ピアノ曲について調べる資料をご紹介します。
「連弾、2台以上のピアノ曲について調べる」(S00-062)も参照してください。
◆参考図書
レパートリーを広げたい、曲について調べたい場合、曲目をリストアップした事典類があります。
鍵盤音楽は作品の数も多く、総合的なものから、ピアノ曲へと編曲された作品や、片手のためのピアノ作品のカタログなど、ある編成を専門的に扱ったものまであります。またそれぞれの曲目には出版楽譜情報も掲載され、楽譜を探すときに役立ちます。
★印のついた事典は演奏時間を調べることができます。
■■全般■■
*日本のピアノ曲作曲家・作品解説2017. 飯田有抄ほか著. 全日本ピアノ指導者協会, 2018, 165p. (WS03-069)[参763.2]
Webサイト「ピティナ・ピアノ曲事典」内で紹介されているうちの、日本人作曲家解説48点とその作品解説106点。作曲家解説のうち40点、作品解説37点は英訳付き。Webサイトでも見ることができる。
https://drive.google.com/file/d/1SO51WQfQRTveTgazOWzpxscrWjAt7CGV/view *ピアノ・レパートリー事典. 高橋淳編著. 増補改訂版, 春秋社, 2006, vi, 504p. (WR04-801) [参 763.2]
国内外で発売されている楽譜を中心に編集された、作曲家別ピアノ作品事典。
ピアノ独奏曲から4手連弾曲、2台ピアノ曲、協奏曲まで、それぞれオリジナル曲のほかに編曲ものも含む。作曲者の略歴、作風の簡単な解説、日本語タイトル、原題、作品番号、演奏の際の難易度、楽譜の出版社・出版番号などを記す。邦人作曲家の作品は別にまとめられている。
巻末に海外の主要な出版社についての解説があり、実際に楽譜を選ぶ際の手引きとなる。ピアノ作品のレパートリー集というだけでなく、楽譜の出版社や校訂者による違いや特色などを詳しく解説している点に特色がある。
*Lexikon des Klaviers: Baugeschichte, Spielpraxis, Komponisten und ihre Werke, Interpreten. Kammertons, Christoph et al., hrsg. Laaber-Verlag, c2006, 805p. (S10-871) [参 763.2]
ピアノの事典。
楽器製造の歴史、ピアノ練習法、作曲家とその作品、演奏家に関する844の見出し語をアルファベット順に配列。131のカラー図版つき。作曲家の項目については、生没年、生没地、ピアノ音楽について記載され、項目の最後に作品リスト、著作と文献が載っている。その他の項目についても、各項目の最後に文献が載っている。巻頭に項目の一覧あり。
著者索引、参考文献一覧、ピアノに関するインターネットのサイト一覧が収録されている。
*Music for the piano: a handbook of concert and teaching material from 1580 to 1952. Friskin, James et al. Dover Publications, 1973, ix, 434p. (S03-485) [参 763.2]
ピアノを学ぶ学生、教師、演奏家が手軽に利用できる事典で、1580年から1952年までのオルガンを除く鍵盤曲を扱っている。
全体は5部に分かれ、第1部では1580年以降、バッハとその息子たちまでの鍵盤音楽を、国ごとに紹介。第2部では、ハイドンから20世紀初頭までの作曲家を、アルファベット順に配列して紹介。第3部では20世紀のピアノ音楽をヨーロッパ大陸、アメリカ、ラテンアメリカに分けて紹介している。第4部では四手のピアノ曲を、第5部ではオーケストラを伴うピアノ曲を扱っている。
巻末には初期鍵盤音楽の曲集と出版社についての情報 (1973年時点での)、出版社のリスト、アルファベット順の索引付き。
■編曲、パラフレーズ■
*★The pianist's guide to transcriptions, arrangements, and paraphrases. Hinson, Maurice. Indiana University Press, c1990, xxi, 159p. (S07-492) [参 763.2]
ピアノ曲へと編曲・パラフレーズされた作品を検索するためのガイド。
ピアノ独奏、ピアノ連弾(1台4手)、2台ピアノ、片手用に編曲された作品が収録されている。原曲の作曲者と編曲者名がアルファベット順に並べられ、作曲者の方に編者、出版者、楽譜全体のページ数やおおよその演奏時間など楽譜に関するデータが記載されている。難易度は3段階に分けられている。
アメリカの楽譜出版社・代理店一覧、音楽出版社住所一覧も収録されている。付録として、片手のための編曲者(作曲者)名索引。
■■独奏曲■■
*ピアノ曲鑑賞辞典. 中河原理編. 東京堂出版, 1992, 24, 425p. (WR01-601) [参 763.2]
ピアノ独奏曲の作品事典。
