レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021年09月10日
- 登録日時
- 2021/09/10 14:28
- 更新日時
- 2021/09/18 11:52
- 管理番号
- 中央-1-0021497
- 質問
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解決
幕末(嘉永頃)の通貨で「台場通宝」というものがあるが、「お台場築造時に人足に日当として支払われたとする説(実在:コイン)」と、「幕末の鋳物師が作ったダミー絵銭説(偽物・絵銭説:メダル)」の2説がある。この2説について書いてある資料を見たい。
- 回答
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(1)『品川台場史考』佐藤正夫/著 理工学社 1997年
p127「“台場通宝”をめぐって」の章に、町史、区史でどのように取り上げられているか紹介されている。
・『品川町史』(昭和7年2月刊行)…実物大の「台場通宝」と称する銭貨の写真が掲載されている。(写真あり)
・『芝区史』(昭和13年3月刊行)…「普通の通貨で給料を支払うのは煩わしかったから、便宜上五十文、二百五十文の通貨を新鋳造した。これが即ち台場通宝である」と記されている。
・『港区史』(昭和35年刊行)…「台場銭」には異説があると記されている。古銭収集家の間では、台場通宝は実在せずに幻の通貨であるというのが定説になっており、その理由として大正4年頃に東京本郷の鋳物屋の某が創作して、空想貨幣として古銭愛好家たちに売り出していたという事実が挙げられている。
(2)『幕末の日本』金子治司/著 早川書房 1992年
上記『品川台場史考』の中で参考資料として挙げられていたもの。
p204 『品川台場史考』の情報に加え、作者が小田部市郎で、台場通宝を創作したと書かれている。
(3)『古銭と紙幣』矢部倉吉/著 金園社 2004年
p428 「古銭の主な贋物作者」の「創作貨幣の部」の中で、小田部市郎が紹介されており、台場通宝を創作したと書かれている。「本物と信じている人が少なくないので注意しておく」とも書かれている。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 関東地方 (213 10版)
- 貨幣.通貨 (337)
- 参考資料
- キーワード
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- 台場通宝
- 古銭
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000304519