レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011/01/23
- 登録日時
- 2011/08/19 02:00
- 更新日時
- 2011/08/19 16:01
- 管理番号
- 横浜市中央1446
- 質問
-
解決
「案内」という言葉は 中世では「あない」と表記されていた。
その変化を解説しているようなものはないか。
- 回答
-
以下のとおり、回答いたします。
1 『語源の辞典』北嶋廣敏/著 日本実業出版社 1995年
p.26に「案内」の項目がありますが、表記についての記述がありません。
2 『日本国語大辞典』小学館
p.1386「ん」の項目に
現代の「ん」にあたるような撥音は、実際の発音では古くからあったと考えることができるが、
上代の確証はありません。
(中略)
いろは四十七字にあたるかなのほかに「ん」にあたる記号が用いられるようになったのは、
平安時代末期ごろからで、・・・
とあります。
3 『日本大百科全書』小学館
p.847「ん」の項目
撥音は促音(詰める音)などと同様に、音韻論的単位として古くから独立していたとはいえず、
(中略)
表記されなかったりで、さまざまであった。
これが中央語で一音韻として確立するのは、平安時代からその萌芽はあったとはいうものの、
室町時代も末のことである。
4 『日本語の文法 古典編』 大野晋/著 角川書店 1988年
p.130から
「あなり」「あんなり」について解説しています。
「あなり あんなり とあるということは、
arinari→aranari→annari という変化が起こった結果、そのannariを表記するにあたって、
撥音便のンを必ず表記するという習慣が確立していなかったために、
あなりと書いたもので、実際には「あンなり」と発音していたもの、つまり、終止形「あり」と「なり」との
間に生じ撥音便の表記がゼロの形であると推定すべきものです。」
(原文より引用)
5 『古代日本語の姿』馬淵和夫/著 武蔵野書院 1999年
-m、-n、-ngについて書かれています。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 文法.語法 (815 8版)
- 日本語 (031 8版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000090214