レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019/07/11
- 登録日時
- 2020/03/25 00:31
- 更新日時
- 2021/01/09 14:14
- 管理番号
- 茨城-2019-098
- 質問
-
解決
明治初め,茨城県内に国立銀行が4ヵ所に設立されている。
次の国立銀行の本店所在地・頭取名を知りたい。
(1) 第五十国立銀行(新治郡土浦町・明治11年8月14日・資本金10万円で設立)
(2) 第百四国立銀行(水戸市上市五軒町・明治11年9月6日・資本金10万円で設立)
(3) 第百二十国立銀行(古河町江戸町・明治11年9月11日・資本金5万円で設立)
(4) 第六十二国立銀行(水戸市下市竹隈町・明治11年10月14日・資本金10万円で設立)
- 回答
-
ご依頼のありました件について,下記のとおり資料を紹介しますのでご確認ください。
第百四国立銀行については,番地が記載されている資料がみつかりませんでした。お役に立てず申し訳ありません。
今回ご紹介する資料は,相互貸借可能な資料,または,国立国会図書館デジタルコレクション図書館送信対象資料です。 記
(1)『茨城県史料 近代産業編2』(茨城県史編さん近代史第2部会/編 茨城県 1973)
※国立国会図書館デジタルコレクション図書館送信対象資料
八 金融業 一 国立銀行(p.479-496)
p.490「五五四 第六十二、第百十二国立銀行合併の儀願」に,明治11年10月14日付「第七拾三番開業免状」が掲載されており,「水戸市下市本壱町目廿番地」とあります。続く明治11年10月29日付「議定書」に「第六十二国立銀行株主 石川弘毅〔以下一一五名の氏名略〕」とあります。
(2)『常陽銀行二十年史』(常陽銀行 1955)
※国立国会図書館デジタルコレクション図書館送信対象資料
第二章 常磐銀行の沿革 第一節 水戸六十二銀行時代 一 国立銀行時代(p.20-33)
p.25に上記(1)で紹介した「第七拾三番開業免状」,p.26に当時の役員の記載と「第六十二国立銀行開業式祝詞」が掲載されており,頭取は「石川弘毅」とあります。
第二章 常磐銀行の沿革 第三節 合併銀行史 水戸百四銀行(p.105-109)
p.105「水戸市上市裡五軒町に設立」とあり番地は記載がありません。また,同ページに「創業時役員は頭取矢野達氏」との記述があります。
第三章 五十銀行の沿革 第一節 国立銀行時代 国立銀行の発祥(p.153-163)
p.154「一色初代頭取の下に」,「土浦町字川口九二番屋敷(現当行土浦東支店裏)に営業を開始」との記述があります。p.153に記載の発起人の1人に「一色範疇」がいます。
(3)『水戸市史 下巻1』(水戸市史編さん近現代専門部会/編 水戸市役所 1993)
※国立国会図書館デジタルコレクション図書館送信対象資料
第1章 維新変革と水戸 第5節 近代的金融制度の成立 第百四国立銀行(p.183-189)
p.183「水戸上市裡五軒町で資本金一二万円をもって設立」,「十二年末の役員は頭取が矢野達」との記述があります。
(4)『明治大正の水戸を行く』(前田 香径/著 いはらき新聞社 1959)
※国立国会図書館デジタルコレクション図書館送信対象資料
五軒町の巻(p.179-187)
p.183「志満津会館のあるところに水戸百四国立銀行が設立された」,「最初の頭取に矢野達が就任」との記述がありますが,番地の記載はありません。
(5)『明治初期の茨城』(山本 秋広/著 山本秋広 1967)
※国立国会図書館デジタルコレクション図書館送信対象資料
廃藩置県のあとに来るもの 国立銀行設立許可(p.326-333)
p.330 第百四銀行の初代頭取について,「もと水戸家の家老の尾﨑為貴が初代頭取に座った。」との記述があります。
(6)『古河市史 通史編』(古河市史編さん委員会/編集 古河市 1988)
※国立国会図書館デジタルコレクション図書館送信対象資料
第四編 近現代の古河 第1章 古河県から茨城県へ 第2節 明治政府の諸改革 三 士族授産事業 第百二十国立銀行(p.594-596)
p.595「旧藩士清水四兵衛が頭取となり」,「店舗を江戸町北側に置き開業した。」とあり番地は記載がありません。
(7)『古河市史 資料 近現代編』(古河市史編さん委員会/編集 古河市 1984)
※国立国会図書館デジタルコレクション図書館送信対象資料
産業・経済 四 産業・諸営業・金融(p.870-933)
p.916「二五七 第百二十国立銀行設立の布達(明治一一年一〇月)」に,「茨城県下古河江戸町七百九十番地ニ設立」とあります。
p.924-925「二六〇 第百二十銀行の沿革及び行舎新築(明治四四年七月)」に,「江戸町九百四十一番地に地を卜し、第百二十国立銀行と名称営業を開始す、此時に於ける頭取は清水四兵衛氏にして」との記述があります。
