弦楽器曲について調べる資料をご紹介します。
◆参考図書
弦楽器の曲について知りたいとき、珍しい楽器編成の作品を探したいとき、作曲家について知りたいとき、楽譜を手に入れたいときに便利なのが、弦楽器専門の事典です。弦楽器全般を扱った総合的なものから、個々の楽器を扱ったものまでさまざまな事典があります。
個別の楽器を扱った事典には楽器の概説を記載しているものもあり、楽器の歴史や発展について調べることもできます。また、弦楽作品の作曲家や演奏家に関する情報を得られる事典もあります。
★印のついているものは演奏時間を調べることができます。
■■弦楽器全般■■
*★ A bibliographical guide to Spanish music for the violin and viola, 1900-1997. Klugherz, Laura. Greenwood, c1998, xiv, 102p. (S09-033) [参 763.4]
20世紀スペインのヴァイオリンとヴィオラのための音楽に関する事典。
巻頭にスペイン音楽に関する簡単な案内とスペインのヴァイオリン、ヴィオラの歴史についての記述がある。
本編の作品リストは、作曲家をアルファベット順に配列。それぞれの作曲家の紹介文に続いて、作品名、作曲年、楽器編成、演奏時間、初演、出版社、録音場所、作品に関するコメントが記されている。
付録として、編曲作品リスト、作曲者の年代順リスト、図書館、古文書館、出版社等のリスト、巻末には作曲家のアルファベット順索引付き。
*Fuhrer durch die Literatur der Streichinstrumente (Violine, Viola, Violoncello). Grunberg, Max. Dr. Martin Sandig, 1971, xii, 218p. (R02-007) [参 763.4]
1913年に出版されたヴァイオリン、ヴィオラ、チェロを含む作品を対象とする事典の復刻版。
全体はヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの3章から成り、それぞれの章は、教本、独奏曲、合奏曲の順にまとめられ、作品が楽器編成別に記載されている。
各編成内では難易度の順に作品が配列されているのが特徴。項目ごとに、作曲者、作品番号等、作品に関する情報、出版社、1913年当時の値段を知ることが出来る。重要な曲目には譜例付。巻末に作曲家のアルファベット順索引付。
■■ヴァイオリン■■
*International encyclopedia of violin-keyboard sonatas and composer biographies. Pedigo, Alan. Arriaga Publications, c1995, ii, 341p. (T01-440) [参 763.42]
ヴァイオリンと鍵盤楽器のデュオ・ソナタを扱った事典。
鍵盤楽器にはピアノ、ハープシコード、ハープ、オルガンを含む。
全体は大きく3つの章に分かれ、第1章ではデュオ作品に関係する事柄が概説されている。ここには演奏会のプログラムの組み方や国際コンクールについての記述のほか、ヴァイオリニストや作曲家の写真が多く載っている。第2章では、国別に作曲家名が挙げられている。 第3章ではデュオ作品の作曲家を、アルファベット順に配列し、国籍、生没年、プロフィール、主要な作品が記されている。
付録には、出版社リスト、ディスコグラフィー、文献表が付されている。
*Lexikon der Violine: Baugeschichte - Spielpraxis - Komponisten und ihre Werke - Interpreten. Drees, Stefan, hrsg. Laaber-Verlag, c2004, 805p. (S10-162) [参 763.42]
ヴァイオリンの事典。
構造の歴史、演奏の実際、作曲家とその作品、演奏家に関する701の項をアルファベット順に配し、一部は写真、譜例付きで説明している。
作曲家の項目については、生没年、生没地、ヴァイオリン音楽について記載され、項目の最後に作品リスト(オーケストラ伴奏、ピアノ伴奏などのジャンル別)、著作と文献が載っている。その他の項目についても、各項目の最後に文献が載っている。
巻頭に項目の一覧あり。巻末に文献とインターネット上のヴァイオリンに関するサイトの紹介あり。またドイツ語圏のヴァイオリン製作者名と住所、連絡先もついている。
■■ヴィオラ■■
*Literatur fur Viola. Zeyringer, Franz. Neue Ausgabe, Verlag Julius Schonwetter Jun., c1985, 446p. (R02-842) [参 763.43]
ヴィオラのための作品カタログ。
総曲数約14,000曲。作曲家数約5,000人を対象としている。巻頭にヴィオラの歴史と発展に関する記述がある。ヴィオラのソロ作品から始まって、楽器数の順に各章を配列。ヴィオラとオーケストラ、ヴィオラと声楽といった編成をも含む。メソード、練習曲、教本の章もある。各章は作曲者のアルファベット順に配列。
巻末にはアルファベット順の出版社リストと、作曲家別の索引付き。
*★Musik fur Bratsche : das reiche Viola-Repertoire von Aaltonen bis Zytowitsch. Ewald, Konrad. Konrad Ewald, c2013, xviii, 450p. (S11-131)[参 763.43]
ヴィオラのための作品カタログ。
1975年に初版が出版され、本著で第4版となる。この最新版は版の中でも最多の2400人以上の作曲者を扱っている。独奏作品やピアノ・オーケストラ伴奏による作品だけでなく、二重奏や三重奏といった、アンサンブル作品なども網羅している。巻末に編成別の索引が付いているので、探している編成の作品を簡単に見つけることができる。
