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調べ方マニュアル詳細(Detail of search guide data)

提供館
(Library)
埼玉県立久喜図書館 (2110009)管理番号
(Control number)
埼久-050
調べ方作成日
(Creation date)
2018年11月06日登録日時
(Registration date)
2019年01月07日 11時56分更新日時
(Last update)
2019年01月07日 13時06分
調査テーマ
(Title of the search guide)
日本の紀行文学について調べる(埼玉県立久喜図書館 Milestone No.50)
調べ方
(Contents of the search guide)
■ 今回のテーマ ■

 人は古くから旅の中で見聞きしたもの、感じたことを文に、歌に残してきました。それらは「紀行」と呼ばれる文学のジャンルの一つとなり、現在まで多くの作品が残されています。日本における紀行文学の起源は10世紀に書かれた紀貫之の「土佐日記」とされています。今回は、そんな「土佐日記」から始まる日本の紀行文学作品の調べ方をご案内します。

■ キーワード ■

 特定のテーマについての情報を探す際は、あらかじめ調べたいテーマに関連するキーワードをもとに調査を開始すると、手際よく情報を集めることができます。

紀行文学 / 紀行 / 日記 / 道中記 / 旅行記 /作品名(『土佐日記』、『おくのほそ道』、『東関紀行』など)/その他関心のある地名など

■ 関連資料・情報の集め方 ■

 事典・辞書・ハンドブックなど、調べものに使う本を参考図書(Reference book)といい、当館では請求記号の頭にRを付け、一般書とは別の書架に置いてあります。参考図書は、館内で御利用ください。

1 テーマに関連する基本的な知識を得る。
(1)百科事典で調べる。
 基本的な情報は、百科事典で調べることができます。
 ア 『世界大百科事典』(平凡社 2005)
 イ 『日本大百科全書』(小学館 1984-1997)
 ウ 『ブリタニカ国際大百科事典』(フランク・B.ギブニ-編 ブリタニカ 1984)

 アイウ全てに「紀行文学」の項目があり、その概要や歴史を知ることができます。
 アは日本における紀行文学の概要及び歴史が簡潔にまとめられており、紀行文学を調べる際の第一歩として確認する際に便利です。
 イでは西洋と日本に分けて説明されており、また日本の紀行文学に関しては、時代毎の解説と特色についての解説があり、紀行文学について詳しく知りたい時に確認することに向いています。また、「道中記」も項目があり、こちらでも概要が確認できます。
 また、イに「さらに主人公の旅を全部もしくは一部のモチーフとした『竹斎(ちくさい)』(富山道冶(とみやまどうや))、『東海道中膝栗毛(ひざくりげ)』(十返舎一九)、『金色夜叉(こんじきやしゃ)』(塩原の景など。尾崎紅葉)、『旅愁』(横光利一)などは、創作文学という点で紀行文学ではないが、関連はある。」(『日本大百科全書 6』 小学館 1985 p444)との記述があります。引用にあるように、旅を題材にしていても創作文学は、いわゆる「小説」に分類されます。ですので、今回ご紹介する方法とは少し違った探しかたをする必要がありますので、ご注意ください。
 ウは、大項目事典と小項目事典の両方に「紀行文学」の項目があります。大項目事典では簡潔な説明が書かれており、紀行文学の概要のみ調べたい時に確認するとよいでしょう。小項目事典では、日本、西洋、中国、アラビア・ペルシアの4つのエリアに関する記述があり、海外の紀行文学の概要を知りたい時に便利です。

(2)紀行文学の概要を知る
 ア 『日本紀行文学の研究』(五十嵐富夫著 柏書房 1986)
 イ 『日記・和歌文学』(池田亀鑑著 至文堂 1969)
 ウ 『日本紀行文学便覧』(福田秀一[ほか]編著 武蔵野書院 1975)

 アは第一章にて、日本における紀行文学、日記、道中記について比較する形でその概要が記述されています。また、第三章にて、各時代の代表的な紀行文学作品の解説が載っているので、それらの作品の概要を知るためにも利用することが出来ます。
 イは、本文でまず「自照文学」と総称して日記、紀行文、随筆等の性質について記述しており、続いて日記紀行文学の性質について記述されています。
 ウは、平安-安土桃山の紀行文学70作品について、その旅行の行程と経過地を地図で示した資料です。また、作品一覧表があり、解説や本文が掲載されている辞典、叢書等が人目でわかるようにまとめられています。紀行文学作品についてより深く調べる際に便利な資料です。

2 テーマに関連する図書を探す。
(1)埼玉県立図書館にない本も含めて、刊行された本を探す。
 ア“紀行文学”に関連した本を探す際の分類コード
 図書館では、共通した分類コードを元に各書棚に本を並べています。下記分類を参考に探してみてはいかがでしょうか。

