レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2007年08月20日
- 登録日時
- 2007/08/21 13:30
- 更新日時
- 2007/08/21 13:30
- 管理番号
- 福井県図-20070820
- 質問
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解決
福井県の道祖神、塞の神(サイノカミ・サエノカミ)について調べている。祭礼や由来など事例について書かれた文献や調査報告書等はあるか。
- 回答
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福井県内の道祖神や塞の神が主題の論文・報告書は発見できず。
- 回答プロセス
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①自館OPAC(郷土資料限定)、“福井県関係調査相談DB”、文書館の県史DBで“塞の神”を検索するが、すべて該当なし。
②「広辞苑」で“塞の神”について調べる。
“さえのかみ【障の神・塞の神・道祖神】邪霊の侵入を防ぐ神。行路の安全を守る神。村境などに置かれ、近世にはその形から良縁・出産・夫婦円満の神ともなった。みちのかみ。道祖神。さいのかみ。”
③適当にGoogleで見ていったところ、東日本では塞の神と左義長との関連が深いという記述があったので、「勝山歳時記」で勝山左義長との関連を調べるが、関連性は無し。
④H38番台の書架をブラウジングするが、“道祖神”“塞の神”が主題の単行本や論文は無し。
→「若越民俗語彙」(斎藤槻堂編/久我元/1960年)
p.138“ドウソシン”の説明文に、“俗にサエノカミと呼ばれ”るとあり、例として南条村東大道にあった道祖神をあげている。
⑤県内各地域史の民俗編・民間信仰部分をブラウジングする。
→「南条町誌」(南条町史編集委員会/南条町/1976年/1040232074)p.628~629の“道祖神”の項目に、
町内で道祖神と呼ばれているもの3体の設置場所と、2体の写真有り。由来は無し。道祖神および塞の神に関する説明も有り。
→「わかさ美浜町誌・第2巻(祈る・祀る)」(美浜町誌編纂委員会/美浜町/2006年/1049224221)p.209~211の“道祖神”の項に、
“一般には「サエノカミ」「サイノカミ」「ドウロクジン」と呼ばれ”とあり、県内の道祖神や道祖神にちなんだ当て字の地名などについて簡単に述べ、町内の
道祖神が祀られている神社名や由緒が載っている書名などが記載されている。
→「福井市史・資料編13(民俗)」(福井市編/福井市/1988年/1040144592)p.666に関連記載有り。
“福井地方では道ばたに道祖神を見受けることは、ほとんどない。これは浄土真宗の影響だという説があるが、それほど単純な理由ではないだろう。
道祖神の少ない地域は、福井市だけでなく、広く石川県・福井県・京都府・滋賀県を経て三重県にまで及んでいる。なにかもっと深い理由があると
思われる。(中略)福井地方では路傍の神さまの主役は地藏さんである。”
→「福井県史・資料編15(民俗)」(福井県編/福井県/1984年/1040223594)p.3に関連記載有り。
同頁に、道祖神がない地域が網目であらわされた日本地図有り。
“(一)京福地方 石川県から福井県・京都府・滋賀県南部、そして三重県に至る地方を、仮に京福地方と呼ぶことにする。この地方の民俗の特色は道祖神に類するものがほとんどないことである。”
- 事前調査事項
- NDC
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- 風俗習慣.民俗学.民族学 (380 8版)
- 参考資料
- キーワード
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- 塞の神(さいのかみ)(さえのかみ)
- 道祖神
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 学生
- 登録番号
- 1000036829