レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2003/01/31
- 登録日時
- 2010/10/28 02:02
- 更新日時
- 2010/11/25 02:03
- 管理番号
- 新県図-01154
- 質問
-
未解決
「越境記事」(天正16.正.11 上杉景勝が側近と・・・「春日山百韻」所載)
米沢市史とか山形県史で読んだ記憶があります。何という叢書などに入っているでしょうか。或いは単独でこの書名で本があるのでしょうか。
所蔵しているかも教えてください。
- 回答
-
当館所蔵の『上杉景勝のすべて』(花ヶ前盛明/編 新人物往来社 1995 N289.1/U47)巻末の年譜を見たところ、天正16年正月11日の項に"家臣を集め、新春の連歌会を催す"とありましたので、この連歌会について調査しました。
『新潟県史 通史編 第2 中世』新潟県 1987 N2*00/N724/2)p742~748の「豊臣期の文壇 越後の連歌と連衆」の章に以下の記述があります。
天正十六年正月十一日、景勝は家中の士ばかりを集めて、初春の連歌会を催した。その席では、景勝の発句「松の世を花ともうつせ宿の春」に、上杉一門の上条弥五郎が「雪に嵐に越る年々」と付け、寿三(木戸元斎)が「谷川や氷を波の打出て」と転じたのをはじめ、さいごの清野範真の挙句「煙もなびく竹の村々」にいたるまで、二十一名がそれぞれ一句ずつを詠んだのである。
こちらの出典は「上杉家記 6」となっていますが、国書総目録によりますと「上杉家記」は東京大学の史料編纂所に写本があるのみです。
また、『新潟県史 通史編』の当該ページで紹介されている、『直江兼続伝』 木村徳衛/著 1944(N289/N49kn)および『鷲宮町史 通史』上巻 鷲宮町 1986(213.4/W43/通-1)についても確認しました。
天正十六年正月十一日、春日山城に於て、景勝一座の連歌会が催された。・・・[上杉家記] その後に、景勝をはじめとした二十一名の歌が出ています。(『直江兼続伝』p258~260)
『鷲宮町史 通史』上巻は、p964~966「木戸元斎」の項に、ごく簡単な記述があります。
なお、同じく当館所蔵の『上越市史 資料編』3 古代・中世 上越市 2002(N2*32/J59/S-3)のp712~713にも、『直江兼続伝』と同内容の歌と、4行程度の解説があります。
ちなみに、『直江兼続伝』『上越市史 資料編』3の出典は、「一床書室雑集」となっています。また、『上越市史 資料編』3には、「一床書室雑集」の下に、「越佐史料稿本」と記されています。「上杉家記」並びに「一床書室雑集」は、おそらく「越佐史料稿本」を作成する際に集められた資料と推測できますが、資料の詳しい内容などは不明です。「越佐史料」は第6巻(天正12年)まで刊行されているものの、その後は未刊のため、お探しの情報に関しては確認できませんでした。
いただいた手がかりのうち、「越境記事」「春日山百韻」と今回の調査で確認しました資料との関連性は、あいにく判明しませんでした。『米沢市史』および『山形県史』につきましても、当館所蔵のものを見てみましたが、お探しの情報は見つかりませんでした。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 北陸地方 (214 9版)
- 参考資料
- キーワード
-
- 『越境記事』の所蔵
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 一般
- 質問者区分
- 一般利用者
- 登録番号
- 1000072929