演奏会、CDなどで取り上げられる主要な作曲家のピアノ曲を取り上げている。4手連弾、2台ピアノ、協奏曲は含まない。作曲者名の五十音順に配列され、作曲家については、まず生涯と作品の全体像を解説。曲については「概説」でその作品をめぐる一般的な背景にふれ、「成立と出版」、「鑑賞」と続く。
執筆者は、石田一志、佐々木節夫、平野昭、百瀬喬、諸石幸生、吉井亜彦。
また巻頭には編者による「ピアノ音楽史のあらまし」と題された概説があり、ピアノ音楽史の全体を概観できる。
*The art of the piano: its performers, literature, and recordings. Dubal, David. Summit Books, c1989, 476p. (S07-617) [参 763.2]
全体は二部に分かれ、前半はピアニスト、後半がピアノ曲についての事典になっている。
前半では古典派から現代までのピアニストがアルファベット順に紹介されている。後半で扱われているのは、D.スカルラッティ、J.S.バッハ以降から、高橋悠冶までの作曲家の主要なピアノ曲。作曲者はアルファベット順に配列され、項目内の曲は作曲年代順に紹介されている。作曲者についてのコメント、曲についてのコメントに続いて、主要なディスコグラフィーが演奏者ごとに記されている。アルファベット順の索引付き。
*Composers born before 1900. Dees, Pamela Youngdahl. Greenwood Press, 2002, xx, 222p. (A guide to piano music by women composers, Vol.1). (S09-855) [参 763.2]
女性作曲家によるピアノ曲の事典。
この巻では、1900年以前に生まれた144人の作曲家が取り上げられている。作曲者名のアルファベット順に配列され、それぞれの作曲家の略歴、作風などが紹介されている。作品はピアノ・ソロの曲が扱われており、楽譜の出版形態(1つの作品、1人の作曲家による曲集、複数作曲家による選集)ごとに、アルファベット順もしくは作品番号順に配置され、曲の成立や特徴などが記されているほか、5段階の難易度が付けられている。
女性作曲家に関する主な参考文献表付き。巻末にはアルファベット順、出身国別、時代別の作曲者の索引が付けられている。
*Concert piano repertoire: a manual of solo literature for artists and performers. Faurot, Albert. Scarecrow Press, 1974, 338p. (S03-479) [参 763.2]
ピアノ独奏曲の演奏会プログラム作成や教育、研究に役立つような情報提供を目的とした手引き。
ラモー(Jean-Philippe Rameau 1683-1764) から20世紀半ばに生まれた作曲家まで約300人が収められ、各項目は作曲者名のアルファベット順に並べられている。それぞれの作品は作曲された順に配置され、曲の成立や雰囲気などの簡単な説明のほかに難易度も記されている。また作曲者の生没年表や、主な作曲者と鍵盤音楽史に関する文献表も付いている。
*Europaische Klaviermusik um 1900: catalogue raisonne : Belgien, Schweiz, Spanien, Frankreich, Groβbritannien, Niederlande, Portugal. Jestremski, Margret et al., bearb. G. Henle, c2001, xxi, 203p. (S10-063) [参 763.2]
1895年から1918年の間にヨーロッパ7ヵ国(ベルギー、スイス、スペイン、フランス、イギリス、オランダ、ポルトガル)で作曲されたピアノ・ソロの曲を扱った事典。
約200人の作曲家が取り上げられている。国別に作曲者のアルファベット順に配列され、作曲者の略歴が紹介されている。作品は作曲年順もしくは作品番号順、出版年順に配置され、作品名、出版情報、曲の難易度、短い解説が記されている。巻末に参考文献と、作曲者の索引付。
*Guide de la musique de piano et de clavecin. Tranchefort, Francois-Rene. Fayard, c1987, 869p. (R02-738) [参 763.2]
15世紀から現代までのクラヴサン曲とピアノ曲を扱う。
作曲者をアルファベット順に配列し、それぞれの作曲者の簡単な紹介と作品についての概説、代表的な作品の解説が記されている。特に重要な曲には譜例も付いている。
巻末に簡単な音楽用語の解説と作曲者ごとに作品が列挙された索引がある。
*Guide to the pianist's repertoire. Hinson, Maurice. 4th ed., Indiana University Press, c2014, xliv, 1169p. (S11-203)
[参 763.2]
重要なピアノ・ソロ作品(編曲を除く)を一覧にして利用できるように、という目的で編纂されたガイドの第4版。
