調べ方マニュアル詳細
- 調べ方作成日
- 2021年10月09日
- 登録日時
- 2021/10/31 14:35
- 更新日時
- 2022/01/20 11:23
- 管理番号
- 埼久-058
- 調査テーマ
-
完成
舞踊・ダンスについて調べる コンテンポラリーダンスを例にして 埼玉県立久喜図書館 Milestone no.60
- 調べ方
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■今回のテーマ■
今年開催された東京2020オリンピックの式典では、追悼のダンスが披露され話題になった。言葉を必要とせず、世界中の人たちに想いを伝えることができるのが、舞踊やダンスではないだろうか。バレエなどの古典舞踊から、新しい身体表現として、モダンダンスやコンテンポラリーダンスが派生してきた。今回は、「コンテンポラリーダンス」を例にして、舞踊やダンスについての調べ方を紹介する。
1 基本的な知識を得る。
本格的に調査を始める前に、自分が調べたいことについて、基本的な情報を調べておくと、その後の調査が進めやすくなる。まず、「コンテンポラリーダンス」について、基本的なことを確認してみよう。
(1)言葉の意味を調べる。
『広辞苑 第7版』(新村出編 岩波書店 2018)
「【contemporary】(「同時代の」の意)現代的。当世風。―・ダンス【~dance】一九八〇年代、モダン・ダンスが衰退した後に生まれた現代舞踊の汎称。特定のスタイルを指すものではない。」とあり。
『コンサイスカタカナ語辞典 第5版』(三省堂編修所編 三省堂 2020)
「[contemporary dance](ダンス)バレエ・モダン‐ダンス・ジャズ‐ダンスなどの影響を受けながら、それらに分類されない新しいダンス。〈現〉」とあり。注に「〈現〉は「昭和 21 年以後、平成、令和」を表す略語」とあり。
比較的新しい辞書・事典類には載っていたが、代表的な百科事典を引いても載っていない。1つのキーワードだけで検索しても求める情報にたどり着けない時は、いろいろなキーワードを使って、調べる内容を広げてみよう。そのためには、同義語や類義語などを活用するとよい。
『日本語シソーラス 類語検索辞典 第2版』 (山口翼編 大修館書店 2016)
この辞典の索引には、「コンテンポラリーダンス」の単語は載っていない。そこで、「ダンス」という単語で調べてみる。すると「ダンス」の項目には「舞踊」とあった。「舞踊」のページの本文を見てみるとと、「舞踏」「踏舞/舞」「踊り」などの単語が出てきた。また「舞踊」の中でも、「日本」「外国」「バレエ」「舞振り」などの細目にわかれており、それぞれに類義語が載っている。
いろいろなキーワードを探すには、《国立国会図書館典拠データ検索・提供サービス(Web NDL Authorities)》が便利である。
《国立国会図書館典拠データ検索・提供サービス(Web NDL Authorities)》(https://id.ndl.go.jp/auth/ndla 国立国会図書館)
国立国会図書館が作成している典拠データを検索・ダウンロードできるサービスである。典拠データとは、資料の検索の手がかりとなる著者名やキーワードなどを整理してまとめたデータである。検索キーワードのゆれ(例:「ギリシャ」と「ギリシア」)による検索もれや検索ノイズ(意図しない検索結果)のない、資料の的確な検索が可能になる。
「コンテンポラリーダンス」を検索すると、「モダンダンス」の項目が該当した。「モダンダンス」の同義語の中に「コンテンポラリーダンス」が入っている。「モダンダンス」の上位語が「舞踊」となっており、図書館で調べる際に必要になる分類記号も載っている。
今回は、「コンテンポラリーダンス」について調べるが、以下のような同義語や類義語などを活用すると良い。
キーワード
コンテンポラリーダンス / モダンダンス / 舞踊 / 舞踏 / ダンス / Dance
(2)舞踊関連の参考図書を調べる。
『演劇・舞踊の賞事典』 (日外アソシエーツ 2015)
現代劇、ミュージカルなどの演劇・戯曲、バレエなどのダンス・舞踊に関するさまざまな賞を収録している。「舞踊」には、賞の概要と歴代の受賞情報を掲載している。
『音楽・芸能賞事典 2014-2018』 (日外アソシエーツ 2019)
日本で開催されている音楽・映画・演劇・舞踊・演芸の各芸能分野の賞・コンクールについて、2014年1月から2019年3月までの歴代受賞者と、賞の趣旨、主催者、最新の選考基準、連絡先などを掲載している。受賞者名で探すことができる索引がある。
