レファレンス事例詳細

まず、①、②資料で、新勝寺を調査し、寺名の前にある、○○山というのは、「山号」であるとわかった。質問への回答は③～⑨資料で「山号」を調査することによって得られた。

①『日本大百科全書　12　2版　しようす-すく』
小学館　1994　031　ISBN:4-09-526112-9　
ｐ574新勝寺：「山号の成田山で知られ（後略）」という記載あり。

②『古寺名刹の百科事典』
歴史百科編集部／編　新人物往来社　1988.3　185.91　ISBN:4-404-01479-1　
ｐ168凡例に、「寺名（通称・俗称）①所在地②山号院号③宗派、（後略）」とあり、ｐ186新勝寺を見ると「②成田山」の記載あり。

＜回答＞
以下の資料を提供した。
③『日本仏教語辞典』
岩本 裕／著　平凡社　1988.5　180.33　ISBN:4-582-13001-1　
ｐ327「山号（さんごう　サンガウ）：寺名にかぶせる呼び名で、もとは寺院の所在する山の名で呼んだのに始まる。（中略）わが国では、飛鳥・奈良時代の諸寺院には山号はなかったが、平安朝初期から山岳寺院の発達とともに、その所在する山の名で呼ばれるようになった。鎌倉時代以後、中国から禅僧の渡来とともに、禅宗寺院が数多く建立されると、中国の五山にならって、「京都五山」「鎌倉五山」の称が生じ、平地に建立された寺院も山号をもつに至った。龍宝山大徳寺・正法山妙心寺など、その例である。」

④『日本大百科全書　10　2版　さえ-しつ』
小学館　1994　031　ISBN:4-09-526110-2
ｐ380「山号」「（前略）日本では、古代には都などの平地に寺院が建てられたので山号はない。平安初期の延暦寺や金剛峯寺はその所在地によって比叡山、高野山と呼ばれたが、後世の山号のように形式的な称号ではなかった。平安末に嵯峨清凉寺が五台山と名づけられ、鎌倉時代になって禅宗が中国の五山制度に倣い平地の寺院にも山号を冠するようになり、東山建仁寺、金龍山浅草寺のように形式的な山号をつけてよぶのが一般的になった。」

⑤『世界大百科事典　11　2009年改訂新版　サ-サン』
平凡社　2009.6　
ｐ475「山号」

⑥『岩波仏教辞典　第2版』
中村 元／編集　福永 光司／編集　岩波書店　2002.10　
180.33　ISBN:4-00-080205-4　
ｐ381「山号」

⑦『例文仏教語大辞典』
石田 瑞麿／著　小学館　1997.3　
180.33　ISBN:4-09-508111-2　
ｐ370「山号」

⑧『日本国語大辞典　第6巻　第2版　さこう-しゅんひ』
小学館国語辞典編集部／編集　小学館　2001.6　
813.1　ISBN:4-09-521006-0　
ｐ294「山号」

⑨『仏教用語の基礎知識　（角川選書）　317』
山折 哲雄／編著　角川書店　2000.6　
180　ISBN:4-04-703317-0　
ｐ261「伽藍」についての文章のなかに、山号についての記述が少しある。

※レファレンス協同データベースに類似あり。
「寺の名前、①「○○山」、②「○○院」の由来と名づけ方について知りたい。」
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000055806