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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

提供館
(Library)
国立国会図書館(National Diet Library) (1110001)管理番号
(Control number)
D2001F5105
事例作成日
(Creation date)
20011113登録日時
(Registration date)
2005年02月02日 02時14分更新日時
(Last update)
2005年11月17日 09時45分
質問
(Question)
「継続は力なり」の言葉の出典。
回答
(Answer)
お尋ねの言葉について、当館刊行の『図書館協力通信』44号(1994年7月)で取り上げたことがあり、それによると出典は不明でした。それ以降に刊行された故事成語の辞典類を通覧しましたが、この言葉は掲載されていませんでした。
この他、当館の蔵書目録で書名に「継続は力」や「継続は力なり」を含む図書を通覧したところ、下記(1)の図書には平松折次の関係した大分夜間中学の校則であること、その具体的な出典は不明であることの記載がありました。また、下記(2)の平松折次の遺稿集を通覧しましたが、この言葉の出典については言及されていませんでした。

(1)『継続は力なり』 草柳大蔵 大和書房 1993年 1冊 <GK131-E59>
(2)『継続ハ力』 平松折次他著 平松折次遺稿集編・刊 1985年 <GK52-95>

< >内は当館請求記号


<参考>
『図書館協力通信』 No.44(1994年7月)p.4「レファレンス・ルーム」の事例紹介記事
ことばを調べる
「継続は力なり」は誰がいったことばか、その出典を知りたい。

ことばの出典もよく訊かれるが、これはそう簡単ではない。そういうことばがすべて名言・格言辞典の類に出てくるわけではないし、辞典に載ってもいないものをことばだけで何に出てくるか探し当てるのは、典拠も何もなしに不確かな書名だけで資料を探すのより、もっと困難な作業かもしれない。それはまるで何の遺留品も残されていない白骨死体の身元を割り出そうというようなものである。
この「継続は力なり」も出典の判明しなかったものだが、その後も何度もおなじことを訊かれているところを見ると、あるいはいろんなところで引き合いに出されていることばなのかもしれない。そして、それを口にしたり書いたりしている人自身、その出典については知らないかして触れていないので、それを聞いたり読んだりする人が疑問をおこすのだろうと思う。
辞典をいくつか調べてみた限りでは、去年出た『成語林』(旺文社)が唯一このことばを収録していたが、出典については言及されていない。『社長の名言格言集』(中経出版 1974)という本にもこのことばが収録されていたが、やはり出典は記載されていなかった。
当館でできるレファレンスの範囲は基本的にはここまでで、それ以上に何か新発見を期待して一次資料をあれこれひっくり返したりするのは代行調査になってしまうと思うが、あまり何度も訊かれるので、もう少し調べてみることにする。
人生観・処世訓にかんする図書を見ていったところ、小橋邦彦『自分を育てる言葉』(産業能率大学出版部 1985)にこの「継続は力なり」にかんする記述が見つかった。「この名文句、いまではすっかり有名になってしまった」「なおこの名文句、誰が言いだしたのか、前々からその出典が気になっていた。田辺昇一著『重役塾』によれば、鮎川義介著『物の見方考え方』から学んだと記されてあった。ご参考までの情報提供です」とある。
『物の見方考え方』にはこのことばは出てこないので、田辺氏の『重役塾』を見ると、『物の見方考え方』の中に空気銃や絵の修練の話としていかに根気よく続けることが大事かという経験談がのべられており、田辺氏はそれを読んで「『継続は力なり』の真理を教えられた」のだということがわかった。田辺氏は経営コンサルタントとして活躍している人のようだから、あるいはこのことばを広めたのも同氏あたりであったのかもしれない。しかしこのことば自体は同氏の造語ではないようである。
このことばは昔から日本にあることばのような感じはしないから、明治以降誰かがむこうのことばを翻訳輸入したものではないだろうか。そう思って洋書の名言・格言辞典を見てみると、“A dictionary of American proberbs. Oxford University Press,1992”に“Continuity is the father of success”ということばがイリノイ州の諺として伝わっていることがわかった。しかし、これがもとになって誰かが言い換えたものかどうかはわからない。
あるいは諸家の成功談や教訓話が売り物だった『実業之日本』の顧問でもあり、自身の『世渡りの道』『自警録』などの修養書もある新渡戸稲造あたりがひょっとしてその紹介者ではないだろうかと思ったが、この推理は当たらなかった。
あとは公開調査に切り替えて、これを読まれた人たちからの情報を待つしかなさそうである。(参考課)
回答プロセス
(Answering process)
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC 
参考資料
(Reference materials)
キーワード
(Keywords)
継続は力なり
格言
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
事実調査
内容種別
(Type of subject)
言葉
質問者区分
(Category of questioner)
公共図書館
登録番号
(Registration number)
1000014125解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
未解決

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