レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2025/07/05
- 登録日時
- 2025/08/02 00:30
- 更新日時
- 2025/08/21 13:17
- 管理番号
- 20407535
- 質問
-
未解決
日本の仏教の宗派の中で、浄土真宗の信者の数が一番多いとのこと。徳川幕府が本願寺を西と東に分けた頃、廃仏毀釈の頃、大正から昭和初期、そして現在の信者数と、各時代の日本の人口の推移を把握したい。
- 回答
-
以下のとおり調査しましたが、本願寺の東西分派が起きた1602年頃、廃仏毀釈が起きた1868年頃の浄土真宗の信者数を記載した資料は見つけられませんでした。
調査経過と、浄土真宗の信者数や日本の人口について記載のある資料を紹介します。
【 】内は国立国会図書館請求記号、書誌事項末尾に◎を付した資料は国立国会図書館デジタルコレクションの国立国会図書館内/図書館・個人送信対象資料、☆を付した資料は同インターネット公開資料です。
なお、一部旧字を新字に置き換えて表記している箇所があります。
まず、浄土真宗の定義を確認しました。
・資料1
日本大百科全書 12. 2版, 小学館, 1994.1. 4-09-526112-9. 【UR1-G71】
pp.66-67「浄土真宗」
真宗とも略称し、古くは俗に一向宗、門徒宗ともいわれた、とあります。また、現在は真宗10派のうち本願寺派が「浄土真宗」と称しているようです。
1774(安永3)年に浄土真宗を宗名とすることを幕府に願い出たが、浄土宗増上寺が反対し、1872(明治5)年に政府より「真宗」と称すべき旨の通達が出されて決着した、とあります。この記述から、各派の信徒数については、一例として本願寺派(西本願寺)を取り上げて調査しました。
なお、上記の記事の一部はコトバンクにおいて、インターネット公開しています。
https://kotobank.jp/word/%E6%B5%84%E5%9C%9F%E7%9C%9F%E5%AE%97-79627
次に、国立国会図書館リサーチ・ナビを「仏教」「宗教」「信者」「信徒」「門徒」「檀家」「人口」等のキーワードで検索して、以下の記事やレファレンス事例を参照し、挙げられている資料を確認しました。
・宗教に関する文献を探すには(主題書誌)(国立国会図書館リサーチ・ナビ)
https://ndlsearch.ndl.go.jp/rnavi/humanities/post_282
・長期統計(国立国会図書館リサーチ・ナビ)
https://ndlsearch.ndl.go.jp/rnavi/business/post_102100
・人口に関する統計(国立国会図書館リサーチ・ナビ)
https://ndlsearch.ndl.go.jp/rnavi/business/post_102087
・日清・日露戦争前後の国内のキリスト教信徒数(推移)を調べている。(国立国会図書館のレファレンス協同データベース事例)
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000140864
・近世以前の日本の人口について知りたい。(同上)
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000055711
さらに、国立国会図書館デジタルコレクションや論文を検索できるデータベースで、上記キーワードのほか「浄土」「真宗」「本願寺」「宗派」「教勢」等を掛け合わせて検索し、資料・情報を確認しました。資料中の壇徒数・信徒数等の定義は、それぞれの資料をご確認ください。
情報1(2023年末時点の信者数)
・宗教統計調査(文化庁)
https://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/shumu/index.html
1949年から毎年行われている、日本における宗教の動向調査です。
令和6年度版の「第6表 包括宗教団体別被包括宗教団体・教師・信者数」を参照すると、(1)文部科学大臣所轄包括宗教法人 > 仏教系において、2023年12月31日現在の宗派の系統、教団ごとの信者数があります。
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00401101&tstat=000001018471&cycle=0&tclass1=000001224160&tclass2val=0
