調べ方マニュアル詳細
- 調べ方作成日
- 2013年12月01日
- 登録日時
- 2013/12/06 13:57
- 更新日時
- 2013/12/06 15:53
- 管理番号
- 埼熊-020
- 調査テーマ
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完成
カウンセリングについて調べる 埼玉県立熊谷図書館 調べものに役立つ資料案内
- 調べ方
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■ 今回のテーマ ■
現代は「ストレス社会」であると言われています。人はストレスを受けると、それをバネに自分の能力をさらに発揮できることがある一方、心が疲れてしまうことで心身の不調が生じたりします。そのような「心の健康(メンタル・ヘルス)」が注目されるにしたがって、心身の不調を予防したりサポートする手段の一つ「カウンセリング」にも関心が集まっています。今回は、そんな「カウンセリング」について調べる方法を御紹介します。
■ キーワード ■
特定のテーマに関する情報を探す場合には、あらかじめ調べたいテーマや象徴するキーワードを決めてから調べると、手際よく情報を集めることができます。また、関連するキーワードも調べてみると、より広い範囲の情報が集められます。
主なキーワード :カウンセリング
関連キーワード :心理療法 臨床心理学 精神医学 サイコセラピー
■ 関連資料・情報の集め方 ■
1 入門的な情報源をみる
「カウンセリング」という言葉とともに、「心理療法」「サイコセラピー」という言葉も、だいぶ日常的に使われるようになってきました。しかし、そもそも同じ意味なのでしょうか。「カウンセリング」と「心理療法」をキーワードに、辞典類を調べてみましょう。(以下『広辞苑 第5版』(岩波書店 1998)より引用)
p451〈カウンセリング〉個人の持つ悩みや問題を解決するため、精神医学・心理学等の立場から協力し、助言を与えること。個人指導。身上相談。
p1399〈心理療法〉 精神療法に同じ。
p1470〈精神療法〉 精神的影響によって患者を治す方法。心理療法。
「心理療法/精神療法」が患者を「治す方法」であるのに対して、「カウンセリング」は「協力し、助言を与える」とあります。微妙な違いがあるようです。主なキーワードだけでなく関連するキーワードも調べていくと、両者の違いが分かるでしょう。
2 図書館にある本を探す
(1)専門的な辞典/事典類を見てみる
埼玉県立図書館では、一般図書と「レファレンス・ブック/参考図書」と呼ばれる辞典/事典類を区分して並べています。(背表紙の請求記号ラベルの最初に「R」が付いています。貸出はできません。)
専門的な辞典/事典類を使うと、詳細な情報や解説が分かるだけではなく、辞典/事典の構成がその分野の範囲を示す、全体の見取り図になっていることがあります。その辞典/事典がどのように編集・構成されているか、巻頭にある「まえがき」や「序文」「凡例」などで確認してみましょう。
たとえば、以下の事典を見ると、カウンセリングの範囲や関連分野との関係、違いが分かります。
『カウンセリング心理学事典』(國分康孝監修 誠信書房 2008)
『カウンセリング実践ハンドブック』(松原達哉 編集代表 丸善 2011)
『現代カウンセリング事典』(國分康孝監修 金子書房 2001)
(2)直接本棚を探す
主題分類〈146.8〉(心理療法.カウンセリング)の本棚を見てみましょう。
この分類は、「心理療法」と「カウンセリング」の両方を含んでいます。1でみたように、両者には微妙な違いがありますが、図書館の分類では一緒になっているので、注意が必要です。
〈146.8〉よりも広い範囲をカバーする〈146〉(臨床心理学.精神分析学)〈140〉(心理学)の図書も、目次をみて確認してみましょう。
また、医学や教育など、特定の場面におけるカウンセリングは、その場面を主題(医学・教育など)として分類されるので、これも注意が必要です。医学書は久喜図書館、教育書は浦和図書館が所蔵しています。
*主題分類とは資料の内容を数字(日本十進分類法)に置き換え、記号として表示したものです。図書館の資料は原則として主題分類順に並べられています。
(3)図書館内の蔵書検索用端末や《埼玉県立図書館ウェブサイト》の蔵書検索画面で探す
「書名」や「件名」の欄に〈カウンセリング〉と入力して検索してみましょう。職業カウンセリングや医学、教育でのカウンセリングなど、特定の場面も含んだ幅広い内容が検索でき、本棚にない図書も一覧できます。
