レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2024年6月23日
- 登録日時
- 2024/07/18 18:22
- 更新日時
- 2024/07/26 22:35
- 管理番号
- 県立長野-24-064
- 質問
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未解決
江戸時代後期の善光寺平の農家の間取りや、善光寺町の表店の町屋の間取りがわかる資料はあるか。また、松代から善光寺あたりの古地図を見たい。
- 回答
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1 江戸時代後期の善光寺平の農家の間取り
当館所蔵の資料を調査したが、該当するものを確認することができなかった。
農家の間取りを掲載している資料はあったが、建築時代の明記はなく、増改築の有無の記述もなかった。
・『長野市誌 第15巻 総集編』長野市誌編さん委員会編 長野市 2004【N212/318/15】
p.459-462に「住まいと暮らし」についての記述があり、川中島町の民家の改築前と改築後の間取りの変化をあげているが、改築前のものの建築年代は不明。
・『長野県史 民俗編 第4巻(1)北信地方 日々の生活』長野県編 長野県史刊行会 1984【N209/11-3/4-1】[国立国会図書館デジタルコレクション送信サービスで閲覧可能 最終確認2024.7.20]
p.380-428「間取り」に北信地域の調査地点の間取りや間取り略図の掲載はあるが、調査時(昭和55,56年頃)のもの。調査地点については、p.1-35にまとめられている。
・『豊野町誌3 豊野町の民俗と地区誌』豊野町誌刊行委員会編・刊 1998【N212/18a/3】
p.47-58「住生活」に、屋敷内の構造物についての解説がある。この中に、町内の4地区の間取りを掲載しているが、年代もどの家のものかの記載がない。2 江戸時代後期の善光寺町の表店の町屋の間取り
善光寺の周辺は弘化4年(1847年)の善光寺大地震及びその後の大火により、倒壊、焼失の被害でほとんどの建造物が失われた地域である。
・『善光寺とその門前町』信州大学土本研究室 長野市教育委員会 2009【N521/206】
p.138-145に、仲見世の旅館、店舗兼住宅が掲載されているが、ほとんどが明治、大正期の建築物。
p.157-163の「門前建造物」に商家の店舗兼住宅がある。明治期のものが多いが、江戸後期のものもある。
・『長野県史 美術建築資料編 全1巻(2)建築 解説』長野県編 長野県史刊行会 1990【N209/11-5/1-2-1】[国立国会図書館デジタルコレクション送信サービスで閲覧可能 最終確認2024.7.20]
p.362-365に「善光寺門前町」があり、門前町に至る道や界隈の特徴が記されている。個々の時代の町屋についての解説がある。幕末期は、西之門町の町屋で、断面図、復元平面図がある。
・『長野市誌 第4巻 歴史編近世2』長野市誌編さん委員会編 長野市 2004【N212/318/4】
全編を通して、江戸後期の商家の様子、町民の暮らしや村人の暮らしなどの記述があるが、住居の間取り図などは確認できない。なお、善光寺門前ではないが、松代城下の商家について、『寺町商家(旧金箱家住宅)保存整備事業報告書』文化財保存計画協会編 長野市 2016【N251/266】に詳細な記述がある。。主屋は増築を重ねているが、北之蔵と店舗棟が幕末期の建築当初のものと思われる。
3 江戸時代後期の松代から善光寺あたりの古地図
松代から善光寺までを1枚にまとめたような地図は確認できなかった。
松代周辺の地図については、『松代城絵図集成』改訂増補 長野市教育委員会松代文化施設等管理事務所編・刊 2014【N251/186a】が参考になる。
また、『善光寺門前町百年の歩み 長野市元善町誌』元善町誌編集委員会編 元善町 1980【N212/161】の巻頭に善光寺門前の地図が何種類かある。なお、国指定文化財等データベースで、長野市にある江戸時代の建築(登録有形文化財 江戸時代 長野県 フリーワードに長野市)を検索すると、武家屋敷以外の国登録有形文化財として、次の2点がヒットする。このデータベースは概略の紹介だけで、詳細な調査などは公開されていないため間取り図もない。また、当館所蔵の資料中には、これらの調査報告書等はなく、間取りも不明。[最終確認2024.7.20]
・「旧三河屋商店店舗兼住宅」(善光寺門前の代表的な商家建築)
・「小坂家住宅主屋」(江戸時代に名主を務めた農家)
- 回答プロセス