資料2(大正から昭和初期の信徒数等)
・時事通信社 編. 時事年鑑 大正7・8-昭和44年版, 時事通信社, 1918-1968. https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000955530 【059.1-Z32-Z】◎
記載が見つかった大正10年版(1921)から、5年ごとに確認しました。()内は出版年です。
*大正7~8年版、大正9年版には宗派別の信徒数に関する記載が見つかりませんでした。
*大正10年版(1921)pp.199-200「神社、宗教 仏道檀徒信徒」に1918(大正7)年末の宗派別の檀徒数、信徒数を記載しています。
*昭和2年版(1926)pp.369-370「社寺 神道、仏道、キリスト教各派代表者、事務所、教師、信徒」に1921(大正10)年末の宗派別の檀徒数、信徒数を千人単位で記載しています。
*昭和7年版(1931)pp.356-358「社寺 神道、仏道、基督教各派代表者、事務所、教師、信徒」に1929(昭和4)年末の宗派別の檀徒数、信徒数を千人単位で記載しています。
*昭和12年版(1936)pp.361-364「社寺 神道、仏道、基督教各派代表者、事務所、教師、信徒」に1933(昭和8)年末の宗派別の檀徒数、信徒数を記載しています。
資料3(大正から昭和初期の信徒数等)
・文部省 編. 文部時報. 復刻, 日本図書センター, 1981-. 【Z7-367】
1号(大正9年5月1日)から、5年ごとに確認しました。
*1号(大正9年5月1日)pp.88-90「彙報 宗教 神道教徒、信徒。仏道檀徒、信徒」に1918(大正7)年末現在の宗派別の檀徒数、信徒数を記載しています。
*161号(大正14年1月21日)pp.24-27「彙報 宗教 神道教徒信徒仏道檀徒信徒其他信徒数」に1921(大正10)年末現在の宗派別の檀徒、信徒、計の数を記載しています。
*360号(昭和5年10月11日)pp.28-33「彙報 宗教 信徒数調」に1928(昭和3)年末現在の宗派別の檀徒、信徒、計の数を記載しています。
*426号(昭和7年9月11日)pp24-29「彙報 宗教 宗教信者等調」に1929(昭和4)年12月31日末現在の宗派別の檀徒、信徒、計の数を記載しています。
*503号(昭和9年12月11日)pp19-36「彙報 宗教 宗教信者等調」に1932(昭和7)年12月31日末現在の宗派別の檀徒、信徒、計の数を記載しています。
*昭和8、10年発行分の目次には、宗派別の信徒数に関する記載は見つかりませんでした。
資料4(大正の信徒数等)
・文部省宗教局 編. 宗教制度調査資料 第18輯, 文部省宗教局, 大正10-15. 【694-14】☆
pp.59-119「七 宗派別寺院檀信徒及不動産調(道府県別)」に1922(大正11)年3月31日現在の宗派別の檀徒戸数、信徒数を記載しています。ただし、全国の宗派別の信徒数は記載されていないため、47都道府県の信徒数を合計して算出してください。
該当箇所のURL: https://dl.ndl.go.jp/pid/980504/1/32
資料5(大正の信徒数等)
・文部省宗教局 編. 宗教要覧, 文部省宗教局, 大正5. 【324-500】☆
pp.205-208「二十 統計表 三 佛道各派寺院、教會、僧侶、檀信徒」に1913(大正2)年末調査の宗派別の檀徒数、信徒数を記載しています。
該当箇所のURL: https://dl.ndl.go.jp/pid/943591/1/112
資料6(浄土真宗本願寺派の明治から大正の信徒数等)
・本願寺史料研究所 編. 本願寺史 第3巻, 浄土真宗本願寺派宗務所, 1969.5. 【188.75-H633】
pp.611-629「第七章 最近代教団の動向 四 派勢調査と財政整理」
本願寺が行った教勢調査の結果をもとに、p.622に1900(明治33)、1913(大正2)、1916(大正5)、1919(大正8)年の本願寺派の門徒数および信徒数、1919(大正8)、1921(大正10)年の門徒戸数を記載しています。
資料7(浄土真宗本願寺派の大正の信徒数等)
・北畠玄瀛 編. 本願寺, 本派本願寺教務部, 大正8. 【325-539】☆
p.252に当時の本願寺派の男女別門徒数及び信徒数、門徒戸数を記載しています。なお、本願寺が行った教勢調査の結果がもとです。