366.29/キヤ『キャリアカウンセリング入門』(渡辺三枝子著 ナカニシヤ出版 2001)
371.43/カツ『学校カウンセリング入門』(友久久雄編著 ミネルヴァ書房 1999)
491.69/イテ『遺伝医療とこころのケア』(玉井真理子著 日本放送出版協会 2006)
カウンセリングの一般的なことや理論などを探す場合は、「分類」(〈146〉〈146.8〉など)で検索すると絞り込めます。
3 図書館にない本も含めて刊行された本を探す
(1)図書館にある参考図書で探す
刊行された本を探すほか、事典類の巻末にある参考文献一覧などによって基本図書を知ることができます。
『心理学の本全情報 2003-2007』(日外アソシエーツ 2008)対象年間に刊行された心理学の本を、各分野に分類して収録。他に「45-92」「93-97」「1998-2002」の各版もあり。
『カウンセリング大事典』(新曜社 2004)付録に、10項目に分類された「カウンセラーに必要な本のリスト」あり。
(2)インターネットで探す
上記の図書等で探した本が県立図書館にない場合、以下の検索システムで所蔵している図書館を探すことができます。
《埼玉県内公共図書館等横断検索》(http://cross.lib.pref.saitama.jp/ 埼玉県立図書館 2013/12/06最終確認)
《国立国会図書館サーチ》(http://iss.ndl.go.jp/ 国立国会図書館 2013/12/06最終確認)
4 テーマに関連する雑誌を探す
雑誌には、最新の情報や研究などが掲載されていて、図書よりも速報性がありますが、専門的な内容のものが多くなります。以下のウェブ上のデータベースで探すことができ、論文名や雑誌名など、いろいろな角度から検索できます。
《国立国会図書館 NDL-OPAC》(https://ndlopac.ndl.go.jp/ 国立国会図書館 2013/12/06最終確認)
《CiNii(サイニィ) Articles 日本の論文をさがす》(http://ci.nii.ac.jp/ 国立情報学研究所 2013/12/06最終確認)
《MAGAZINEPLUS》*雑誌・論文の有料オンラインデータベース。
たとえば、《CiNii Articles》で「カウンセリング」と検索すると、以下のような文献が出てきます。
荻野ゆう子著「子ども目線に立てない親へのカウンセリング」(『児童心理 66(13)』 p1120-1124 金子書房 2012)
福島裕人著「メールカウンセリングの現状と可能性」(「東海学院大学紀要 6号」p293-298 東海学院大学 2013)オープンアクセスのため、PDF版で全文閲覧可能
水野修次郎著「権利擁護とカウンセリング」(「麗澤大学紀要 91号」 p277-293 麗澤大学 2010)機関リポジトリ*でPDF版の全文閲覧可能
*各大学や研究機関が、所属する教員・研究者の書いた論文などをウェブ上で無料公開しているデータベース。
5 関連する機関・団体のウェブサイトを見る
《学会名鑑》(http://gakkai.jst.go.jp/gakkai/control/site.jsp 日本学術会議、独立行政法人科学技術振興機構(JST)及び財団法人日本学術協力財団 2013/12/06最終確認)
現在、「カウンセラー」と名のつく資格を、いろいろな機関・団体が付与・認定しています。その中から、学術的な団体を探すことができます。
- NDC
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- 臨床心理学.精神分析学 (146 9版)
- 内科学 (493 9版)
- 教育学.教育思想 (371 9版)
- 参考資料
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- 《学会名鑑》(http://gakkai.jst.go.jp/gakkai/control/site.jsp 日本学術会議、独立行政法人科学技術振興機構(JST)及び財団法人日本学術協力財団 2013/12/06最終確認)
- キーワード
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- カウンセリング
- 心理療法
- 臨床心理学
- 精神医学
- サイコセラピー
- メンタルヘルス
- 備考
- 登録番号
- 2000022428