レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2025年01月14日
- 登録日時
- 2025/05/02 15:58
- 更新日時
- 2025/05/14 11:25
- 管理番号
- 000011181
- 質問
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解決
大島義昌と青木周蔵の先祖について記載がある資料、また、萩藩士青木氏、伊崎村の青木氏について記載がある資料を紹介してほしい。
- 回答
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(1)大島義昌の先祖について
資料1『近代防長人物史 天』p.321によると、大島は、「長門国大津郡向津具村の出身、旧藩士慶三郎氏の長男」とある。
資料2『近世防長人名辞典 増補版』p.65も同様。
井関九郎 撰『現代防長人物史』天,発展社,大正7.
国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/956893/1/304 (参照 2025-01-12) 図書館・個人送信限定資料
吉田祥朔 著『近世防長人名辞典』,マツノ書店,1976.6.
国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12190803/1/40 (参照 2025-01-12) 図書館・個人送信限定資料
資料3『油谷町史』p.998によると、「向津具下伊藤亀齢(百助、俟三郎)の次男として出生」したのち、「河原村芝崎、萩藩士大島慶三郎の養嗣子として入籍した。」とある。
萩藩の安政期・明治期の分限帳を収めた資料4『萩藩給禄帳』の索引を確認したが、「大島」姓の人物は掲載されていなかった。
また、萩藩関係者の系図(享保から天保期(1716~1845年)ごろまで)をまとめた「譜録」(山口県文書館所蔵、活字化されていない。)の目録を収録した資料5『山口県文書館史料目録 第2』p.14にも、「大島」姓の家は記載されていなかった。
樹下明紀, 田村哲夫 編『萩藩給禄帳』,マツノ書店,1984.8.
国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/9575650/1/420 (参照 2025-01-12) 図書館・個人送信限定資料
『山口県文書館史料目録』第2 (毛利家文庫目録 第2分冊),山口県文書館,1965.
国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/3027515/1/14 (参照 2025-01-12) 図書館・個人送信限定資料
なお、資料6『防長風土注進案』第18巻先大津宰判の「久富村 新別名村 河原村 蔵小田村 角山村」の項に、在郷諸士として、「佐世徴之助」の陪臣「大嶋百太郎」の名がみえる。「大嶋百太郎」と「大島慶三郎」との関係は不明。仮に大島家が佐世家の陪臣の家であるとするならば、『萩藩給禄帳』のような萩藩士の分限帳に掲載されないことと平仄が合うが、詳細は不明。
このほか、佐世家の分限帳の類は見当たらなかった。また、伊藤亀齢(百助、俟三郎)についても不明。
山口県文書館 編修『防長風土注進案』第18巻,マツノ書店,1983.
国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/9575403/1/63 (参照 2025-01-12) 図書館・個人送信限定資料
(2)青木周蔵の先祖について
資料1『現代防長人物史 人』p.307「青木梅三郎子」の項によると、「山口県厚狭郡の人三浦玄仲の長男」で、「慶応二年毛利家の典医青木研蔵氏の養子となる。」とある。資料2『近世防長人名辞典 増補版』p281も同様。
井関九郎 撰『現代防長人物史』人,発展社,大正7.
国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/956895/1/156 (参照 2025-01-12) 図書館・個人送信限定資料
吉田祥朔 著『近世防長人名辞典』,マツノ書店,1976.6.
国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12190803/1/148 (参照 2025-01-12) 図書館・個人送信限定資料
資料7『青木周蔵自伝』p3によると、「三浦の祖先は、元松平周防守〔康親〕の家臣なりしも、数百年前、故ありて浪人となり、此地(引用者注:長門国厚狭郡小埴生村)に来りて医を業とし、其後裔も、亦、此業を本職とせり。故に実父の身分は無論平民なり」とある。
また、同書注(p14-15)に三浦家の系図(玄仲から直介(周蔵の養子(のち離縁)の代まで)があり、親族の名前、生没年等が記載されている。
さらに、「実父玄仲は主席家老宍戸孫四郎の家来となっている。専業は産科医、好生堂(引用者注:萩藩の医学所)で種痘を伝習した記録がある。」とある。p.16には、青木家の家系図(周弼の父玄棟から周蔵まで)があり、親族の名前、生没年等が記載されている。
資料8『防長医学史 上』p.145によると、嘉永3年(1850年)に種痘法を伝授された医師のうちに「三浦玄仲」があり、「宍戸孫四郎家来」とある。宍戸孫四郎家の分限帳としては、「宍戸孫四郎家来分限帳」(山口県文書館所蔵、戦前A士族55)があるが、活字化されているものは見当たらなかった。
資料9『厚狭郡史』p434-435によると、母親は「高千帆村字仙崎の蘭学医目文貞の妹」とある。
田中助一 著『防長医学史』上巻,防長医学史刊行後援会,1951.
