レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011年07月22日
- 登録日時
- 2011/08/04 11:41
- 更新日時
- 2011/08/04 16:32
- 管理番号
- 20110722/646
- 質問
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解決
日本女性を「やまとなでしこ」と言うようになったのはいつ頃からか。有名な古典に載っていた気がする。
- 回答
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女性をなでしこに例えることは、『万葉集』に見られる。日本女性を「やまとなでしこ」に例えることは、10世紀には成立していたかと思われる。
- 回答プロセス
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百科事典、植物と語源の参考図書を見た。
①木村陽二郎監修『花と樹の事典』柏書房 2005(R470.3/10022)p321「ナデシコ[撫子]」の項
「「大和撫子」は日本女性の清楚な美しさのたとえともされるが、これは大伴家持の歌「うるはしみ我が思ふ君はなでしこが花になそへて見れど飽かぬかも」(万20・4451)にすでに見ることができる。」
②『日本大百科全書 17』小学館(031/72/17)p522「ナデシコ」の項
「『万葉集』では美の対象にされ、ナデシコの歌26首中8首に愛しい女性のおもかげを重ね、大和撫子の芽生えがうかがえるが、一方で、男性にも例えられている。」
③山口佳紀編『暮らしのことば新語源辞典』講談社 2008(R812/10025)p885「大和撫子」の項
「大和撫子は『古今和歌集』等で女性の比喩としても用いられ、それが日本古来の美徳とされ、か弱そうに見えるが、心の強さと清楚な美しさをそなえている女性像をいうようになった。」
④杉本つとむ著『語源海』東京書籍 2005(R812/10022)p615-616「やまとなでしこ【大和撫子】」の項
量的には④が最も多い。ヤマトナデシコの初出は、『古今和歌集』の「あなこひし今もみてしが山がつのかきほにさける山となでしこ」や『新撰万葉集』の「吾レノミヤ憐ト思ヘ蛬(きりぎりす)鳴ク暮景ノ倭【貝ふたつの下に隹】麦(やまとなでしこ)」の10世紀初頭か、としている。「ただしずばり日本女性=大和撫子の例は見出しにくい」「〈大和撫子〉の直喩的表現は、むしろ明治期以降、一般化したか」と述べている。
- 事前調査事項
- NDC
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- 語源.意味[語義] (812 9版)
- 参考資料
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- 木村陽二郎監修『花と樹の事典』柏書房 2005(R470.3/10022)
- 『日本大百科全書 17』小学館(031/72/17)
- 山口佳紀編『暮らしのことば新語源辞典』講談社 2008(R812/10025)
- 杉本つとむ著『語源海』東京書籍 2005(R812/10022)
- キーワード
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- 日本女性
- やまとなでしこ
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000089614