レファレンス事例詳細

以下の資料に掲載されています。
（■は図書、●は新聞記事を表します）
　
■『年譜で読むヘレン・ケラー：ひとりのアメリカ女性の生涯』（山崎邦夫/編著　明石書店　2011.7）
p.168-170「一行の全国講演旅行と募金活動を朝日新聞が推進した」とあり、「4/15『あさま丸』で横浜港に到着。全国各地の他、朝鮮判等、中国東北部（いずれも当時日本の植民地だった）まで足を延ばし、全行程は1万4000キロに及んだ（中略）7/7 日本と中華民国との間に戦争が始まり、日程の後半の多くは割愛され、来日当初の華やかな歓迎と打って変わって、8/10 一行は神戸から『秩父丸』でもの静かに日本を離れた」と行程が記されています。
　　
■『日本ライトハウス40年史』（日本ライトハウス/[編]　日本ライトハウス　1962）
p.8-19「第1回ヘレン・ケラー運動」に「ヘレン・ケラー女史全日本巡回講演日程表（満鮮を含む）　昭和12年」や当時の新聞記事が掲載されています。
講演日程表によると、大阪を訪れたのは4月19日から24日までの期間で「府庁、市役所、商工会議所、大阪朝日新聞社、大阪毎日新聞社、ライトハウス」へ訪問したとあります。
　
当時の『大阪朝日新聞』紙面を確認したところ次の記事がありました（以下の紙面はすべてデータベース『朝日新聞クロスサーチ』で確認）

●「贈る"日本の感謝"　"奇蹟の聖母"を讃仰し　帝都の名士総動員で大歓迎会　ヘレン・ケラー女史けふ来阪」『大阪朝日新聞』1937年（昭和12）4月19日朝刊11面
　
宿泊先を「新大阪ホテル」とした上で、記事内の「大阪の日程」に各来訪予定先について詳細な記載があります。　※来訪先・団体名は原則として記事の通り記載しています。また（　）内は開催場所です。
4月19日
午前8時30分大阪駅着の列車で来阪。
来阪直ちに大阪府、市、商工会議所、本社［引用者註＝大阪朝日新聞］、大毎［引用者註＝大阪毎日新聞］社を歴訪
午後1時　ライト・ハウス主催、歓迎茶話会
午後5時　晩餐会
午後7時　本社主催歓迎大講演会（朝日会館）
4月20日
午後2時　全関西婦人連合会、愛国婦人会大阪府支部、大阪府連合婦人会、篤志看護婦人会大阪支部、日本婦人連盟主催婦人大後援会（中央公会堂）
午後5時　大阪府、市、商工会議所主催歓迎晩餐会（新大阪ホテル）
午後7時半　ライト・ハウス主催一般市民大会（中央公会堂）
4月21日
午後2時　大阪府社会事業連盟、府臨時盲人福祉委員部主催ヘレン・ケラー歓迎盲人大会（国民会館）
4月22日
午後2時　大阪市教育部主催小学生大会（中央公会堂）
午後7時半　大阪市教育部主催教職員大会（中央公会堂）
4月23日
午前10時　大阪聾唖福祉会発会式（明治天皇記念館）
午後2時　大阪府立盲学校、市立盲学校、府立聾口話学校、市立聾唖学校主催聾唖学生大会（天王寺女学校）
4月24日
午後1時　大阪府教護連盟主催女子中等学生大会（中央公会堂）
午後3時　大阪府教護連盟主催男子中等学校学生大会（中央公会堂）
　
このほか滞在期間中に『大阪朝日新聞』紙上に掲載された記事としては以下のものがありました
　
●「闇黒の扉を開いたサリヴアン恩師 かうして文字を知り言葉を語る　本社主催歓迎講演会におけるヘレン・ケラー女史講演速記（上）」『大阪朝日新聞』1937年（昭和12）4月20日朝刊5面
●「『闇と沈黙を破りて』希ふは人生の幸福　救ひの手をのべよ　本社主催歓迎大講演会におけるヘレン・ケラー女史の講演速記（下）」『大阪朝日新聞』1937年（昭和12）4月21日朝刊5面[引用者註＝「大」講演会および女史「の」講演速記は原文ママ]
　　
●「ケラー女史大阪へ　沈黙の歓迎に微笑　豊かな霊妙不思議な力に　物語る"幸福な創造の翼"『大阪朝日新聞』1937年（昭和12）4月20日夕刊5面
　
●「麗はし・魂の交歓　盲ひの豊竹駒太夫の熱演に感激のケラー女史」『大阪朝日新聞』1937年（昭和12）4月21日朝刊11面
　
●「女性の胸に訴ふ『愛と教育の勝利』ケラー女史、けふの講演」『大阪朝日新聞』1937年（昭和12）4月21日夕刊2面
　
●「ケラー女史に感激、奇特の百円」『大阪朝日新聞』1937年（昭和12）4月22日朝刊15面
　
●「師恩を訓ふケラー女史　童心の歓迎に大喜び　聾盲儒者の遺構を贈らる」『大阪朝日新聞』1937年（昭和12）4月23日朝刊15面
　
●「憧れの聖女迎へ　盲聾唖学生大会の感激　聾唖福祉協会きのふ発会式」」『大阪朝日新聞』1937年（昭和12）4月24日朝刊5面
　　　
［事例作成日：2024年3月19日］