特別コレクション詳細
- 登録日時
- 2020/04/09 14:30
- 更新日時
- 2020/07/10 18:17
- 管理番号
- 1
- コレクション名
- 往来本
- コレクション名ヨミ
- オウライボン
- 内容
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一般的には「往来物(おうらいもの)」と呼ばれ平安後期から明治初期にかけて寺子屋で用いられた教科書の総称をいう。
往来とは最初、往復一対の手紙文をいくつも集めて編まれた形式に由来する名称であったが、近世ではおよそ初等教科書として用いられたものをすべて
往来物と呼ぶようになった。
※三次市立図書館では昭和37年の三次市重要文化財の登録に「往来本(おうらいぼん)」とあるため、今後もこの名称を使用する。
当館の往来本コレクションの特徴は
江戸時代以前の「古往来(こおうらい)」を始め、稀覯本が多い
関西以西のの地域を対象とした稀覯本が多く、出版も関西の物が多い
関西以西の公共図書館において所蔵数が一番多い
往来物の全分野に及んでいる
などがある。
- 来歴
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三次市立図書館が所蔵する「往来本」は大阪在住の古書収集家の黒崎貞枝氏が大正末期頃より収集したものに由来する。そのコレクションは彼の没後、甥の平井右平氏の手に渡り、後に三次に図書館が設置されるきっかけとなった。
平井右平氏は明治16年、京都に生まれ元京都高等工芸学校の染色助手、染色工場経営のかたわら古美術収集、俳諧や茶道を嗜む趣味人であった。
「往来本」が平井氏から三次市立図書館に渡った経緯は、以下のとおり。
昭和19年 黒崎氏の甥にあたる平井氏が「往来本」を譲り受ける
戦時中「往来本」を疎開させるため手をつくす
昭和23年 「往来本」と共に三次へ移り住む
三次での句会仲間たちと郷土史研究会「三次惜春会」を結成する
「往来本」の保管と整理をこの会にゆだねる
昭和25年 平井氏、病没する
昭和27年 三次町立図書館(昭和29年に三次市立図書館と改称)が開館する
「往来本」が「三次惜春会」から三次町立図書館に一括寄贈される
蔵書として受け入れる
昭和37年 「往来本」が三次市重要文化財に指定される
平井氏の望みは、往来本を三次町に寄贈することによる「図書館の設立」と「多くの研究者への活用」「三次から研究者を輩出すること」であった。
- 利用条件
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この資料に関しては貸出を行っていない。
612点中、特に貴重な196点をデジタル化し公開し、閲覧が可能である。
複写に関してはデジタル化しているものは申請の上、データーからの複写が可能
またデジタル化されていない資料の閲覧、複写に関しては、図書館側に事前に相談が必要
- 目録等
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三次市立図書館 「往来本」デジタルアーカイブ https://trc-adeac.trc.co.jp/WJ11C0/WJJS02U/3420905100
デジタル公開の往来本には全点 往来物研究家 小泉吉永氏の解題あり
三次・往来本総目録(三次市立図書館 所蔵)
- 紹介文献
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稀覯往来物集成 全32巻の第1ー8巻 小泉 吉永/編集 大空社(三次市立図書館 所蔵)
に収録する62点中 55点が三次市立図書館所蔵の往来物
商売往来の世界 三好 信浩/著 日本放送出版協会
- 所蔵点数
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612点(内196点デジタル公開中)
- 継続
- 無
- NDC
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- 教育課程.学習指導.教科別教育 (375)
- キーワード
-
- 往来本
- 往来物
- 寺子屋
- 三次市立図書館
- 三次市重要文化財
- 備考
- コレクションID
- 3000003249