調べ方マニュアル詳細
- 調べ方作成日
- 2020年08月01日
- 登録日時
- 2020/10/29 14:50
- 更新日時
- 2021/01/27 11:16
- 管理番号
- 埼久-055
- 調査テーマ
-
完成
日本建築を知る 埼玉県立久喜図書館 調べ方案内 Milestone no.55
- 調べ方
-
■今回のテーマ■
今年はコロナウイルスの感染拡大の影響で、家で過ごす時間が長くなり、改めて家について考える機会が増えている。
私たちが今住んでいる家や利用している建物はどのように発展してきたのか、どのような歴史があるのか・・・・・・
今回は、日本の建築の歴史や建築物についての調べ方を案内する。
1 基本的な知識を得る。
(1)百科事典で調べる。
『世界大百科事典』(平凡社 2007)
『日本大百科全書』(小学館 1984-1997)
『ブリタニカ国際大百科事典』(フランク・B.ギブニー編 TBSブリタニカ 1984)
各事典にそれぞれ〈日本建築〉の項目があり、時代ごとの変移や特徴など日本建築の概要を知ることができる。〈日本建築〉の項目以外にも、〈寝殿造〉〈書院造〉などの建築様式や〈姫路城〉〈伊勢神宮〉といった歴史的な建造物など、関連するキーワードの基礎知識を得たいときにも便利である。
《Japan Knowledge》(ネットアドバンス)
辞書・事典を横断的に検索できるデータベースである。約50種類の百科事典や国語辞典、語学辞書、人名辞典など、多彩なコンテンツを一括で検索できるため、基礎的な情報を多角的に調べることができる。
(2)建築関係の事典等で調べる。
ア 日本建築全般について調べる。
『建築大辞典 第2版』(彰国社編 彰国社 1993)
建築全般から都市工学やインテリアなど建築周辺分野の用語、人名、建造物名など、建築に関する用語を幅広く集め、五十音順に整理し、解説している辞典である。
『古建築辞典』(武井豊治著 理工学社 1994)
『日本の建築文化事典』(平井聖[ほか]編 丸善出版 2020)
日本の建築の意匠、様式、技術、構造、施工等およびその背景にある歴史について、まとめられている。巻末に、各項目別の参考文献と索引がある。
『伝統木造建築事典』(高橋昌巳[ほか]編著 井上書院 2018)
日本の木造建築について、林業・製材、基礎、左官、道具、歴史的建造物など13の項目ごとに、写真や図を用いてわかりやすく解説している。
『図説日本建築年表』 (太田博太郎監修 日本建築年表編集委員会編著 彰国社 2002)
『総覧日本の建築』全10巻(日本建築学会編 新建築社 1986-2002)(注)4、7、10巻は未刊行
都道府県別に社寺、民家、城郭、町並み、近・現代建築の代表的な建築物の解説、写真、案内図をまとめた建築総合ガイドである。
イ 入門書を読む。
『日本建築史序説 増補第2版』(太田博太郎著 彰国社 1989)
前半には古代から近世までの建築史、後半にはテーマごとに日本建築史の文献がまとめられている。
『図説日本木造建築事典』(坂本功[ほか]編 朝倉書店 2018)
『さがしてみよう日本のかたち 全8巻』(山と渓谷社 2003-2004)
寺、城、神社、塔、民家、洋館、庭園、茶室ごとに代表的な建造物を取り上げ、柱や屋根、天井、塀などその建造物の特徴的な「かたち」を写真とともに紹介し、解説している。
2 テーマに関連する図書を調べる。
(1)日本の建築物に関する図書を探す。
ア 図書を使って探す。
『建築文化財レファレンス事典』(日外アソシエーツ株式会社編 日外アソシエーツ 2011)
地域別に世界の著名な建築物をまとめ、その建築物が収録されている図書を紹介している。巻末に建造物名索引および建築家などの名前から調べられる作者名索引もある。
『日本美術作品レファレンス事典 建造物篇』(日外アソシエーツ株式会社編 日外アソシエーツ 2003)
古代から現代までの日本建造物の図版索引である。寺院、神社、城郭、民家・住宅、御所・離宮、茶室・書院・塔・その他、現代建築の項目ごとにまとめられており、巻末には索引もある。
『国宝を知る本 建造物編』(日外アソシエーツ株式会社編 日外アソシエーツ 2001)
日本の国宝に指定された文化財のうち、建造物209件について、それぞれの建造物の概要と参考になる図書のリストが掲載されている。
イ インターネット・オンラインデータベースから図書を探す。
《埼玉県内図書館横断検索》(https://www.lib.pref.saitama.jp/calil/index.html 埼玉県立図書館)
埼玉県内の公共図書館等の蔵書を一度に検索できる。