『舞踊年鑑 2020』 (猪崎弥生編 現代舞踊協会 2021)
2020年の舞踊公演の現状について、データをもとにした考察や、公演の記録(中止や延期も含む)などが掲載されている。また、コンクールの記録や国内外の舞踏アーカイブの一覧も掲載されている。
『日本洋舞史年表1(1900-1959)』(日本洋舞史研究会編 日本芸術文化振興会新国立劇場情報センター 2003)
『日本洋舞史年表2(1960-1969)』(日本洋舞史研究会編 日本芸術文化振興会新国立劇場情報センター 2005)
『日本洋舞史年表3(1970-1975)』(日本洋舞史研究会編 日本芸術文化振興会新国立劇場情報センター 2006)
『日本洋舞史年表4-1(1976-1978)』(日本洋舞史研究会編 新国立劇場運営財団 2007)
『日本洋舞史年表4-2(1979-1980)』(日本洋舞史研究会編 新国立劇場運営財団 2007)
日本の洋舞の歴史を振り返る基礎資料として、各年代の日本国内外の舞踊界で起こった主な出来事を、年代月日順に年表に収めたものである。外国での出来事には、日本の洋舞界に直接、間接的に影響を与えたと判断されたもの、および国内の出来事との対照という観点から項目を厳選している。
『音楽・芸能レファレンスブック』 (日外アソシエーツ 2016)
音楽や芸能関連のレファレンスに有用な参考図書を探すことができる。「ダンス・舞踊」の項目がある。
2 テーマに関する図書・雑誌を調べる。
☆図書館で資料を探すには
図書館では、本の内容に応じた分類番号を基に資料が並んでいる。まずは手順1(1)で広げたキーワードを元に、分類番号を調べて、本棚を探してみよう。
『日本十進分類法1(本表・補助表編)新訂10版』(もり・きよし原編 日本図書館協会 2014)
『日本十進分類法2(相関索引・使用法編)新訂10版』(もり・きよし原編 日本図書館協会 2014)
分類番号を調べるには、『日本十進分類法2(相関索引・使用法編)』でキーワードを探してみよう。そこで調べた分類番号の詳細を知りたい時は、『日本十進分類法1(本表・補助表編)』で確認できる。
分類番号【769】舞踊、バレエ 【799】ダンス
図書館の蔵書検索システム(OPAC)で、手順1(1)で挙げたキーワードを元に検索してみよう。
☆近くの図書館に本がないときは
《埼玉県内図書館横断検索》(https://www.lib.pref.saitama.jp/calil/index.html 埼玉県立図書館)
埼玉県内の市町村立図書館等の蔵書を一度に検索することができる。
(1)コンテンポラリーダンスに関する図書を調べる。
『国際コンテンポラリー・ダンス 新しい〈身体と舞踊〉の歴史』(原田広美著 現代書館 2016)
第一部では「バレエ」から「コンテンポラリーダンス」までの歴史を、第二部では欧州のコンテンポラリーダンスを、国際フェスティバルの現地取材・来日公演の写真を添えて綴っている。主要参考文献や映像資料情報がある。
『コンテンポラリー・ダンス徹底ガイド』 (乗越たかお著 作品社 2003)
『コンテンポラリー・ダンス徹底ガイドhyper』 (乗越たかお著 作品社 2006)
世界、日本のダンサーやダンスカンパニーから注目の若手ダンサーなどを紹介している。次に見る公演を決める参考になるように工夫を凝らしたガイドブックである。コンテンポラリーダンスの全体像を知ることができる。コンテンポラリーダンス関連年表や作品名や人名・カンパニー名から調べられる索引が掲載されている。
(2)コンテンポラリーダンスに関する雑誌を調べる。
『ダンスマガジン(Dance magazine)』(新書館)〈月刊〉
日本はもちろん、世界のバレエやダンスを写真やレポートで紹介している。舞台写真、ダンサーや振付家のインタビューなどを掲載していて、これから行われる公演情報も見ることができる。
☆雑誌記事を探すには
《CiNii Articles 》(https://ci.nii.ac.jp/ 国立情報学研究所)
CiNii Articles (日本の論文をさがす)は、日本の学術論文を中心とした論文情報を提供するサービスである。学協会刊行物・大学研究紀要・国立国会図書館の雑誌記事索引データベースなどの学術論文情報を検索できる。CiNii収録論文(約400万件)は全文検索が可能となっている。
《国立国会図書館サーチ(NDL-Search)》(https://iss.ndl.go.jp/ 国立国会図書館)