該当箇所のURL: https://dl.ndl.go.jp/pid/944227/1/133
参考として、宗教の統計に関する資料を紹介します。ただし、宗派別の信徒数は記載されていません。
資料8
・日本統計協会 編. 日本長期統計総覧 第5巻 (住居,社会保障,保健医療,教育・文化,科学技術,公務員・選挙,司法・警察,災害・事故,国防), 日本統計協会, 1988.5. 4-8223-0964-9. 【DT31-E1】
p.209に宗教の政府統計の歴史について説明があり、「統計は各宗教団体からの申告に基づいて作成されるため、例えば信者の総数は総人口をはるかに上回るなど特異な数値となっている点に注意する必要がある」とあります。
なお、同様のデータを日本の長期統計系列(総務省統計局、国立国会図書館インターネット資料収集保存事業(WARP)で収集。保存日:2019年12月1日)で確認することができます。
https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11423429/www.stat.go.jp/data/chouki/index.html
目次 > 第26章 文化・レジャー > 解説 のページを開き、宗教の項を参照すると、上記の説明があります(同 保存日:2019年12月2日)。
https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11423429/www.stat.go.jp/data/chouki/26exp.html
資料9
・小田 匡保. 日本における仏教諸宗派の分布--仏教地域区分図作成の試み. 駒澤地理 / 駒澤大学文学部地理学教室, 駒澤大学総合教育研究部自然科学部門 編. (39) 2003.3,p.37-58. 【Z8-188】
仏教諸宗派の分布について先行研究を整理し、明治期・戦前期の地域分類図、檀家数による戦前の地域分類図を掲載しています。
仏教に関する政府統計について、明治期は内務省が宗教行政を所管したため、『内務省年報』、『内務省統計書』、『内務省統計報告』に掲載され、さらに1913(大正2)年に神社以外の宗教行政が文部省の管轄になった後は『文部省年報』に掲載され、戦前の第67(データは1939(昭和14)年時点)まで継続する、とあります。また、これらをもとに『日本帝国統計年鑑』にも統計が掲載されている、とあります(pp.44-45)。
駒澤大学学術機関リポジトリにて閲覧可能: https://doi.org/10.69200/0002004794
なお、『内務省年報・報告書』、『内務省統計書』、『内務省統計報告』、『文部省年報』の目次を概ね10年ごとに確認しましたが、宗派別の信徒数の記載は見つかりませんでした。
資料10
・佛教史学会 編. 仏教史研究ハンドブック, 法藏館, 2017.2. 978-4-8318-6005-7. 【HM61-L27】
pp.286-287「第3部 日本 第3章 日本近世 8 浄土真宗」に東西分派後も所属を定め得ない家臣・僧侶・門徒が多く、「近世教団として安定的に整備されるまで、分派後100年ほどを要した。」とあります。
最後に、日本の人口に関する資料を紹介します。
資料11
・総務省統計局 編. 日本統計年鑑 74巻 2025年, 日本統計協会, 2025. 【Z41-371】
pp.38-43「第2章 人口・世帯 2-1 人口の推移」に1872(明治5)~2023(令和5)年の日本の人口総数等があります。
総務省統計局ホームページにて閲覧可能:https://www.stat.go.jp/data/nenkan/index1.html
情報2
・人口統計資料集(2025年版)(国立社会保障・人口問題研究所)
https://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/Popular/Popular2025.asp?chap=0
Ⅰ.人口および人口増加率 > 表1-1 総人口および人口増加:1872~2023年 を選択すると、日本の人口総数等が表示され、Excelファイルをダウンロードできます。
なお、資料11と同様の数値ですが、1872、1900、1920~2020年の5年ごと、2020~2023年の毎年のデータを掲載しています。
資料12
