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レファレンス事例詳細

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事例作成日
2023/11/18
登録日時
2023/12/13 00:30
更新日時
2023/12/13 00:30
提供館
宮城県図書館 (2110032)
管理番号
MYG-REF-230180
質問

未解決

『菅江眞澄全集』4のp.224に、「鬼節が鳴る」と「越の浦の胴鳴」、「陸奥の津軽浜に御扉が鳴る」が「遠う雷のひゞき」と同じである旨が記述されています。江戸時代には雷のことを、鬼節、胴鳴、御扉と言ったのでしょうか。
回答
各種辞書を参照しましたが、「鬼節」、「胴鳴」、「御扉」が「雷」を意味するという記述は見当たりませんでした。

以下は、調査資料を基に関連のある箇所をご案内します。
※【 】内は当館請求記号です。

資料1 『古事類苑』[1], 吉川弘文館, 1995年【031.2/1995.5/1R】
pp.283-310 「天部目録四」-「雷」の項
「名稱、雷神、雷鳴、冬春雷鳴、雷鳴侍衝、落雷、霹靂木、畏雷、雷除、捉雷、雜載」が項立てされています。
「鬼節」「胴鳴」「御扉」が「雷」の同意語である旨の記載はありませんでした。

資料2 日本国語大辞典刊行会編『日本国語大辞典』第3巻, 第2版. 小学館, 2001年【813.1/2000.Z/3R】
p.1000 「雷」の項
「雲と雲との間、あるいは、雲と地表との間に起こる放電現象。また、それに伴ってごろごろととどろく大音響。雷鳴。強い上昇気流のある所などに発生する。いかずち。(後略)」
この辞典にも、「鬼節」「胴鳴」「御扉」が「雷」の同意語である旨の記載はありませんでした。

単語の意味としては、それぞれ、下記のような意味があります。

鬼節について
資料3 尚学図書編『日本方言大辞典』上巻, 小学館, 1989年【818/ニ5/1R】
p.438 「鬼節」の項
「鰹(かつお)一尾を四本に割って作ったかつお節。」と記載されています。

資料4 『世界大百科事典』2, 改訂新版. 平凡社, 2007年【031/2007.9/18タR】
p.212 「中元」の項
「陰暦7月15日。三元の一つ(上元)。道教では、人の罪を許す地官の誕生日とみなし、道士が経典を読んで亡者を済度した。また仏教では、《盂蘭盆経(うらぼんきよう)》等に見える目連(もくれん)尊者の孝行譚(たん)により、六朝後期以来、寺院では盛大な盂蘭盆会が開かれ、迷える亡者を済度した。このため後世、鬼節(鬼は亡霊の意)とも呼ばれる。こうして六朝の終りには、中元はすでに道教・仏教共通の祭日となり、家々では墓参に出かけ、各寺院では、供養を受けに訪れる諸霊の乗る法船を作り、夜それを焼いた。(後略)」と記載されており、特定の期日を指す語として「鬼節」が使用されています。

資料5 『日本国語大辞典』第11巻, 第2版. 小学館, 2001年【813.1/2000.Z/11R】
pp.821-822 「節」の項
「(9)音楽や歌謡の曲節。旋律。ふしまわし。」等音に関する意味も掲載されており、「鬼」と合成されると「鬼節が鳴る」という用法で、遠雷の音を表現することに通じる可能性がありますが、用例にはありません。「越の浦の胴鳴」、「陸奥の津軽浜に御扉が鳴る」という表現も同様です。

胴鳴について
資料6 新村出編『広辞苑』第7版. 岩波書店, 2018年【813.1/2018.1/AR】
p2065 「胴鳴」の項
「山や海が鳴動すること。また、その音。雪の降る前触れという。」と記載されています。

御扉について
資料1-10を確認しましたが記載はありませんでした。
資料7 日本国語大辞典刊行会編『日本国語大辞典』第12巻, 第2版. 小学館, 2001年【813.1/2000.Z/12R】
資料8 尚学図書編『日本方言大辞典』下巻, 小学館, 1989年【818/ニ5/2R】
資料9 三省堂編修所編『広辞林』第6版. 三省堂, 1984年【813.1/1984.3/R】
資料10 松村明編『大辞林』第4版. 三省堂, 2019年【813.1/2019.9/R】