NDL ONLINE、PORTA(国立国会図書館デジタルアーカイブポータル)、総合目録ネットワークシステム、児童書総合目録、全国新聞総合目録データベースを統合した検索ツールである。全国の公共図書館、公文書館、美術館や大学図書館・学術研究機関等が提供する資料、デジタルコンテンツを統合的に検索できる。
《magazineplus(マガジンプラス)》(日外アソシエーツ)
一般誌から専門誌、大学紀要、海外誌紙まで収録した雑誌記事(書誌的事項)のデータベースである。キーワード等から、探している記事や論文が、どの雑誌や論文集に掲載されているかを検索できる。
《Web OYA-bunko (ウェブ大宅文庫)》(大宅壮一文庫)
幅広いテーマ・ジャンルの雑誌を所蔵する大宅壮一文庫の雑誌記事索引データベースである。約450万件を検索できる。別メニューの「目録検索」では、1987年以前の100万件の記事索引を検索できる。
3 ウェブサイトを調べる。
ウェブサイトの情報は比較的新しい情報を調べたい時に役に立つ。
《演劇情報総合データベース-デジタル・アーカイブ・コレクション》(https://www.waseda.jp/enpaku/db/ 早稲田大学坪内博士記念演劇博物館)
演劇博物館が所蔵する国内外の演劇・映画に関する膨大な資料を、学術データベースとして順次公開しているサイトである。 一部のデータベースでは画像、動画、3Dデータを表示することもできる。
《Japan Digital Theatre Archives (JDTA)》(https://enpaku-jdta.jp/ 早稲田大学演劇博物館)
日本の舞台公演映像の情報を検索できるサイトである。JDTAでは、EPAD(文化庁文化芸術収益力強化事業の一つ)で収集した演劇・舞踊・伝統芸能の舞台公演映像の情報を検索できる。
《文化デジタルライブラリー》(https://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/ 独立行政法人日本芸術文化振興会)
政府が推進する「教育の情報化プロジェクト」の一環として構想されたもので、優れた舞台芸術を、より身近に触れる機会を提供することを目的としている。国立劇場・国立演芸場・国立文楽劇場の過去の自主公演情報を調べることができる。また、収集した伝統芸能に関する資料をサイトで公開している。
《東京文化会館アーカイブ》(https://i.t-bunka.jp/ 公益財団法人東京都歴史文化財団 東京文化会館)
クラシック音楽を中心に、クラシック・バレエのスコアや、舞踊関連の図書を所蔵している。1961年4月以降の同劇場公演の情報は、すべてオンライン・データベースで検索できる。
《PARCO劇場ライブラリ》(https://stage.parco.jp/library/ 株式会社パルコ)
1973年5月からの同劇場公演、また、プロデュース公演の記録が検索できる。オンライン公開している公演やウェブサイトで舞台写真を見ることができる公演もある。
4 ダンスの公演情報を調べる。
《e+(イープラス)》(https://eplus.jp/ 株式会社イープラス)
様々な公演のチケット情報を提供していて、予約・購入ができるサイトである。ジャンル別に検索することができ、「ダンス・パフォーマンスの公演チケット情報」のページがある。
《チケットぴあ》(https://t.pia.jp/ ぴあ株式会社)
音楽、スポーツ、演劇、映画などのチケットを販売するサイトである。チケットの購入はもちろん、メールサービスや、行けなくなったチケットの代わりを探す「リセールサービス」などもある。ジャンル別に検索することができ、「バレエ・ダンスのチケット情報」のページがある。
《彩の国さいたま芸術劇場》(https://www.saf.or.jp/ 公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団)
彩の国さいたま芸術劇場での公演情報や、チケット情報が掲載されているサイトである。公演情報では、ジャンル別に調べることができ、「ダンス」のジャンルもある。サイトでのチケット購入も可能である。
- NDC
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- 舞踊.バレエ (769 9版)
- 参考資料
- キーワード
-
- 現代舞踊
- コンテンポラリーダンス
- モダンダンス
- 備考
- 登録番号
- 2000027188