レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011/03/07
- 登録日時
- 2011/08/29 02:00
- 更新日時
- 2011/09/03 11:37
- 管理番号
- OSPR11030011
- 質問
-
バレンタインが日本に定着した理由と経緯を調べたい。
実際に誰がどのような形で日本で初め、なぜチョコレートだったのか、
なぜ、どのように定着するようになったのかを知りたい。
- 回答
-
日本でバレンタインデーが定着した理由、経緯に関しましては、諸説あるようで、どの説が正しいのか、という確認はできませんでした。
以下、調査した内容を記載させていただきます。
まずバレンタインデーを調べてみますと、日本でチョコレートを贈る習慣については、製菓会社の活動によるもの、ということのようでした。(参考資料(1)(2)参照)
そこで、どの製菓会社なのか、についてですが、調べました結果、可能性のあるものをまとめてみますと、
●モロゾフ(1932年(昭和7年)にバレンタインチョコレートを発売、また1936年(昭和11年)に英字新聞にバレンタイン広告を掲載)
●メリーチョコレート(1958年(昭和33年)にバレンタインセール)
●森永製菓(1960年(昭和35年)にバレンタインデー企画を展開)
この三社に絞られるかと思われます。(参考資料(3)~(10)及び、各会社のホームページ(2011/3/18現在)参照)
しかしながら、
※モロゾフの広告は在日欧米人をターゲットにした広告であるから、メリーチョコレートが日本で最初に宣伝した会社である、という資料
※関西ではモロゾフ、関東ではメリーチョコレートが始まり、という資料
※日本で最初に大々的に宣伝したのは森永製菓、という資料
※業者が定着させたというよりは、消費者がさまざまなプレゼントの中から、自らチョコレートを選んだ、という資料
等、諸説分かれており、ご質問の「誰が、どのような形で日本で始めたのか、どのように定着したのか」に明確に答えることができません。
可能性のある三社をそれぞれ起点とした場合をまとめます。
○モロゾフ
葛野友太郎が、1936年(昭和11年)に英字新聞『Japan Advertiser』に、バレンタインの広告を出したことで、バレンタインデーが生まれた。最初はうまくいかなかったが、百貨店と共に活動を続け、定着するようになる。
○メリーチョコレート
原邦生が、1958年(昭和33年)に、パリ在住の知人の話から、バレンタインデーを思いついた。最初はうまくいかなかったが、毎年続けた。
○森永製菓
1960年に新聞や週刊誌にバレンタインデーの広告を開始し、「バレンタインチョコレート・バレンタインギフト」懸賞を展開した。この企画は、バレンタインデーの一般への告知に大きな力を発揮した。しかし、成果がかんばしくなかったため、その後は一時中断した。
最後に、なぜチョコレートだったのか、に関してですが、こちらも明確な理由は分かりませんでした。
ご参考までに、『都市の年中行事』(石井研士/著 春秋社 1994.9)によれば、1960年代の広告では、バレンタイン=チョコレートとはなっておらず、1968年をピークにチョコレートではないバレンタインデーは失敗に終わったとあります。その後、バレンタインデーはチョコレートとして売上が急増したとのことです。
この資料では、バレンタインデーは、業者が定着させたというよりは、消費者がさまざまなプレゼントの中から、自らチョコレートを選んだ、という結論のようです。
以上になります。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 年中行事.祭礼 (386 8版)
- 参考資料
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- 『年中行事大辞典』(加藤友康ほか/編 吉川弘文館 2009.3)(ページ:583)
- 『日本キリスト教歴史大事典』(日本キリスト教歴史大事典編集委員会/編 教文館 1988.2)(ページ:1145)
- 『記念日ハンドブック:365日、今日は何の日? 2001年版』(日本記念日協会/編 日本経済新聞社 2000.12)(ページ:2/14の)
- 『視聴率調査はなぜウチに来ないのか:最新マーケティングが90分でわかる本(青春新書INTELLIGENCE PI-189)』(酒井光雄/著 青春出版社 2008.1)(ページ:134)
- 『OLたちの<レジスタンス>: サラリーマンとOLのパワーゲーム(中公新書 1401)』(小笠原祐子/著 中央公論社 1998.1)(ページ:90~113)
- 『大正ロマンをチョコレートに包んで:モロゾフ文化を創った「葛野友太郎」の仕事』(井上優/著 オリジン社 1993.8)(ページ:8、88、130、133)
- 『森永製菓一〇〇年史:はばたくエンゼル、一世紀』(森永製菓株式会社/編 森永製菓株式会社 2000.8)(ページ:年表13)
- 『会社じんるい学』(中牧弘允ほか/著 東方出版 2001.12)(ページ:39~42)
- 『都市の年中行事:変容する日本人の心性』(石井研士/著 春秋社 1994.9)(ページ:138~162)
- 『逆欠如の日本生活文化:日本にあるものは世界にあるか』(園田英弘/著 思文閣出版 2005.6)(ページ:332~357)
- モロゾフのホームページ(2011/3/18現在) (ホームページ:http://www.morozoff.co.jp/)
- メリーチョコレートのホームページ(2011/3/18現在) (ホームページ:http://www.mary.co.jp/)
- キーワード
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- バレンタイン チョコ 日本 定着
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000090473