その他、照会の「鬼節」「胴鳴」「御扉」は掲載がありませんが、江戸時代の言葉に関する事典については下記のものがあります。
資料11 池田正一郎著『江戸時代用語考証事典』新人物往来社, 1984年【810.2/イ1/R】
資料12 大久保忠国, 木下和子編『江戸語辞典』東京堂出版, 1991年【813.6/エ2/R】
資料13 林英夫, 青木美智男編集代表『事典しらべる江戸時代』柏書房, 2001年【210.5/2001.X/R】
資料14 江戸人文研究会編 ; 善養寺ススム文・絵 『イラスト・図説でよくわかる江戸の用語辞典』 廣済堂あかつき, 2010年【210.5/2010.2/R】
資料15 中野栄三著『江戸秘語事典』慶友社, 1993年【813.9/1993.6/R】
資料16 三好一光編『江戸風俗語事典』青蛙房, 2002年【814.9/2002.Z/R】
回答プロセス
まず、参照元の『菅江眞澄全集』4を確認した。
・菅江真澄著『菅江真澄全集』第4巻, (日記 ; 4), 未来社, 1973年【081.8/ス1/4】
pp.223-231「牡鹿の鈴風」の項

資料1-16において「鬼節」、「胴鳴」、「御扉」の掲載の有無や、「雷」の同意語を調査したが、照会事項に該当する記述は見当たらなかった。
事前調査事項
広辞苑を確認したところ。「胴鳴」という言葉は掲載がありましたが、雷という説明はありませんでした。「鬼節」と「御扉」は記載がありませんでした。
NDC
  • 辞典 (813 9版)
参考資料
  • . 古事類苑 [1]. 吉川弘文館, 1995【031.2/1995.5/1R】:
  • 小学館国語辞典編集部/編集. 日本国語大辞典 第3巻 第2版. 小学館, 2001.3【813.1/2000.Z/3R】:
  • 尚学図書/編集. 日本方言大辞典 上巻. 小学館, 1989.3【818/ニ5/1R】:
  • . 世界大百科事典 2 改訂新版. 平凡社, 2007.9【031/2007.9/2タR】:
  • 小学館国語辞典編集部/編集. 日本国語大辞典 第11巻 第2版. 小学館, 2001.11【813.1/2000.Z/11R】:
  • 新村/出?編. 広辞苑 第7版. 岩波書店, 2018.1【813.1/2018.1/ABR】:
  • 小学館国語辞典編集部/編集. 日本国語大辞典 第12巻 第2版. 小学館, 2001.12【813.1/2000.Z/12R】:
  • 尚学図書/編集. 日本方言大辞典 下巻. 小学館, 1989.3【818/ニ5/2R】:
  • 三省堂編修所/編. 広辞林 第6版. 三省堂, 1984.3【813.1/1984.3/R】:
  • 松村/明?編 三省堂編修所?編. 大辞林 第4版. 三省堂, 2019.9【813.1/2019.9/R】:
  • 池田 正一郎/著. 江戸時代用語考証事典. 新人物往来社, 1984.7【810.2/イ1/R】:
  • 大久保 忠国/編 木下 和子/編. 江戸語辞典. 東京堂出版, 1991.9【813.6/エ2/R】:
  • 林 英夫/編集代表 青木 美智男/編集代表. 事典しらべる江戸時代. 柏書房, 2001.10【210.5/2001.X/R】:
  • 江戸人文研究会?編 善養寺/ススム?文・絵. イラスト・図説でよくわかる江戸の用語辞典. 廣済堂あかつき, 2010.2【210.5/2010.2/R】:
  • 中野 栄三/著. 江戸秘語事典. 慶友社, 1993.6【813.9/1993.6/R】:
  • 三好/一光∥編. 江戸風俗語事典. 青蛙房, 2002.12【814.9/2002.Z/R】:
キーワード
照会先
寄与者
備考
調査種別
文献紹介
内容種別
言葉
質問者区分
社会人
登録番号
1000343389
転記用URL
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000343389 コピーしました。
アクセス数 1738
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