探し方ガイド:「猫の音楽」について探し、調べるには?
1.探すときのキーワード(例)
猫 ねこ ネコ cats
当館OPACの場合
タイトル に 猫 と入力し、フレーズ検索(2014.3.4現在 398件ヒット)
タイトル に タイトル に cats と入力し、フレーズ検索(2014.3.4現在 71件ヒット、
catにすると 2000件を超えてしまいます。)
*この検索は、当館資料の主力が音楽資料であることを前提としています。
楽譜、録音資料は音楽資料ですが、図書の中には音楽と関係のない資料が多数含まれる可能性があります。
*求めるデータを目で選択する必要があります。
*その際、所蔵にカーソルを置き、昇順をクリックし、資料種別毎に並べ替えると
選択するのに便利です。
*楽譜だけを選択するには、資料種別にチェックを入れ、検索する必要があります。
すると猫の検索では、2014.3.4現在 210件の楽譜にヒットします。全て猫の音楽や猫と関連した音楽
の資料と言えます。(解説があればそれも重要情報となります。)
*楽譜の検索結果から読みとれる有名曲としては以下のものがあります。
「猫[ねこ]ふんじゃった」「猫の恩返し」「Rossini:Duetto buffo di due gatti(ロッシーニ:二匹の
猫のこっけいな二重唱/猫の二重唱)」「猫のワルツ」「子猫のワルツ」
「黒ネコ〔黒猫〕のタンゴ」 "Cats""Cat suite""Three more cats"
*「猫」の検索では、以下のような曲名がノイズとなります。
「斑猫」
*「ネコ」「ねこ」の検索ではノイズが増えてしまいますが、例えば「黒猫のタンゴ」等は
「黒ネコのタンゴ」の方がヒット件数が多いので、「猫」「ねこ」「ネコ」を 柔軟に
使い分けたり、合わせて検索したりする必要があります。
◆ネットで「猫を主題とする楽曲」と入力し、検索すると当該サイトが発見できます。
ただし、当館OPACで調べた楽譜、録音資料の方が多いと言えます。(2014.3.26現在)
2.調べるときのキーワード(例)
Rossini Duetto buffo di due gatti Cats
当館OPACの典拠検索で、Rossini:Duetto buffo di due gattiを検索します。
すると、"Duetto buffo di due gatti"の典拠標目が検索できます。
そのデータの出典の項に着目すると、どのような参考図書に記述があったかを知ること
ができ、調査のヒントが得られます。
本件の場合は、 Found: New Grove
Found: クラシック作品名辞典 <二匹の猫のこっけいな二重唱> と書かれているので、
二匹の猫のこっけいな二重唱クラシック作品名辞典』(参考資料参照)をまず見る必要があります。特に、
" New Grove "には <2vv, pf>との記述があるので、演奏手段(二重唱、ピアノ)まで当館典拠標目
データを見ることにより前もって把握することができます。
典拠標目データには、LINKがついているので、そこをクリックすると、当館所蔵の楽譜、AV資料等が
表示されます。その現物資料の解説〔書〕からも情報が得られることがあるので、調査の場合はそれらも
視野に入れる必要があります。
又、" New Grove "にある記述は『ニューグローヴ』(" New Grove "日本語版)にも記載されるので、
そちらも見る必要があります。
項目を見る際は、いずれも作曲者名(Rossini/ロッシーニ)からで通常は作品表に作曲年や編成等の基本
情報とともに掲載されます。作品によっては、本文に書かれることもありますが、詳細な解説がつくことは
ありません。
解説を探すには、『最新名曲解説全集』(音楽之友社)をよく用いますが、この作品についての記事はあり
ませんでした。
後は、ロッシーニの図書の中にこの作品に触れたものがあるか探すだけですが、少なくとも和書には、
この作品の詳細な解説を掲載するものは見当たりませんでした。(2014.3.4)
◆実は、ロッシーニのオペラ中の重唱曲でもなく独唱曲でもない、重唱曲の検索・調査は大変難しいと言えます。
あまり、文献も存在しないので、楽譜やCDの解説(書)にその代替を求めているのが現状です。
◆「猫[ねこ]ふんじゃった」については、以下の調べ方マニュアルをご参照ください。
「ねこふんじゃった」国音2011-0035S
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=man_view&id=2000018989
◆「猫のワルツ」と言えば作曲者はルロイ・アンダーソンですが、ショパンにもそう呼ばれる曲があります。
Waltzes, piano, op. 34. No. 3(ワルツ, ピアノ, 作品34. 第3番)がそれですが、
両曲とも「子猫のワルツ」または「小猫のワルツ」とも呼ばれることがあって、検索に際しては注意が
必要です。これらの楽譜、CDの解説(書)は情報源として役立ちます。又両作曲家名を当館OAPC
の個人・団体名に入力し、検索すると、これらの作品について書かれた図書が検索されます。(実際に
記載されているかどうかは現物資料をあたるほかありません。)
◆『猫の音楽/ジャン=クロード・レーベンシュテイン 著 森元庸介訳』(勁草書房 2014 J126779)という
タイトルの本が出版され、本の帯には「人と獣の音楽、西洋と東洋の音楽、音楽と音楽ならざるもの。協和と
不協和のあわいに音楽=世界の核心を照らし出す、比類なき博覧強記が舞い奏でたミラクル文化史。」、又、
訳者あとがきには、「本書は、西洋音楽の伝統が猫の鳴き声をどのように受けとめ、取り入れ、締め出してきた
のかを論じた書物である。」とも書かれています。〔レファレンスの〕実用向きとは言いかねますが、猫と
音楽のリテラシーを形成するには、役に立つと思われます。ディスコグラフィー、図版一覧、書誌が付いて
います。p.9「『猫』の道のりはエジプトに始まり【図版11】、オペラ座で終わる【図版12】。音楽はその
導きの糸だ。」という表現は、この本の内容が象徴的に表わされている記述と思われます。
ただ、中には図書館としての問題にせざるを得ない記述もあって、それは、本件の中で、度々紹介してき
ロッシーニの「二匹の猫の愉快な二重唱」の作曲者を確信をもって、G.ベルトルドと指摘している点です。
実は、こうした新説と典拠のズレ?は音楽の世界には以外と多く、時を経て作曲者が訂正される例も少なく
ありません。しかしながら、新説が流布し、当館の典拠のもとになる典拠や諸事典類が変更されるまでは、
検索上は、作曲者ロッシーニで探さないと辻褄が合わなくなったり、データを見落としたりする危険性があ
るので、仮にベルトルドが真説であろうと、典拠変更までは、やはりロッシーニ作で探す必要があります。