《国立国会図書館サーチ》(https://iss.ndl.go.jp/ 国立国会図書館)
国立国会図書館をはじめ、全国の都道府県立図書館等の公共図書館や大学図書館、専門図書館、学術研究機関等が所蔵する資料を検索できる。
《カーリル》(https://calil.jp/ 株式会社カーリル)
全国の7,200以上の図書館の所蔵資料とその貸出状況について検索できる。設定した場所から近い図書館を横断的に検索したいときに役立つ。
《Webcat Plus》(http://webcatplus.nii.ac.jp/ 国立情報学研究所)
近世から現代までに出版された書物を対象に、全国の大学図書館や国立国会図書館の所蔵目録や新刊書の書影など、様々な情報源を統合した形で検索できる。
《BOOKPULS》(日外アソシエーツ)
1926年以降に出版された本の検索ができます。1986年以降に出版された本は、要旨や目次、あらすじからの検索や、それらの内容も確認できる。
(2)各テーマについて図書で調べる。
ア 寺社について調べる。
『日本名刹大事典』 (圭室文雄編 雄山閣出版 1992)
日本の代表的な約5,000の寺院を五十音順に排列している事典である。所在地、宗派、寺史、有形文化財に指定されている建築物など、各寺院の概要を調べることができる。
『全国神社名鑑』上・下巻(全国神社名鑑刊行会編 全国神社名鑑刊行会史学センター 1977)
全国の有名な神社約6,000社が都道府県ごとにまとめられており、神社の所在地、祭神、建物、由緒などを知ることができる。画像も多数掲載されており、巻末には約84,000社の名簿もある。
『寺社建築の歴史図典』(前久夫著 東京美術 2002)
寺社の由来、様式、構造、細部意匠など、日本の寺社建築に関する基礎知識をまとめた歴史事典である。巻末には日本建築史略年表及び索引がある。
『寺社建築の鑑賞基礎知識』(浜島正士著 至文堂 1992)
寺社建築の種類や構造形式、細部の様式手法、時代による変化など、寺院・神社の建築物の鑑賞や理解に役立つ基礎的な知識を画像や図を用いながら解説している。
『寺院建築(文化財探訪クラブ3)』(濱島正士監修 山川出版社 2000)
『神社建築(文化財探訪クラブ4)』(濱島正士監修 山川出版社 2001)
神社信仰全体の歴史や神社を構成する各建築物の構造、機能、特徴が簡潔にまとめられている。全国の著名な神社や特徴のある神社の紹介もある。
イ 城郭について調べる。
『日本城郭辞典』(鳥羽正雄著 東京堂出版 1971)
城郭に関する用語のほか、城郭に密接に関連する人物名や各時代の重要な城郭などを収録した辞典である。
『日本城郭大系』全20巻(平井聖[ほか]編 新人物往来社 1979-1981)
都道府県ごとに城郭がまとめられており、各城郭の所在地、創築年代、形式、遺構、規模や関係主要文献などを調べることができる。また、別巻には、城郭の歴史的変移など日本城郭の全体に関する記述のほか、関連文献目録、城郭史年表、城郭用語辞典なども掲載されている。
『図説日本城郭大事典』全3巻(平井聖監修 日本図書センター 2000)
幕末まで存続したすべての大名の居城・陣屋を取り上げ、城の創設期から現在に至るまでの変遷について、解説されている。画像や図、地図も多数紹介されている。各城郭の解説以外にも、古代から中世までの城郭の歴史の説明や公園、社寺、民家へ移築された城郭建築遺構一覧などがある。
『日本の城の基礎知識』(井上宗和著 雄山閣出版 1990)
日本の城の歴史的な流れや種類・分類、構造、機能などについて記述があり、日本の城全体の概要を知ることができる。巻末には、城の用語辞典や城郭年表も掲載されている。
『城の鑑賞基礎知識』(三浦正幸著 至文堂 1999)
天守、櫓、城門など城郭を構成する建築物の構造や技術に関する基礎知識を分かりやすく紹介している。また、城郭建築における防御・攻撃や生活・運営のための工夫、仕掛け等についての説明や、城の歴史、地域性についてもまとめられている。
ウ 民家について調べる。
『〈図説〉民俗建築大事典』(日本民俗建築学会編 柏書房 2001)
民家を構成する基本要素、構造・仕組み、生活空間、暮し、地域性、歴史的変移など多様な観点から民家について簡潔に解説した事典である。巻末には索引のほか、民家に関する情報の調べ方、全国重要文化財指定民家一覧、関連団体や施設の一覧など、日本の民家を調査する際に役立つ情報がまとまっている。
『日本の住まいその源流を探る』(大岡敏昭著 相模書房 2008)
現代から古代までの日本の住まいの歴史、日本と中国の住まいの関係性や歴史について説明している。