・日本列島における人口分布の長期時系列分析 : 時系列推計と要因分析, 社会工学研究所, 1974.3. https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002407163 【DC721-E50】◎
p.58「表1-1-10 近世初期における全国人口及び年平均増加率」に1600、1650、1700、1721年の推計人口、p.67「表1-1-13 近世中・後期の全国推計人口」に1721~1846年のうち、一部の年の推計人口を記載しています。
p.87「表1-1-18 近代における全国推計人口(千人)」は統計局ほか4点の推計をもとに、1875~1920年の5年ごとの推計人口を比較しています。
資料13
・佐藤方彦 編. 日本人の事典, 朝倉書店, 2003.6. 4-254-10176-7. 【SA51-H2】
pp.629-649「51 日本人の人口」
p.637「表51.6 江戸時代の日本人口:幕府の人口調査(子午改)」に1600、1650、1846年等の資料12による推計人口と、一部の年は徳川幕府が行った人口調査による総数を記載しています。
p.639に1872~1920年の毎年の推計人口の表、p.641に1920~1995年の5年ごとの総人口の表があります。これらは、国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集」をもとにしています。
資料14
・世界の人口動向と政策課題, 総合研究開発機構, 1985.10, (NRO-85-2). 4-7955-5429-3. https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001794078 【DC712-58】◎
pp.437-453「第IV部 日本の人口問題 第26章 江戸時代の人口」
p.438に江戸時代人口の推計の表を掲載し、資料12等をもとに、1600、1650、1846、1865、1870、1875年等の推計全国人口(沖縄を除く)を記載しています。
[そのほかの調査済み資料・情報の一部]
・浄土真宗本願寺派総合研究所教学伝道研究室〈聖典編纂担当〉 編纂. 浄土真宗辞典, 本願寺出版社, 2013.3. 978-4-89416-281-5. 【HM2-L2】
・北村 嘉行. 日本の仏教宗派の分布動向. 東洋学研究. (通号 31) 1994,pp.257-283. 【Z8-407】◎
・東洋経済新報社 編. 完結昭和国勢総覧 第3巻, 東洋経済新報社, 1991.2. 【DT31-E7】◎
・国史大辞典編集委員会 編. 国史大辞典 第7巻 (しなーしん), 吉川弘文館, 1986.11. 4-642-00507-2. 【GB8-60】 pp.583-584「浄土真宗」
・仏教大学 編. 仏教大辞彙 第1-3巻, 富山房, 大正3-11. 【331-104イ】◎
・内閣統計局 編. 日本帝国統計年鑑 第四十一回, 東京統計協会, 大正11. 【351-N6892-N】◎
・大日方純夫 [ほか]編. 内務省年報・報告書 第1巻 (明治8年7月~9年6月 上), 三一書房, 1982.10. 【AZ-333-21】
・大日方純夫 [ほか]編. 内務省年報・報告書 別巻 1 (内務省統計書 上巻・中巻), 三一書房, 1984.6. 【AZ-333-21】
・大日本帝国内務省統計報告 第1-26回, 内務省, 明19-45. 【14.4-27】☆
・日本帝国文部省年報 第1-40(明治6-45年), 文部省, 明8-大3. 【258.2-1】☆
・J-STAGE https://www.jstage.jst.go.jp/browse/-char/ja
・CiNii Articles https://ci.nii.ac.jp
・雑誌記事索引集成データベース ざっさくプラス(皓星社)(当館契約データベース)
インターネット最終アクセス:2025年7月2日
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 各宗 (188 10版)
- 宗教 (160 10版)
- 日本 (351 10版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 人文(レファレンス)
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000372705