |
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照会先 (Institution or person inquired for advice) | |||||||||||||
寄与者 (Contributor) | |||||||||||||
備考 (Notes) | (類似事例)「遠山金四郎景元の刺青についての資料の有無。」(国立国会図書館) https://crd.ndl.go.jp/GENERAL/servlet/detail.reference?id=1000014382 ※1『日本説話伝説大事典』(2000年 勉誠出版)に刺青の目撃証言記事ありとの情報をお寄せいただきましたが、当館未所蔵のため確認できず。( http://www.ipc.shizuoka.ac.jp/~jjskoni/zisyokizi.html#b-too )(2014/4/23追記) | ||||||||||||
調査種別 (Type of search) | 事実調査 文献紹介 | 内容種別 (Type of subject) | 質問者区分 (Category of questioner) | ||||||||||
登録番号 (Registration number) | 1000098970 | 解決/未解決 (Resolved / Unresolved) | 解決 |