『日本の民家』全8巻(学習研究社 1980-1981)
重要文化財指定民家を中心に、日本の民家建築を農家、町家、洋館に区分し、地域ごとに紹介している。写真や図面などが多く掲載されており、各地域の民家の特徴や代表的な民家の構造等の解説もある。
『日本建築の鑑賞基礎知識』(平井聖[ほか]著 至文堂 1990)
『日本民家の造形』(川村善之著 淡交社 2000)
全国の指定文化財となっている民家と「重要伝統的建造物群保存地区」などの伝統的な町並み・集落を中心に収録している。民家の造り、屋根のかたち、外壁の構成、土間、床、天井など、それぞれの項目ごとに、民家の造形を紹介しており、写真も多数掲載されている。
『図説・近代日本住宅史 新版』(内田青藏[ほか]編著 鹿島出版会 2008)
幕末から現代までの住宅の歴史を、画像や図面を交えながら解説している。近代日本の住宅の「系譜」を一枚の図で示した「近代日本住宅図譜」もついている。
エ 近・現代建築について調べる。
『日本の近代建築』上・下巻(藤森照信著 岩波書店 1993)
幕末から昭和の時代まで、日本の近代建築の変遷や発展について書いている。巻末に図案一覧、人名・建築名索引がある。
『日本近代建築総覧 新版』(日本建築学会編 技報堂出版 1983)
1860年代から1945年までの現存する主要な日本の近代建築がリスト化されている。また、各地方の建築物分布の特色や一部建築物の写真も掲載されている。
『日本の建築明治大正昭和』全10巻(三省堂 1979-1982)
明治から昭和初期までの日本建築について、時代に沿って建築家を軸にまとめられている。巻末には主要参考文献目録や各建築家の年譜等もある。
『現代日本建築家全集』全24巻(三一書房 1970-1975)
明治から昭和時代に日本で活躍した建築家を取り上げ、その人物に関する論文や手掛けた建築物を紹介している。写真や図面が多数掲載されているほか、巻末には建築家ごとに略歴や作品年譜、文献目録等も確認できる。
『建築ガイドブック 増補版』東日本編/西日本編(新建築編集部編 新建築社 1989)
代表的な現代建築の写真・図面・解説・概要と案内図が掲載されている現代建築のガイドブックである。
3 雑誌・新聞記事を探す。
(1)雑誌、学術論文を探す。
ア 当館所蔵の雑誌を見る。
当館で所蔵している雑誌の一覧は、《埼玉県立図書館ウェブサイト》内「埼玉県立久喜図書館 継続購入雑誌一覧」(https://www.lib.pref.saitama.jp/collection/magazine/magazine-kuki.html)から確認できる。
ここでは、「建築」に関する雑誌タイトルの一部を紹介する。資料保存のため、刊行後2年を過ぎた雑誌は貸出できないが、館内での閲覧と著作権法の範囲内でのコピーは可能である。
『建築雑誌』(日本建築学会 〈月刊〉)
『建築史学』(建築史学会 〈年2回刊〉)
『建築研究協会誌』(建築研究協会 〈年2回刊〉)
『建築と社会』(日本建築協会 〈月刊〉)
『建築知識』(エクスナレッジ 〈月刊〉)
『近代建築』(近代建築社 〈月刊〉)
『新建築』(新建築社 〈月刊〉)
『商店建築』(商店建築社 〈月刊〉)
イ インターネット・オンラインデータベースから雑誌、学術論文を探す。
《国立国会図書館オンライン(雑誌記事索引)》(https://ndlonline.ndl.go.jp/ 国立国会図書館)
国立国会図書館所蔵の雑誌の一部について、見出しや著者を検索できる。
《CiNii Articles》(https://ci.nii.ac.jp/ 国立情報学研究所)
学協会刊行物・大学研究紀要・国立国会図書館の雑誌記事索引データベースなどの学術論文情報を検索できる。CiNii上及びリンク先で公開されているオープンアクセス論文の本文も閲覧できる。
《J-STAGE》(https://www.jstage.jst.go.jp/browse/-char/ja 国立研究開発法人科学技術振興機構)
3,000誌以上の科学技術(人文科学・社会科学分野も含む)のジャーナルや会議録等を収録した電子ジャーナルのプラットフォームである。多くの記事本文が閲覧できる。
《MagazinePlus》(日外アソシエーツ)
一般誌から専門誌、大学紀要、海外誌紙まで収録した雑誌記事(書誌的事項)のデータベースである。キーワード等から、探している記事や論文がどの雑誌や論文集に掲載されているか検索できる。
《Web OYA-bunko》(公益財団法人大宅壮一文庫)
