レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2007/12/26
- 登録日時
- 2008/10/18 02:29
- 更新日時
- 2008/11/19 15:53
- 管理番号
- 10-2C-200712-10
- 質問
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解決
紀州から江戸までの参勤交代にかかった日数と、参勤交代時に通った街道が知りたい。
- 回答
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◆街道について
『藩史大事典 第5巻近畿編』p.322 和歌山藩(別称:紀州藩)の章の「参勤交代・藩主参勤道」の項に、以下の道中の地名の記載あり。
①和歌山-五条-松坂(大口浦)-宮(尾張)-東海道
②和歌山-山口-雄ノ山峠-山中-信達ー貝塚-大坂-枚方-伏見-京都-東海道
出典(『南紀徳川史』)
『日本の街道ハンドブック』(三省堂)で、上記地名より、街道名を調べたところ、
①大和街道‐伊勢街道‐(松坂~宮は船旅)‐東海道
②紀州往還(紀州街道)‐京街道(大坂街道)‐東海道 と分かる。
『街道の日本史 33』(吉川弘文館)のp33に、「紀州藩が紀州街道を使い参勤交代したのは、元禄十四年からで、それ以前は、伊勢路を使用していた。元禄初年、紀州街道沿いの村々は、街道整備に向け絵着々と準備・・・・主街道は熊野街道であったことがわかる。」とに記述あり。
『駒沢大学文学部研究紀要』(当館所蔵なしだが、Google Bookで確認)によると、
「・・参勤交代には上方街道を大坂に出るか,伊勢街道を勢に出るかした・・」とある。
◆日数について
『調べ学習にやくだつくらしの歴史図鑑4 交通通信の歴史』p.28に、「江戸から京都までの片道の日数」という表が掲載、
その中に、「大名行列」として「1日に行ける距離 約40~43km、かかる日数 約12日」とあり。
『日本の歴史 18』(児玉 幸多著 小学館)のp.178に、「和歌山の徳川家では天保二年の総収入が三十四万三一二○両で合ったのに対して、在府費が二万一二五0両、江戸・和歌山間の旅費が一万二九三○両であった。歳入の約一割が参勤のための費用であるが、二○日間ほどの旅費の占める割合がきわめて大きく、」とあり。
江戸・和歌山間が約20日かかったことがわかる。
- 回答プロセス
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1.「藩史大事典 第5巻近畿編」p.322 和歌山藩(別称:紀州藩)の章の「参勤交代・藩主参勤道」の項に、以下の道中の地名の記載あり。
・和歌山-五条-松坂(大口浦)-宮(尾張)-東海道
・和歌山-山口-雄ノ山峠-山中-信達ー貝塚-大坂-枚方-伏見-京都-東海道 出典(『南紀徳川史』)
2.『日本の街道ハンドブック』(三省堂 2006)で街道名を調べたところ、
①大和街道‐伊勢街道‐(松坂~宮は船旅)‐東海道
②紀州往還(紀州街道)‐京街道(大坂街道)‐東海道 と分かる。
3.google book で、”紀州藩”×”参勤交代”で検索しヒットした文献のなかから、当館所蔵の『街道の日本史 33』(吉川弘文館)のp33を確認するも、
「紀州藩が紀州街道を使い参勤交代したのは、元禄十四年からで、それ以前は、伊勢路を使用していた。
元禄初年、紀州街道沿いの村々は、街道整備に向け絵着々と準備・・・・主街道は熊野街道であったことがわかる。」
4.また、同様にgoogle book でヒットした文献「駒沢大学文学部研究紀要」(当館所蔵なし)によると、
「参勤交代には上方街道を大坂に出るか,伊勢街道を伊勢に出るかした」とある。
5・「調べ学習にやくだつくらしの歴史図鑑4 交通通信の歴史」p.28に、
「江戸から京都までの片道の日数」という表が掲載されている。
その中に、「大名行列」として「1日に行ける距離 約40~43km、かかる日数 約12日」とあり。
6.児玉 幸多・著「日本の歴史 18」のp.178に、
「和歌山の徳川家では天保二年の総収入が三十四万三一二○両で合ったのに対して、在府費が二万一二五0両、
江戸・和歌山間の旅費が一万二九三○両であった。歳入の約一割が参勤のための費用であるが、二○日間ほどの旅費の占める割合が
きわめて大きく、」とあり。
江戸・和歌山間が約20日かかったことがわかる。
以上をお答えする。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本史 (210 9版)
- 参考資料
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「藩史大事典 第5巻」雄山閣,2002年(当館資料ID:0010350609)ISBN 4-639-00849-X
「調べ学習にやくだつくらしの歴史図鑑 4」ポプラ社,1994年(当館資料ID:0000386414)ISBN 4-591-04546-3
「図説和歌山県の歴史 」河出書房新社,1988年(当館書誌ID:0000353145)ISBN 4-309-61130-3
「日本の歴史 18 大名」小学館,1977年(当館書誌ID:0000164002)
「紀州史研究 1」国書刊行会,1985年(当館書誌ID:0000362394)
「街道の日本史 33」 吉川弘文館,2006年(当館書誌ID:0011233779)ISBN 4-642-06233-5
「紀州藩の政治と社会」清文堂出版,2002年(当館書誌ID:0010375398)ISBN 4-7924-0526-2
「しらべ学習に役立つ日本の歴史 9」小峰書店,1995年(当館書誌ID:0000453649)ISBN 4-338-12209-9
「参勤交代年表 中 柳沢史料集成 第7巻」柳沢文庫保存会,1998年(当館書誌ID:0000712038)
「参勤交代年表 下 柳沢史料集成 第8巻」柳沢文庫保存会,1999年(当館書誌ID:0000834815)
「参勤交代年表 続 柳沢史料集成 第9巻」柳沢文庫保存会,2002年(当館書誌ID:0010371212)
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「藩史大事典 第5巻」雄山閣,2002年(当館資料ID:0010350609)ISBN 4-639-00849-X
- キーワード
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- 紀州
- 街道
- 参勤交代
- 大名行列
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000048197