作曲者のアルファベット順で配列されており、作品リストと作品に関する説明が記されている。作品リストには、タイトルに続き楽器編成、作曲年、出版社、出版年、演奏時間などの情報が記載されている。また作品によっては、筆者によるマーク(お薦めの作品には×、初心者向けには□など)が記されているため、マークを参照しつつ作品を探すことができる。
*Viola Bibliographie: das Repertoire fur die historische Bratsche von 1649 bis nach 1800. Jappe, Michael et al. Amadeus, 1999, 440p. (S09-276) [参 763.43]
1649年から1800年までのヴィオラを含む作品を扱った事典。
作曲家のアルファベット順に項目が配列され、主要な作品が譜例付きで掲載されている。初版に関すること、全集版の出版社、作品の特徴、同類の作品、音域や演奏についての留意点などが記されている。また、作品の楽器編成から検索することのできる索引が巻末についている。
■■チェロ■■
*Bibliography of cello ensemble music. Kenneson, Claude. Information Coordinators, 1974, 59p., (Detroit studies in music bibliography, 31). (S03-477) [参 763.44]
コンパクトなチェロ・アンサンブルのカタログ。
2本のチェロから12本のチェロや、チェロ・オーケストラまで楽器編成順に各章を配列。章内は作曲者のアルファベット順。
作曲者名、作品名、手稿譜と出版社に関するデータ、編曲版、楽章構成を記載している。
*A cellist's companion: a comprehensive catalogue of cello literature. Lambooij, Henk et al. Stichting The Cellist's Companion, c1999, 697p. (S10-821) [参 763.44]
チェロがソロ楽器として扱われている作品を網羅した作品カタログ。
出版されている作品だけでなく、絶版のものや手稿譜、失われた作品など、15,000人の作曲者による44,500曲を収録。作曲者をアルファベット順に配列し、各作曲者ごとに、生没年、生没地、曲名、楽器編成、作曲年、演奏時間、出版社、編曲版などを記載している。
巻末に、出版社、参考文献、楽譜所蔵図書館、インターネット・サイトの一覧と、楽器編成毎(無伴奏ソロ、デュオ、アンサンブル、等)の索引あり。
*★ Cello music since 1960: a bibliography of solo, chamber & orchestral works for the solo cellist. Homuth, Donald. Fallen Leaf Press, c1994, x, 451p., (Fallen Leaf reference books in music, 26) (S08-287) [参 763.44]
1960年以降に書かれたチェロのための作品を対象としているが、451ページと大部な事典。
全体は18の章に分かれ、無伴奏のチェロ作品からオーケストラ伴奏付きの作品まで楽器編成の順に配列されている。各章は作曲者のアルファベット順になっているが、曲集などは章の頭に挙げられている。各項目に作曲者名、作品のタイトル、作品番号、編曲版について、出版、初演、録音に関するデータとコメント、楽章数、演奏時間などが記されている。
巻末に作曲家、チェリスト、出版社、レコード会社それぞれのアルファベット順索引付き。
*French Cello Sonatas 1871-1939. Sensbach, Stephen. Lilliput Press, 2001, xxvii, 322p. (S09-663) [参 763.44]
1871年-1939年に作曲されたフランスのチェロ・ソナタを扱った事典。
キュイ、ドビュッシー、ダンディ、ピエルネなど100人の作曲家をアルファベット順に配列。作曲家ごとに章立てられており、作曲者名、作品名、作品番号、楽章構成、作曲年、出版のデータ、初演のデータのほかに、譜例や作曲者と作品に関してのコメントが記されている。
付録には未出版の作品のリスト、作曲年代順リスト、献呈者のリストやチェリストとピアニストの略歴、チェロ・ソナタの主要文献目録等が収められている。
*The Index of cello music: including the index of baroque trio sonatas. Wilkins, Wayne, comp. and ed. Music Register, c1979, 173p. (S05-292) [参 763.44]
チェロを含む作品の出版譜のカタログ。
巻末でバロック時代のトリオ・ソナタも扱う。巻頭に出版社のアドレス付き(1979年現在)。
楽器編成別に分類され、各分類内では作曲者、曲名、出版社が記載されている。
■■コントラバス■■
*Comprehnsive catalogue of music, books, recordings and videos for the double bass. Grodner, Murray. 4th ed., Grodner, c2000. 1. (T01-576) [参 763.45]
コントラバスに関する総合的なカタログ。
全体は大きくメソード、独奏曲、室内楽曲、本、レコード、テープ、ヴィデオの7章に分けられている。 巻頭ではコード番号順に出版社を配列し、電話番号、E-mailアドレスなどを掲載。メソード、独奏曲、室内楽曲の章ではアルファベット順に作曲家を配列し、作品名、難易度、楽器編成、楽譜の所在、コメントなどを列挙。本とレコード、テープ、ヴィデオの章ではそれぞれ、著者と演奏者、あるいは作曲者がアルファベット順に配列されている。
巻末に作曲者のアルファベット順索引付き。