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1 『長野市誌』を中心に旧町村の史誌を調べる。『長野県史 民俗編 第4巻(1)北信地方 日々の生活』も見る。農家の間取りについては、江戸時代後期としての間取り図は確認できない。
2 郷土分類N521(長野県の建築)の書棚で、農家、町家の保存修復等の報告書を探す。
3 善光寺町の表店の町屋の間取りとのことだが、2で調査した際に発見したものは、ほとんどが明治・大正期のものだった。
4 『長野県史 美術建築資料編 全1巻(2)建築 解説』に、幕末期の西之門町の町屋があった。善光寺町ではないが、善光寺周辺の隣接する町であるため紹介する。
5 文化庁のホームページで国指定文化財等データベースを調べる。
6 所蔵する古地図、および『長野市誌』や『松代町史』などを調べる。『善光寺門前町百年の歩み 長野市元善町誌』に善光寺周辺の地図類が多数収録されているので、これも確認する。
7 「長野市デジタルミュージアム ながの好奇心の森」で、民家を検索する。2件ヒットする。
<調査資料>
・『信濃の民家』太田博太郎著 長野県文化財保護協会 1976(昭和34-40年刊行の合冊復刻)【N521/52】
・『住 たてる・すむ・くらす』長野県立歴史館編・刊 2002(信濃の風土と歴史8)【N209/34/8】
・『松代城下町歴史的建造物調査報告書』神奈川大学建築史研究室編 長野市教育委員会2009【N521/229】
・『須坂 伝統的建造物群保存対策調査報告書』
須坂市須坂地区伝統的建造物群保存対策調査委員会編 須坂市・須坂市教育委員会 2020【N521/290】
・『長野県史 民俗編 第5巻 総説1概説』長野県編 長野県史刊行会 1991【N209/11-3/5-1】
p.364-371に、新幹線事業に伴い明治期の家屋を移築改修を行った方の新旧間取りの記載があるのみ。
・『長門町百周年記念誌』長門町百周年記念誌編集委員会編・刊 1991【N212/274】
・『長野市史』長野市編 明治文献 1974(1924年長野市役所刊の復刻)【N212/306】
・『善光寺繁盛記』長尾無墨著 小林一郎訳 光竜堂 2008【N212/437】
・『善光寺大門町 温故知新物語』大門町編・刊 2015【N212/556】
・『長野県の近代化遺産』長野県教育委員会編・刊 2009【N521/209】
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本の建築 (521 10版)
- 中部地方 (215 10版)
- 衣食住の習俗 (383 10版)
- 参考資料
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信州大学土本研究室 編. 善光寺とその門前町 : 善光寺周辺伝統的建造物群保存予定地区調査報告書. 長野市教育委員会, 2009.
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000010824668 (【N521/206】) -
長野県 編. 長野県史 美術建築資料編 全1巻 (2) 建築 解説. 長野県史刊行会, 1990.
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000001-I15111100256155 (【N209/11-5/1-2-1】) -
松代城絵図集成 改訂増刷. 長野市教育委員会松代文化施設等管理事務所, 2014.
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000001-I34211110202967 (【N251/186a】) -
元善町誌編集委員会/編. 善光寺門前町百年の歩み : 長野市元善町誌. 元善町, 1980-03.
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000001-I20111005010020451 (【N212/161】)
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信州大学土本研究室 編. 善光寺とその門前町 : 善光寺周辺伝統的建造物群保存予定地区調査報告書. 長野市教育委員会, 2009.
- キーワード
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- 民家
- 間取り図
- 商家
- 長野市
- 善光寺町
- 古地図
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 学生
- 登録番号
- 1000353386