 【915】日本文学‐日記、書簡、紀行
  【915.3】古代-平安時代
  【915.4】中世(鎌倉、室町時代)
  【915.5】近世(江戸時代)
  【915.6】近代以降(明治時代以降)

 また、図書館の分類コード29「地理、地誌、紀行」の中にも“紀行”が含まれています。こちらは文学性よりも地理的な記録としての要素の高い図書が振り分けられています。(「地理」に関する図書は埼玉県立熊谷図書館に所蔵されています。)

 【290.9】地理‐紀行
  【290.91】探検記
  【290.92】漂流記
  【290.93】旅行案内記

 イ インターネットで探す。
 《埼玉県内公共図書館等 横断検索システム》( http://cross.lib.pref.saitama.jp/  埼玉県立図書館)
  埼玉県内の市町村立図書館等の蔵書を一度に検索することができます。
 《国会図書館サーチ》( http://iss.ndl.go.jp/  国会図書館)
  国立国会図書館が所蔵する全ての資料をはじめ、全国の公共図書館、公文書館、美術館や学術研究機関等が所蔵する資料を検索できます。
 《WebcatPlus》( http://webcatplus.nii.ac.jp/  国立情報学研究所)
  近世から現代までに出版された書物を対象に、全国の大学図書館や国立国会図書館の所蔵目録や新刊書の書影など、様々な情報源を統合した形で検索できます。

(2)古代‐中世の作品を読む・調べる。
 平安時代から室町時代までの代表的な紀行文学について調べられる資料です。
 ア『土佐日記総索引』(日本大学文理学部国文学研究室編 日本大学人文科学研究所 1967) 
(注)資料上の表記は「土左日記」となっています。
 イ『土佐日記全注釈』(萩谷朴著 角川書店 1967)
 ウ『海道記全釈』(武田孝著 笠間書院 1990)
 エ『東関紀行 本文及び総索引』(熊本女子大学国語学研究室編 笠間書院 1977)
 オ『東関紀行全釈』(武田孝著 笠間書院 1993)
 カ『十六夜日記詳講』(武田孝著 明治書院 1985)
 キ『十六夜日記 校本及び総索引』(江口正弘編 笠間書院 1972)

 アは『土佐日記』全文を読むことが出来ます。また、索引が充実しており、名詞だけでなく動詞や形容詞などどの品詞からも引くことができ、さらには、人名、地名、和歌の索引もあります。最後に日本大学所蔵の『土佐日記』全頁の写真と解説もあります。
 イは『土佐日記』の全文注釈書です。前半の注釈編では、各章について本文、現代語訳、解釈が合わせて記載されており、土佐日記を深く理解しながら読み進めることができます。後半には解説編と付録があり、付録には作中の旅程の写真付きでの紹介や索引が掲載されています。
 ウは中世三大紀行文の一つである『海道記』の全文注釈書です。各節ごとに原文、通釈、語句解説、余説という構造で書かれており、『海道記』を理解するにはとても参考となる資料です。また、解題に略地図や他の参考文献が記載されており、語句索引、和歌索引もあります。
 エは中世三大紀行文の一つである『東関紀行』の全文を読むことができます。また、一般語彙索引、助詞・助動詞索引、和歌索引があり、ほぼ全ての語句について、本文のどこで登場するかを調べることができます。
 オは『東関紀行』の全文注釈書です。各節ごとに原文、通釈、語句解説、余説という構造で書かれており、『東関紀行』を理解するにはとても参考となる資料です。また、解題に略地図や他の参考文献が記載され、語句索引、和歌索引もあります。
 カは中世三大紀行文の一つである『十六夜日記』の評釈書です。各節ごとに、原文、通釈、語句、解説という構造で書かれており、『十六夜日記』を理解するにはとても参考となる資料です。また、本書各解説項目には題が付されていて、その分類索引があるため、自身の関心のある項目の本文と解説から読むこともできます。さらに和歌索引、語句索引があります。
 キは『十六夜日記』の校本で、細川家家永文庫蔵「いさよいの日記」を底本とし、28本の対校本との異同を示した資料です。底本の影印が収録されており、また対校本の略解や一般語彙索引、助詞・助動詞索引、和歌索引があり、『十六夜日記』について詳しく知る際に参考となる資料です。