幅広いテーマ・ジャンルの雑誌を所蔵する大宅壮一文庫の雑誌記事索引約440万件を検索できるデータベースである。別メニューの「目録検索」では、1987年以前の100万件の記事索引を検索できる。
《日経BP記事検索サービス》(日経BP社)
建築雑誌の『日経アーキテクチュア』など、日経BP社が発行する雑誌の記事をテキスト形式かPDF形式で閲覧できるデータベースである。キーワードで検索し、見たい記事を誌名や内容分類で絞り込むことができる。
《JDreamIII》(ジー・サーチ)
科学技術や医学・薬学分野の国内外の文献情報を検索できる、日本最大級の科学技術文献データベースである。記事本文をデータベースから見ることはできないが、一部の文献は全文へのリンクがある。
(2)新聞記事を調べる。
ア 当館所蔵の新聞を見る。
当館で所蔵している新聞の一覧は、《埼玉県立図書館ウェブサイト》内「埼玉県立図書館所蔵購入新聞一覧【日本語新聞】」(https://www.lib.pref.saitama.jp/collection/newspaper/news-list-01.html)から確認できる。ここでは、建築分野を含む、工業関連の専門紙を紹介する。
『日刊工業新聞』(日刊工業新聞社)
『日刊建設工業新聞』(日刊建設工業新聞社)
イ ウェブサイト・オンラインデータベースから新聞記事を探す。
《建通新聞 新聞記事検索》(https://www.kentsu.co.jp/webnews/default.asp 建通新聞社)
『建通新聞』に掲載された過去3か年度の記事の検索、見出しの閲覧ができる。本文は閲覧できない。
《日刊建設工業新聞オンライン 記事検索》(https://www.decn.co.jp/onlineservice/News/search 日刊建設工業新聞社)
『日刊建設工業新聞』に掲載された過去3か月分の記事の検索、本文の閲覧ができる。
《日刊建設産業新聞 記事検索》(http://kensan-news.com/kensaku.html 日刊建設産業新聞社)
『日刊建設産業新聞』に掲載された記事の検索、見出しの閲覧ができる。本文の閲覧はできない。
《聞蔵IIビジュアル》(朝日新聞社)
1879(明治12)年からの朝日新聞の記事や『AERA』、『週刊朝日』、『アサヒグラフ』、人物データベース、歴史写真アーカイブ等の検索及び閲覧ができる。
《毎索》(毎日新聞社)
1872年創刊号からの毎日新聞の記事や『週刊エコノミスト』、英字ニュース等を検索、閲覧できる。
4 関連するウェブサイトを見る。
《日本建築学会ウェブサイト》(https://www.aij.or.jp/ 日本建築学会)
一般社団法人日本建築学会のウェブサイトで、建築に関する情報が載っている。ウェブサイト内「建築関連リンク」(https://www.aij.or.jp/relation-link.html)のページには、国内外関連機関、学校、出版情報等のサイトがまとめられている。また、「アーカイブ検索」(https://www.aij.or.jp/archive-search.html)のページでは、日本建築学会で発表された論文や日本建築学会図書館の所蔵資料が検索できるほか、建築に関する情報のデータベースの提供、紹介を行っている。
《建築作品データベース》(http://kenchikuka.com/ behavior design)
設計者、物件名、建設地などから全国の建築作品を検索できる。検索結果から地図へのリンクもある。
《文化遺産オンライン》(https://bunka.nii.ac.jp/ 文化庁)
国や地方の有形・無形文化遺産についてのポータルサイトである。分野、時代、地域から検索できる。例えば、分野にある〈建造物〉、〈伝統的建造物群〉、〈史跡〉などの項目から、日本建築に関連する文化遺産を調べることができる。
《写真の中の明治・大正》(https://www.ndl.go.jp/scenery_top/ 国立国会図書館)
国立国会図書館に所蔵されている明治・大正期の資料の中から、建造物等を含む写真を、地図やキーワード、カテゴリーから検索・閲覧できるウェブサイトである。写真が掲載されている資料の《国会デジタルコレクション》(https://dl.ndl.go.jp/ 国立国会図書館)へのリンクもある。現在は、東京、関西、東北地域編が公開されている。
- NDC
-
- 建築学 (520 9版)
- 日本の建築 (521 9版)
- 西洋の建築.その他の様式の建築 (523 9版)
- 参考資料
- キーワード
-
- 建築 (日本)
- 寺院建築
- 神社建築
- 城-日本
- 民家-日本
- 備考
- 登録番号
- 2000026745