国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1375269/1/88?keyword=%E7%8E%84%E4%BB%B2 (参照 2025-01-12)
厚狭郡教育会 編『厚狭郡史』,名著出版,1974.
国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/9572813/1/269 (参照 2025-01-12) 図書館・個人送信限定資料
萩藩士の青木氏については、資料10p313-314に簡略にまとめられている。それによると、以下のとおり。
「萩藩士青木七郎兵衛住次家は源姓で、清和源氏の末流。甲斐国柳沢青木村(山梨県武川村)に居住して在名をもって青木氏を称した。始祖和泉守某のとき安芸国尾引村に移住して毛利元就に召し抱えられた。のちに周防国大島郡安下庄(橘町)に移住。さらに孫の元忠は周防国三田尻(防府市)に移住して船手組となった。元忠の次男忠次は分家して毛利秀就の寛永年間に供奉行として新規に召し抱えられ、以来諸役を歴任して大組となった。元忠の子通積の次男通忠は毛利吉就に新規に召し抱えられて寺社組となり、二代宗伴佳行のとき針医も兼ねたが安永六年断絶した。ほかに無給通の青木平右衛門義政家がある。(譜録) 青木和泉守の末裔に大島郡安下庄の医師青木玄節、その分家同軍伊崎村百姓青木平蔵がいた。(閥閲録)」
伊崎村(周防大島町)の青木氏について、利用者確認済みの資料以外に、記載のある資料は見当たらなかった。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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以下の資料は確認済み。
『橘町史』(1983)、『東和町誌』(1982)、『東和町誌 各論編 第1』、『田之浦の里 青木家物語』(浜崎一子 著)、『萩藩閥閲録』、『萩藩諸家系譜』、『緒方青木一族』(宮本常一 著 1955)、『青木周弼』(1941)
- NDC
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- 伝記 (280 9版)
- 個人伝記 (289 9版)
- 参考資料
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井関 九郎/撰. 現代防長人物史 天. 発展社, 1917. p.307,321
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000001-I04115010017144 -
吉田祥朔 著. 近世防長人名辞典 増補. マツノ書店, 1976. p.65,281
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001368803 -
油谷町史編纂委員会 編. 油谷町史. 油谷町, 1990. p.998
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002075762 - 樹下 明紀∥編. 萩藩給禄帳. マツノ書店, 1984. 索引p.22
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山口県文書館 編. 山口県文書館史料目録 : 毛利家文庫目録 2. 山口県文書館, 1965. p.14
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000001-I09111101356961 -
山口県文書館 編修. 防長風土注進案 : 先大津宰判 18. 山口県立山口図書館, 1963. p.107
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000001-I35119310049352 -
青木周蔵/著 , 坂根義久/校注. 青木周蔵自伝. 平凡社, 1979. (東洋文庫 : 168) p.3,14,16
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000001-I16111008912003095 -
田中助一 著. 防長医学史 上巻. 防長医学史刊行後援会, 1951. p.145
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000001-I15111100180155 -
厚狭郡教育会 編. 厚狭郡史. 名著出版, 1974. p.434-435
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001217346 -
竹内理三 [ほか]編纂. 角川日本姓氏歴史人物大辞典 35. 角川書店, 1991. p.313-314
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002151576 , ISBN 4-04-002350-1
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井関 九郎/撰. 現代防長人物史 天. 発展社, 1917. p.307,321
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土 人物
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000368927