レファレンス事例詳細

事件の概要が記載されている以下の資料を紹介した。
(1)『プロイセン皇孫日本巡覧と吹田遊猟事件』（山中　敬一/著　成文堂　2022.4）
(2)『吹田の歴史　No．7』（吹田市史編さん委員会/編　吹田市　1980.3）p41～p49
(3)『ききがき大阪北摂すいたの民話』（阪本　一房/ききがき　西日本出版社　2023.6）p76～p79
(4)『郷土吹田の歴史　第2版』（吹田市総務部市史編さん室/編集　吹田市役所　1990.3）p170～p172
(5)『吉志部の昔ばなし』（「吉志部のむかし話」合同編集委員会/編集　吹田市立第二中学校　1980）p10～p14
(6)『わが町きしべ』（〔「わが町きしべ」編集委員会/編集〕　吹田市立岸部第二小学校創立三十周年記念実行委員会　2002）p44、ｐ64～p65
(7)『カモとはらきりじいさん』（阪本　一房/著　岩崎書店　1977）
(8)『好きやねん史「すいた・千里」』（池田　半兵衛/著　創芸出版　1987.10）p44～p57
(9)『角川日本地名大辞典　27　大阪府』（「角川日本地名大辞典」編纂委員会/編　角川書店　1983.10）ｐ617
(10)『大阪伝承地誌集成』（三善　貞司/編著　清文堂出版　2008.5）p767
(11)『研究報告書　第31巻』（千里リサイクルプラザ市民研究所　2024.7）p3～p6
(12)『大阪春秋　第１７号』（大阪春秋社　1978.6）p141～p146　
(13)『グラフわが町すいた　Ｎｏ．25』（吹田市広報課　1996.3）p8　　 　

上記の資料を参考に概要をまとめると、次のような事件である。
明治13年（1880年）2月7日、ドイツ皇孫アルベルト＝ウイルヘルム＝ハインリッヒとその一行が大阪府島下郡小路村（おおさかふ　しましもぐん　しょうじむら）、現在の大阪府吹田市岸部北（おおさかふ　すいたし　きしべきた）の釈迦ヶ池（しゃかがいけ）を訪れ、猟を行った。当時、釈迦ヶ池は大阪府の認可を得た禁猟地であり、住民は交替で見張りを行っていた。遊猟を制止しようとした住民と一行との間で争いとなり、一行が警察官から取り調べを受けるにおよび、ドイツ側はこの措置を皇孫に対する不敬として、大阪府ならびに外務省へ抗議。外交問題に発展するに至り、政府はドイツ側に対し、大阪府と住民による「謝罪式」を事件現場近くの吉志部（きしべ）神社で執り行った上で、関係者を処分し、決着を図った。

(1)には事件の概要のほか、その法的問題点や政治的意義、当該事件に関するドイツ側の研究論文の紹介、皇孫ハインリッヒの生涯や来日の経緯、事件当時の日本をめぐる国際情勢などについて網羅的かつ詳細に記述されている。また(2)にも事件の詳細が記述されている。(3)以下の資料には事件の概要が簡略的にわかりやすく、まとめられている。