第1部では作曲者がアルファベット順に並べられ、作曲者についての簡単な記述と、それぞれの作品ごとに形式、リズムや和声の特徴、演奏上の提案、難易度、楽譜の編者・出版社などのデータが記されている。
第2部ではアンソロジー(選集)と曲集が収められ、1)さまざまな国・さまざまな時代におよぶもの、2)さまざまな国の20世紀の作品が収められたもの、3)一人の作曲者によるもの、などに分類され、3)はさらに作曲者の国別に分類されている。
付録は歴史的なリサイタル・プログラム。索引には国別の作曲者索引、女性作曲者、ピアノとテープのための作品、プリペアード・ピアノ作品一覧などもある。
*Handbuch der Klavierliteratur: Klaviermusik zu zwei Handen. Wolters, Klaus. 5. Aufl., Atlantis, c2001, 747p. (S09-650) [参 763.2]
2手用ピアノ作品の手引きの第5版。実践に役立つよう、教則本や各時代のピアノ作品など、さまざまな角度から章立てがされている。ピアノ教則本については「古いメトード」、「初期のレッスンの導入用とより上級のレベル用」、「ジャズの教則本」などに項目が分けられている。またエチュードも同様に難易度別に記されている。
この手引きの中心となっているのは時代に沿ったピアノ音楽についての記述で、ルネサンス-バロックから20世紀まで時代ごとに項目が立てられ、その時代のピアノ作品の傾向の簡単な説明と、生年順に並べられた作曲者についての記述がある。作品に関しては主な出版社と難易度、曲についての説明などの情報が記されている。
*The pianist's guide to standard teaching and performance literature : an invaluable resource of piano literature from Baroque through Contemporary periods for teachers, students and performers. Magrath, Jane. Alfred Publishing Co., 1995, xiv, 569 p. (S11-519)[参763.2]
ピアノ教師、学生、演奏者のためのバロックから現代までのピアノ独奏曲が対象。
時代別(バロック、古典派、ロマン派、20世紀)、作曲者のアルファベット順になっていて、生没年、略歴のあとに、曲名、簡単な解説と出版社名、演奏レベルが付記されている。演奏レベルは1から10までの10段階で、バッハの3声インヴェンション、ショパンのノクターンなどが一番難しいレベル10となっている。
■■片手のための曲■■
*One handed : a guide to piano music for one hand. Patterson, Donald L., comp. Greenwood Press, 1999, (Music reference collection, no.80). (S90-659)
片手のための作品2,100曲以上のカタログ。
第1章:右手のためのオリジナル作品109曲、第2章:左手のためのオリジナル作品558曲、第3章:片手のためのアレンジ作品161曲、第4章:片手とオーケストラの作品、片手と楽器(声を含む)のための作品、3手・5手・7手のための作品など、第5章:アンソロジー、第6章:ディスコグラフィー。
章ごとに作曲者のアルファベット順。生没年、国名、曲名、出版地、出版社、出版年、ページ数、簡単な解説、難易度、所蔵する機関など。
巻末に参考文献、索引。
*Piano music for one hand. Edel, Theodore. Indiana University Press, c1994, viii, 121p. (S08-303) [参 763.2]
片手のためのピアノ作品のカタログ。
第1部ではこのジャンルの歴史や貢献したピアニストについて書かれ、第2部は作品のカタログとなっている。 左手・右手のみの独奏曲、片手ピアノとオーケストラのための作品、室内楽作品に分類され、さらに作曲者、編曲者のアルファベット順に並べられている。作品ごとにテンポや特徴、曲の長さ、難易度、楽譜の出版情報などのデータが収録されている。片手用に編曲された作品は編曲者のところに収められている。
◆Webサイト
*ピティナ・ピアノ曲事典
http://piano.or.jp/ (2019/11/21確認)
約70,000項目におよび、ピアノ・鍵盤音楽のデータベース。
音源や楽譜、コンサート情報など、音楽にまつわる多くの情報を集め結びつける音楽データベース。楽曲検索の画面では、作曲家名や作品名などのキーワード、もしくは演奏時間、ジャンル(例えば協奏曲、ソナタ、組曲など)、調性、作曲年などの条件を指定して検索することができる。
*Piano music for the left hand alone
http://www.left-hand-brofeldt.dk/ (2019/11/21確認)
800人以上の作曲家の、左手のためのピアノ作品カタログ。