レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2025年05月15日
- 登録日時
- 2025/06/01 14:12
- 更新日時
- 2025/07/02 21:15
- 管理番号
- 県立長野-25-045
- 質問
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未解決
松代藩八代藩主真田幸貫(さなだ ゆきつら)が召し抱えた刀工「水田国重」について書かれている文献と刀を所蔵している施設が知りたい。
- 回答
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松代藩の刀工「水田国重」についての典拠が確認できる資料、およびその刀の所蔵施設について、確認することができなかった。
なお、水田国重という名の刀工は何人かおり、備中(岡山県)で主に活躍した刀工一派で『日本刀大百科事典 第2巻』福永酔剣著 雄山閣出版 1993【756.6/フス/2】のp.152-154「国重」の箇所では、備中の国重の一派である「古水田派」、古水田の四代目から派生した「新刀水田」について説明されている。
<松代藩に招かれた水田国重について>
・『松代町史 下巻』 大平喜間多編 臨川書店 1986 【N212/236/2】 p.78
・『海防の先覚者真田幸貫伝』 大平喜間多著 昭和刊行会 1944 [国立国会図書館デジタルコレクション送信サービスで閲覧可 最終確認2025.6.6] 64-67コマ
水田国重が同時期に松代藩お抱えの刀工であった大慶直胤(たいけい なおたね)の刀に対して折れ易いと言って議論になったというエピソードについて書かれているが、根拠は確認できなかった。上記2冊はどちらも著者・編者が同一人物であり、ほぼ同じ内容が記載されていた。
・福永酔剣著 「水田国重の研究(14)」 『刀剣と歴史』 第415号 日本刀剣保存会 1963 [国立国会図書館デジタルコレクション送信サービスで閲覧可 最終確認2025.6.6] 5コマ
「信州の松代藩に招かれた国重がいる。」(―中略-)「天保四年に召し出されたのが、大慶直胤と水田国重であった。」と書かれているが、『松代町史』の内容を引用しているものである。
・『刀工 山浦真雄清麿兼虎伝』花岡忠男著 桐原書店 1985【N756/11】 p.173
水田国重について「備中国水田住大月喜兵衛国重と切る天保年紀があり、この刀工が松代に駐鎚したらしい」と書かれているが、松代藩お抱え根拠となる情報源の明記はない。
・『日本刀銘鑑』石井昌國著 雄山閣出版 2003(当館契約の電子書籍サービスKinoDen)p.254
国重の一人として「備中国水田住大月喜兵衛国重 天保ころ。備中。(毛利)」と記載があるが、松代藩にいた水田国重と同一人物かは不明。
真田宝物館へ照会したところ、所蔵資料の中に真田家お抱えの刀工「水田国重」という名前はなかった。また、国文学研究資料館に所蔵されている真田家文書を「国書データベース」で「水田国重」「刀鍛冶」のキーワードで検索をするが、該当する文書等は確認できなかった。[最終確認2025.6.6]
なお、『備中水田国重の研究:奉納刀研磨プロジェクト記念』 小池哲著 日本美術刀剣保存協会岡山県支部 2016という資料があると紹介いただいたが、松代藩の水田国重についての記載があるかは不明。岡山県で出版された本で、あまり広くは流通していないようであった。
<刀の所蔵施設について>
真田宝物館に照会したところ、真田幸貫時代の作品で国重の名がついた刀は所蔵しておらず、時代は違うが「山城守国重」「山城守藤原国重」銘の十文字槍と三角槍を所蔵しているとの回答があった。
また、刀剣専門の博物館として以下の施設を紹介いただいたので、案内した。
・「坂城町鉄の展示館」(長野県埴科郡坂城町)
・「刀剣博物館」(東京都墨田区)
- 回答プロセス
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1 質問者の事前調査資料を確認する。
2 『長野県歴史人物大事典』と『更級郡・埴科郡人名辞書』に名前が載っているか確認する。
3 郷土分類N212(上水内郡・長野市の歴史)とN288(系譜・家伝)の書棚で「真田家」「松代藩」について書かれた資料を探す。
4 真田幸貫が松代藩八代藩主であった年代を調べる。→文政6年(1823年)から嘉永5年(1852年)
5 真田家や松代藩の文書が掲載されている『真田家文書 上・中・下巻』『長野県史 近世史料編 第7巻(1)』『松代藩庁と記録』で該当の年代の文書に「水田国重」の名前がないか確認する。
6 真田家と松代藩にあった刀について書かれている資料『備え』『真田と刀』から、該当の年代で「水田国重」の打った刀があるか確認する。
7 5、6で「水田国重」の名前が確認できなかったため、国立国会図書館デジタルコレクションにてキーワード「水田国重」「真田」や「水田国重」「松代」で検索をする。
8 質問者の事前調査資料の中に刀工である「大慶直胤」とのエピソードがあったため、直胤について書かれている資料を確認する。
9 刀工や日本刀に関する辞典類『日本刀大百科事典』『日本刀工辞典 新刀篇』『日本刀銘鑑』を使い、「水田」「国重」のキーワードで調べて、水田国重に関する記述があるか確認する。
10 真田宝物館に照会し、「水田国重」に関する史料と刀の所蔵がないか照会する。
11 紹介いただいた内容を国書データベースやNDLサーチで改めて確認する。
<調査資料>
・『真田家文書 上巻』米山一政編 長野市1981【N208/53/1】
・『真田家文書 中巻』米山一政編 長野市 1982【N208/53/2】
・『真田家文書 下巻』米山一政編 長野市 1983【N208/53/3】
・『長野県史 近世史料編 第7巻(1)』長野県編 長野県史刊行会 1981【N209/11/7-1】
・『松代藩庁と記録』国文学研究資料館史料館編 名著出版 1998【N212/327】
・『備え』長野市教育委員会編 真田宝物館 2002【N756/19】
・『真田と刀』長野市教育委員会文化財課松代藩文化施設等管理事務所(真田宝物館)編 ・刊 2019【N288/373】
・『日本刀工辞典 新刀篇』藤代義雄著 藤代商店 1980【756.6/フヨ】
・『長野県歴史人物大事典』神津良子編 郷土出版社 1989【N283/13/ウ】
・『更級郡・埴科郡人名辞書』信濃教育会更級部会編 象山社 1978【N280.3/2-1】
- 事前調査事項
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・『松代町史 下巻』 大平喜間多編 臨川書店 1986
・『海防の先覚者真田幸貫伝』 大平喜間多著 昭和刊行会 1944
- NDC
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- 中部地方 (215 10版)
- 金工芸 (756 10版)
- 参考資料
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大平喜間多 編纂. 松代町史 下巻. 臨川書店, 1986. (長野県郷土誌叢刊)
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000039-I9540362 , ISBN 4-653-01488-4 -
大平喜間多 著. 海防の先覚者真田幸貫伝. 昭和刊行会, 1944.
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000668108 -
刀剣と歴史 (415). 日本刀剣保存会, 1963-09.
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000016566-d7901109 -
花岡忠男 著. 刀工山浦真雄清麿兼虎伝. 桐原書店, 1985.
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001778287 -
小池哲著 ; 小池哲, 真木堂智, 前田旬編. 備中水田国重の研究 : 奉納刀研磨プロジェクト記念. 日本美術刀剣保存協会岡山県支部, 2016.
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000136-I1130000795277526144
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大平喜間多 編纂. 松代町史 下巻. 臨川書店, 1986. (長野県郷土誌叢刊)
- キーワード
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- 水田国重
- 真田幸貫
- 松代藩
- 刀工
- 刀
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査 所蔵機関調査
- 内容種別
- 郷土 人物
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000369963