レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011年10月25日
- 登録日時
- 2011/11/03 16:06
- 更新日時
- 2012/02/10 11:47
- 管理番号
- 9000007734
- 質問
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解決
富士山の「農鳥」は、どのあたりに見えるのか。また、出現するのはいつごろで、どのような農作業の目安になるのか。
- 回答
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富士山の雪形「農鳥」は、富士山8号目付近に、4月下旬から5月中旬にかけて出現し、田植えなどの農作業を始める時期の目安とされる。
- 回答プロセス
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1.『山梨百科事典』(山梨日日新聞社編・発行 1989年)をひくと、「農鳥岳」の項に農鳥の説明がある。「農鳥」「雪形」の項はない。「富士山」の項にも農鳥についての記述はない。
2.農鳥の出現は毎年新聞記事になるので、山梨日日新聞縮刷版データベースで「農鳥」を確認。最近の記事では、次のものがあった。
・「富士山に「農鳥」出現 田植えにゴーサイン」2011年5月14日付け1面→「…富士山8合目付近の残雪が鳥の形に見える「農鳥」が、13日富士吉田市内で確認された。古くから農作業を始める時期の目安とされ…」。
・「農鳥、富士に「飛来」:4年ぶり5月に春告げる」2010年5月22日付け21面→「富士山の8合目付近の山肌に残った雪が鳥の形に見える「農鳥」が21日、富士吉田市内から確認できた。」
3.自館システムで、書名「雪型」を検索。次の資料を確認。
・『山の紋章:雪形』(田淵行男著 学研 1983年)→p158-159に「山梨県(1)富士の雪型」があり、農鳥の説明がある。「これの現れるのは北面の中腹で、河口湖方面から五月初旬から六月初旬にわたり、姿を変えていくのが望見される。この「農鳥」の各段階の姿を、岳麓の農家では各種の農作業の目安にしたわけである」。p224-229に山梨県の雪型についての解説があり、富士山の農鳥については「(出現山名)富士山東北面八合目付近 (望見地域)富士吉田市方面 (出現期)4月中旬~5月中旬 (伝承その他)その形態の変化を各種の農作業の目安とす。」とある。
4.インターネットの山梨日日新聞社・YBS山梨放送のwebサイト「富士山NET」(http://www.fujisan-net.jp/ 2011.11.25確認)の「富士山豆知識」に「富士山の「農鳥」」の紹介ページ(http://www.fujisan-net.jp/data/article/1036.html ※2011.11.25確認)があった。「例年4月下旬から5月中旬にかけて、富士山8合目(標高2900メートルから3000メートル)付近の北西斜面に出現」「地元では古くから、農家が田植えなどの農作業を始める時期の目安とされてきた」などの記述がある。
5.また、インターネットの「GeNii学術コンテンツポータル」( http://ge.nii.ac.jp/genii/jsp/ )で「富士山 雪形」を検索すると、『富士燦々』(ネイチャー・プロ編集室構成・文 角川書店 2009年)[資料番号0105405641]p16-17に農鳥のカラー写真の掲載があった。
- 事前調査事項
- NDC
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- 気象学 (451 9版)
- 日本 (291 9版)
- 参考資料
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- 『山の紋章:雪形』(田淵行男著 学研 1983年) (p158-159,224)
- 「富士山NET」( http://www.fujisan-net.jp/data/article/1036.html ※2011.11.25確認)
- キーワード
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- 農鳥
- 雪形
- 富士山
- 農業
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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【追記事項 2012.2.10】
・「ザやまなし」2012年2月号(山梨日日新聞社)の特集記事「富士の雪形:自然が織りなす造形美」あり、富士山の雪形のカラー写真の掲載がある。写真を撮影した鳴沢村在住の大宮仁さんのホームページ「富士みずほ通信」(http://www.fjsan.net/ ※2012.2.10確認)では、富士山の雪形の写真を公開している。
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土(自然科学)
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000096160