クラシック音楽の楽曲について調べる資料をご紹介します。
個々の作品について、その成立、楽器編成、音楽的な特色などを調べる場合には、曲目解説の事典類が役に立ちます。音楽のジャンル別(管弦楽曲、器楽曲、声楽曲など)に編集されているもの、作曲者のアルファベット順、または五十音順に配列されているもの、また音楽史の流れに沿った内容のものなどがあります。
★印のついた事典は演奏時間を調べることができます。
*★最新名曲解説全集 全24巻+補巻全3巻+別巻(総索引) (音楽之友社, 1979-1982) [参MA:760.8:SAI]
交響曲、管弦楽曲、協奏曲、室内楽曲、独奏曲、歌劇、声楽曲の7つのジャンル別に構成されている。 作曲家464人、曲数4849曲。
本文は、タイトル(邦訳・欧文、(調性)、作品番号を含む)、概説、作曲の経過・年代、(初演)、(出版)、演奏時間、楽器編成、曲目解説からなる。譜例あり。
別巻索引は、原題別、訳題別、作曲家別。
*★作曲家別名曲解説ライブラリー. 音楽之友社, 1992-1996. 全26巻. (1:マーラー: WR01-668 ほか) [参 作曲家あるいは地域の書架]
「最新名曲解説全集」を大作曲家ごとに再編集。
ヴィヴァルディから新ウィーン楽派までが、全26巻にまとめられている。「全集」をベースにしつつも、新しい研究成果を盛り込み、新たな曲も適宜加えられている。それぞれの巻では、各作曲家の生涯が概説され、主要な作品の作曲年、初演、出版、編成、演奏時間といった基本データと概説、譜例付きの解説が記されている。
巻末には作品のリスト、略年表、関係人名リスト、日本初演のデータ、主要参考文献が付けられている。
*★クラシック名曲ガイド. 音楽之友社, 1994-1995. 全8巻. (1: 交響曲: WR02-640, 2: 管弦楽曲: WR04-083, 3: 協奏曲: WR04-084, 4: 室内楽曲: WR02-630, 5: 器楽曲: WR02-641, 6: ピアノ曲: WR04-087, 7: 歌劇: WR03-277, 8: 声楽曲: WR02-644) [参 MA]
『ON BOOKSスペシャル 名曲ガイド・シリーズ』(音楽之友社刊)の改訂版。
音楽のジャンル別に、「交響曲」「管弦楽曲」「協奏曲」「室内楽曲」「器楽曲」「ピアノ曲」「歌劇」「声楽曲」の全八巻から成る。各巻とも、代表的な作曲家のポピュラーな作品を 取り上げ、作曲年、作品番号、初演年、楽器編成、演奏時間等の作品データ、および曲目解説、聴きどころなどを掲載する。
*ラルース世界音楽作品事典. 遠山一行ほか編. 福武書店, 1989, 1048p. (WR00-682) [参 760]
フランスのラルース社が1982年に出版した『ラルース音楽事典』の中から、作品項目のみを取り上げて翻訳、編集したもの。
オペラに関しては、「あらすじ」を詳しく紹介。鑑賞の手引きに役立つ。原書がフランス語であるため、フランス関係の項目が充実しているが、日本語版では、日本の読者のために日本関係の作品項目の追加立項も行っている。
巻末に作曲家別索引、原題索引がある。
*クラシック名曲大事典: 作曲家1400人の作品紹介. 音楽之友社, 1985, 586p. (WS02-561) [参 MA]
クラシック音楽の作曲家1,400人の略歴と、主要な作品解説。
音楽史の流れに沿って、中世・ルネッサンス、バロック、古典派、ロマン派、近代・現代の五つの章から成る。作曲家は生年順、作品はジャンル分けをほどこした上で作曲年順ないし作品番号順に配列。音楽史の流れを概観するための資料としても役立つ。
巻末に収録作曲家の原綴索引と、広く親しまれている日本語の曲名・愛称の索引が付けられている。
*クラシック音楽鑑賞事典. 神保璟一郎. 講談社, 1983, 1003p., (講談社学術文庫). (U03-561) [参 760.8]
元となった本のタイトルが「名曲をたずねて」(1975)となっているように、名曲の鑑賞の手引きとなるよう、グレゴリオ聖歌からシュトックハウゼンまでの代表的な作曲家と作品を紹介した事典。
作曲家の生涯と作品解説が作曲家の生年順に配列されている。さらにさまざまなジャンルや形式の解説も収められ、また演奏者や演奏団体のデータ、音楽用語小事典も収録されるなど、クラシック音楽に関するさまざまな情報が掲載されている。
*クラシック音楽作品名辞典 改訂版/井上和男編著 (三省堂, 1996. 1238 p.) U02-874 [参 MA]
作曲家の五十音順。作曲家の中はジャンル別。作曲家名(カタカナ、欧文、国、生没年)、簡単な紹介、曲名(訳題、原題)、作曲年、編成。
*★Lexikon der deutschen Konzertliteratur. Muller-Reuter, Theodor. Da Capo Press, 1972, xxii, 625p. (S04-516) [参 760.8]
1909年に出版された事典の完全再版。
シューベルト、メンデルスゾーン、 シューマンを第一グループ、ベルリオーズ、リスト、ラフ、ワーグナーを第二グループ、さらに1909年当時生存していたしていた作曲家のグループとしてドレーゼケ、ライネッケ、ブルッフ、ゲルンスハイム、リヒャルト・シュトラウスをとり上げている。それぞれの作曲家ごとに独立して章立てされており、作曲家の生没年と生没地、作曲家の簡単な紹介、扱われている作品の目次が各章の頭に掲載され、個々の作品のタイトル、献呈者、楽章構成、演奏時間、作曲年および作曲した場所、初演、出版、編成、解説が記されている。