その他確認済資料
・『茨城県史 近現代編』(茨城県史編集委員会/監修 茨城県 1984)
・『茨城の明治維新』(佐々木 寛司/編著 文真堂 1999)
・『茨城の明治百年』(毎日新聞社水戸支局/編 毎日新聞社水戸支局 1968)
・『茨城の近代史』(塙 作楽・金原 左門/編著 東風出版 1974)
・『水戸の近代100年』(武井 邦夫/編集 茨城新聞社 1990)
・『茨城県の金融史といばらき時評』(金沢 忠夫/著 近代セールス社 2000)
・『茨城県の金融史とその周辺』(金沢 忠夫/著 近代セールス社 1996)
・『茨城県における銀行合併の特色』(金沢 忠夫/著 近代セールス社 1988)
・『常陽藝文 1995年07月01日号』(常陽藝文センター)
特集:茨城に四つの国立銀行が誕生 土浦、水戸、古河
- 回答プロセス
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(1) 県史・県史料の該当箇所,雑誌「常陽藝文」の特集号を確認
(2) 上記の参考文献にあがっている資料→『常陽銀行二十年史』『水戸市史 下巻1』『古河市史』(通史・資料)
(3) 郷土資料の金融史(L318),市町村史(L202),近代史(L208)の書架をブラウジング
- 事前調査事項
- NDC
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- 金融.銀行.信託 (338 9版)
- 関東地方 (213 9版)
- 参考資料
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茨城県史料 近代産業編2 茨城県史編さん近代史第2部会/編 茨城県
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001224983-00(当館請求記号:イ200/5/5-5-2) -
常陽銀行. 常陽銀行二十年史. 常陽銀行, 1955.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000952539-00(当館請求記号:イ318.6/10/1955) -
水戸市史 下巻1 水戸市史編さん近現代専門部会/編 水戸市役所
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I062997537-00(当館請求番号:イ202/ミト/3-1) -
前田香径 著 , 前田, 香径, 1893-1968. 明治大正の水戸を行く. いはらき新聞社, 1959.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001028466-00(当館請求記号:イ208/マエ/) -
山本 秋広(1893~)/著 , 山本 秋広 , 山本 秋広. 明治初期の茨城. 山本秋広, 1958-00.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I062475326-00(当館請求記号:イ208.2/ヤマ/) -
古河市史編さん委員会 編 , 古河市. 古河市史 通史編. 古河市, 1988.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001903223-00(当館請求記号:イ202/コガ/1) -
古河市史編さん委員会/編集 , 古河市史編さん委員会 , 古河市 , 小島 晋治 , 渡辺 武夫 , 岡村 実 , 千賀 忠夫 , 鎗水 柏翠 , 一柳 隆芳. 古河市史研究 第10号. 古河市, 1985-03.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I062821490-00(当館請求記号:イ202/コガ/10)
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茨城県史料 近代産業編2 茨城県史編さん近代史第2部会/編 茨城県
- キーワード
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- 国立銀行(コクリツ ギンコウ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- ※「その他確認済資料」には,国立銀行について記載のあった資料もあるが,番地の掲載がなかったことから,回答では詳細を記載せず。
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000276644