(3)近世の作品を読む・調べる。
 江戸時代の代表的な作品である、松尾芭蕉の紀行文について調べられる資料です。
 ア『おくのほそ道評釈』(尾形仂著 角川書店 2001)
 イ『野ざらし紀行評釈』(尾形仂著 角川書店 1998)
 ウ『おくのほそ道探訪事典 『随行日記』で歩く全行程』(工藤寛正著 東京堂出版 2011)
 エ『おくのほそ道大全』(楠元六男[ほか]編 笠間書院 2009)
 オ『『おくのほそ道』解釈事典』(堀切実編 金子俊之[ほか]著 東京堂出版 2003)
 カ『芭蕉紀行総索引 上下』(弥吉菅一[ほか]編 明治書院 1970)

 アは『おくのほそ道』の評釈書です。本文を46章に分け、各章ごとに本文、校異、口語、語釈、解説という構成になっており、『おくのほそ道』について詳しく知りたい際に参考となる資料です。また、語句索引、発句索引があり、関心のある語句や俳句に関する部分から読みたい際にも使用でき、付録には旅程図も記載されています。
 イは松尾芭蕉最初の紀行文である『野ざらし紀行』の評釈書です。各章ごとに底本としている『甲子吟行画巻』の画像と翻刻文、口訳、語釈、解説という構成になっており、『野ざらし紀行』について詳しく知りたい際に参考となる資料です。
 ウは曾良の『随行日記』を基に、芭蕉と曾良が『おくのほそ道』で辿った旅程各地の歴史、史跡・句碑などを写真と地図を交えて詳解した資料です。各地の解説のなかで『おくのほそ道』と『随行日記』の本文と現代語訳が抜粋されており、俳句索引を用いて俳句と関係のある土地を知ることができるため、『おくのほそ道』に登場する土地について調べたい時に便利な資料です。
 エは『おくのほそ道』の最新の研究をまとめた資料です。研究者の論文や対談、参考文献一覧や諸本対照表などが掲載されており、『おくのほそ道』についてより深く知りたい、研究したいという人向けの入門的な資料です。
 オは『おくのほそ道』の解釈に関する研究をまとめた資料です。各章段ごとに章段の特色、先行研究の概観、研究各説という構成になっています。また、付録として研究文献一覧があり、雑誌の特集号まで記載されているため、『おくのほそ道』を研究する人の助けとなる資料です。
 カは芭蕉紀行文のうち、『野ざらし紀行』、『鹿島詣』、『笈の小文』、『更科紀行』の4作品についての校本と総索引の資料です。前半の本文編は、底本の影印と翻刻文を上下に、その横に対校本の同部分が掲載される形となっています。後半の索引編は名詞や動詞だけでなく助詞・助動詞も項目にあり、4作品に登場するほぼすべての単語が収録されています。現代語訳は掲載されていないので、それぞれの作品の諸本について調査・研究の際に利用する資料となっています。

(4)近・現代の作品を読む・調べる。
 明治-現代の代表的な紀行文学作品と、現在出版されている紀行文学を調べられる資料です。
 ア『はて知らずの記(明治文學全集 94 明治紀行文學集)』(正岡子規著 筑摩書房 1974)
 イ『みなかみ紀行』(若山牧水著 中央公論社 1993)
 ウ『阿房列車』(内田百閒著 三笠書房 1952)
 エ『深夜特急 第1便-第3便』(沢木耕太郎著 新潮社 1986-1992)
 オ『街道をゆく 全43巻』(司馬遼太郎著 朝日新聞社 1978-1996)
 カ『遠い太鼓』(村上春樹著 講談社 1990)
 キ『紀行・案内記全情報 2002-2007』(日外アソシエーツ株式会社編 日外アソシエーツ 2008)
 ク『アンソロジー内容総覧 評論・随筆』(日外アソシエーツ株式会社編 日外アソシエーツ 2006)
(注)上記の情報は、作品が掲載されている県立久喜図書館所蔵資料の中から1点選んで記載したものです。タイトルや著者名で検索すると、他の出版社から刊行された資料も見つかります。

 アは1893年に正岡子規が、松尾芭蕉の足跡を訪ねて東北地方を巡った旅を句文で著した作品です。
 イは1923年に刊行された若山牧水の紀行文で、利根川の水源を訪ねる旅として、静岡から長野県・群馬県・栃木県を巡った旅の一部について書かれています。
 ウは作家の内田百閒が、1950年から執筆した鉄道旅行の紀行シリーズです。この作品の影響を受け、作家の阿川弘之は『南蛮阿房列車』という海外紀行作品を執筆しています。
 エは作家・沢木耕太郎が産経新聞にて連載した海外紀行作品です。刊行当時はこの作品の影響を受けて個人での海外旅行に旅立つ人が増えたとされ、バックパッカーのバイブルとも呼ばれた作品です。
 オは司馬遼太郎が1971年から週刊朝日の連載として執筆を始めた紀行文集で、亡くなる1996年まで25年にわたって書かれた、全43巻に及ぶ大紀行作品です。
 カは作家の村上春樹が、1986年から1989年の三年間にイタリアやギリシャに滞在していた日々の記録を書いた作品です。
 キは、2002年から2007年に国内で刊行された紀行・案内記の情報がまとめられた資料です。これ以前についても、同タイトルで1945年以降の情報を記載した資料が刊行されているので、お求めの年代に合わせた資料を利用することで、広く情報を確認することができます。
 クは1946年から2005年までに刊行された評論・随筆・紀行に関する資料の内容細目集です。収録図書一覧、著者名索引があり、書名や著者名からも検索できます。

