レファレンス事例詳細

(1）
「楽譜ネット」（最終確認2017.9.14）で、「合唱・声楽譜」の全分野にチェックを入れ、キーワード「ニーナ」で検索。

世界の抒情歌集、名曲集、名歌、イタリア歌曲などの分野の本に載っていることが分かり、結果で表示された本を、当館の検索機で検索した。

資料を見ると、曲名は「ニーナ」「ニーナの死」「Nina」と違うものがあり、歌詞も訳により多数種類があることが分かった。

作曲者は不詳とされているが諸説あり、ジョヴァンニ・バッティスタ・ペルゴレージ（1710-36）、ヴィンチェンツォ・チャンピ（1719?-62）の名が記載された資料もある。

●歌詞の掲載はあるが、歌いだしが違った資料
『日本語と原語で歌う世界の名歌』（野ばら社編集部／編集　野ばら社　2000.10）p276-277
『世界抒情歌全集　ピアノ伴奏・解説付　1』（長田暁二／編　ドレミ楽譜出版社　2010.5）p270-271、p368
『世界名歌曲全集　第33版』（ケイ・エム・ピー　2014.3）p60-61、p66
『世界名歌選集　[2015]』（伊藤玲子／編　ドレミ楽譜出版社　2015.1）p80-81
『世界名歌150曲集』（オンキョウパブリッシュ　1990.5）p132-133
CD『若き日の奥田良三　SP盤復刻選集』（奥田良三）p92
CD『蛍の光』（森本恵夫　ビクターエンタテインメント　1995）p7

●歌の直訳のみ掲載の資料
『新編世界大音楽全集　声楽編 29」（音楽之友社　1992.3）p142-143
『イタリアの詩歌』（天野恵／著　三修社　2010.10）p180-181
CD『コラール』（アンサンブル・プラネタ　ポニーキャニオン　2005）p4　


(2）
「国立国会図書館デジタルコレクション」（最終確認2017.9.14）で、
資料群「すべて」、公開範囲「インターネット公開」「図書館送信資料」、キーワード「Nina」で検索。
検索結果が多いため、NDC分類「7類　芸術」で絞り込む。

図書館送信限定の14件が見つかったので、各資料の目次を見て、該当する曲が載っているページを確認する。（いずれも歌いだし）
(1)「いとしや　ニナ　ニナ　ニナ　ふつかふれど　ねむりさめず」（高田清・作歌）
『世界音楽全集：標準版[第20]』（春秋社　1936）ｐ147-148
(2)「いとしのニーナ　ニーナ　ニーナ　ねむりさめで　みつひ　すぎぬ」
『藤原義江愛唱歌集　第1巻』（東京音楽出版社　1929）p63-64
(3)「ねむりしままに　ニーナは　ニーナは　すでに　三日の日を過ぎぬ」（堀内敬三・譯詩）
『伊太利民謡曲集』（東京音楽書院　1936）p44-46
(4)「みつひすぐれど　ニーナは　ニーナは　ねむりさめず　ねむりさめずみず」
『歌謡曲集：ギター伴奏』（東京音楽書院　1936）p24-25


(3)
後日追加調査
・大阪府立図書館に調査依頼を出すが、同じ歌詞の資料は見当たらなかったと回答あり。（回答日2017.12.6）
・国立音楽大学附属図書館童謡・唱歌索引(最終確認2017.12.28）で曲名ヨミ「ニーナ」で検索すると下記4件が該当する。（いずれも歌いだし）
(1)「ふつかふれどもニーナはニーナ」（曲名：ニーナ、作詞者：永村農三、作曲者：Pergolesi［ペルゴレージ」）
(2)「ふつかふれどもニーナはめざめず」（曲名：ニーナ、作詞者：吉丸一昌、作曲者：Pergolesi［ペルゴレージ］）
メモ欄に「Nina　大正元年12月10日作詞　高等女学校程度」の記述あり。
(3)「いとしごニーナやさしニーナ」（曲名：ニーナ、作詞者：川路柳虹、作曲者：Pergolesi［ペルゴレージ］）
(4)「ねむりしニーナはニーナはニーナは」（曲名：ニーナ、作詞者：妹尾幸陽、作曲者：Pergolesi［ペルゴレージ］）

質問者より「（今回調査依頼の）日本語歌詞は1940年代に教科書で見たが、最近見た2000年代発行のイタリア歌曲集では違う歌詞だった」という情報あり。