レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2010/09/19 14:13
- 更新日時
- 2019/09/03 16:31
- 管理番号
- 新門司分館、門司図書館
- 質問
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解決
新聞の記事に、明治の国語の教科書に「うめぼしのうた」というのが載っていたとあります。全文を知りたいのですが、資料はありますか?
- 回答
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朝日新聞2002(平成14)年12月16日付け夕刊に、この詞が現在でも歌い継がれていることが記事になっています。
詞は『尋常小学読本巻五』の第十に「うめぼし」という題で載っています。また『大正新選学校唱歌集』にも楽譜はありませんが詞が載っています。全文は次のとおりです。
「二月・三月花ざかり、うぐひす鳴いた春の日の たのしい時もゆめのうち。
五月・六月實がなれば、枝からふるひおとされて、きんじよの町へ持出され、何升何合はかり賣。
もとよりすつぱいこのからだ、しほにつかつてからくなり、しそにそまって赤くなり、七月・八月あついころ、三日三ばんの土用ぼし、思へばつらいことばかり、それもよのため、人のため。
しわはよつてもわかい氣で、小さい君らのなかま入、うんどう會にもついて行く。
ましていくさのその時は、なくてはならぬこのわたし。」
また『梅Ⅱ ものと人間の文化史』には、そのときの時代背景が少し紹介されています。
- 回答プロセス
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OPACにて「梅」をキーワードに検索し、該当資料を調べました。
そのうちの一つ、『梅Ⅱ ものと人間の文化史』に、第二期『尋常小学読本』巻五の第十が「うめぼし」であるという記載とともに、全文が掲載されていました。
該当教科書の情報により、『日本教科書大系 近代編』を調べると、第7巻に該当ページをみつけました。確認のため中央図書館所蔵の『尋常小学読本巻五』にあたったところ、 、『日本教科書大系 近代編』第7巻には歌詞に誤植があることがわかりました。
また、インターネットで「小さな資料室」というサイトがこの件について、記述していました。小さな資料室」は他の項でも的確な記載をしているように見受けられ、非常に参考になるサイトと感じました。
- 事前調査事項
- NDC
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- 教育課程.学習指導.教科別教育 (375)
- 風俗習慣.民俗学.民族学 (380)
- 参考資料
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『尋常小学読本巻五』 文部省編 日本書籍1914年
- 「懐(なつ)歌詞(かし)のうめぼし」 大井田ひろみ (「朝日新聞2002年12月16日付け夕刊」7頁 ) 朝日新聞社
- 『日本教科書大系 近代編 第7巻 国語(四)』海後宗臣編 講談社 1964年 <375.9/ニ/7> (78~79頁) (※詞の1行目に誤植あり)
- 『梅Ⅱ ものと人間の文化史』 有岡利幸 法政大学出版局 1999年 <380/モ/92-2> (292~293頁)
- インターネット「国立国会図書館近代デジタルライブラリー」(http://kindai.ndl.go.jp/index.html)(最終確認日:2011年11月1日)
- インターネット 「小さな資料室」(http://www.geocities.jp/sybrma/58shi.umeboshi.html)(最終確認日:2011年11月1日)
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『尋常小学読本巻五』 文部省編 日本書籍1914年
- キーワード
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- 国語教科書
- うめぼしのうた
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 本件調査後、ほとんど同じ内容がインターネットサイト「小さな資料室」にアップされている事がわかり、削除を検討しましたが、この事業の中にほかに「小さな資料室」に言及した事例が無いため、少しでも参考になればと、あえて公開しました。
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000071542