(5)全集・選集を読む。
 ア『現代日本紀行文学全集 全12巻』(小林秀雄[ほか]監修 ほるぷ出版 1976)
 イ『世界紀行文学全集 全21巻』(井上靖[ほか]監修 ほるぷ出版 1979)
 ウ『中世紀行文学選』(蔵中スミ[ほか]編 翰林書房 1995)
 エ『中世の紀行文学』(白井忠功著 文化書房博文社 1976)
 オ『近世紀行文集成 全6巻』(板坂耀子編 葦書房 2002)
 カ『近世紀行日記文学集成 全2巻』(津本信博編著 早稲田大学出版部 1993)
 キ『江戸後期紀行文学全集 全3巻』(津本信博著 新典社 2015)

 アイは、ぽるぷ出版より刊行された明治-昭和期に書かれた紀行文学の全集で、アは日本国内、イは海外を舞台とした紀行作品がまとめられています。どちらも各巻地域ごとにまとめられているので、関心のある地域について、どのような紀行文が書かれているかを知ることもできます。
 ウエは、中世の紀行文学をまとめた資料です。ウは収録作品の影印も掲載しています。エは作品本文のみてはなく、それぞれの作品の解釈・考察も掲載されています。
 オは江戸時代に書かれた紀行文集成で、第1巻から蝦夷編、九州編、女流編、参詣編、東海道・木曽路編、東北編となっており、近世において注目されるべき要素から構成されています。
 カも江戸時代の紀行文集成ですが、こちらは身分や有名無名問わず多くの作家の紀行文を掲載しています。また、掲載作品の解題が巻末にあります。
 キはタイトルのとおり江戸後期までに書かれた紀行文学の全集です。収録している作品は本文に和歌を含む作品となっており、有名な作品は除外されている点に注意が必要です。

3 テーマに関連するウェブサイトを見る。
《国文学研究資料館 電子資料館》( http://www.nijl.ac.jp/pages/database/  国文学研究資料館)
 国文学研究資料館の所蔵資料の検索のほか、様々なデータベースの利用が可能です。「国文学論文目録データベース」「新奈良絵本画像データベース」「日本古典選集本文データベース」「日本古典籍総合目録データベース」「歴史人物画像(古典キャラクター)データベース」など。

《日本近代文学館》( http://www.bungakukan.or.jp/  日本近代文学館)
 明治以降の日本の近・現代文学関係資料とその関連分野を収集している施設です。資料は、図書・雑誌・新聞のほか特別資料と呼んでいる原稿・書簡・筆墨・日記・ノート・遺品などその種類は多岐にわたり、現在、その数 120万点に及びます。館収蔵の文庫・コレクションの一覧、所蔵する雑誌、写真の検索も可能です。

《青空文庫》( http://www.aozora.gr.jp/  青空文庫)
 著作権が消滅した作品を中心に公開している電子図書館です。作品名、作家名から探すほか、分野別リストから随筆を探すこともできます。

《やたがらすナビ》( http://yatanavi.org/  やたがらすナビ運営委員会)
 古典文学(国文学・中国文学・中国哲学)のポータルサイトです。書誌、辞典などのツール、テキスト、研究機関、入門・研究方法などへのリンクがあります。

《国会図書館デジタルコレクション》( http://dl.ndl.go.jp/  国会図書館)
 国立国会図書館で収集・集積されているさまざまなデジタル化資料を検索・閲覧できるサービスです。「インターネット公開」資料はどなたでもご覧になれます。また「図書館送信参加館内公開」資料は県立熊谷図書館・県立久喜図書館でご覧いただけます。

ウェブサイト・データベースの最終アクセス日は2018年11月6日。
NDC
日記.書簡.紀行  (915 9版)
地理.地誌.紀行  (290 9版)
参考資料
(Reference materials)
キーワード
(Keywords)
紀行文学-日本
紀行
日記文学-日本
土佐日記
奥の細道
備考
(Notes)
登録番号
(Registration number)
2000026091完成/未完成
(Complete / Incomplete)
完成
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このデータベースについて
国立国会図書館が全国の図書館等と協同で構築している、調べ物のためのデータベースです。詳細

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