レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2025年8月1日
- 登録日時
- 2025/08/13 15:35
- 更新日時
- 2026/02/12 18:59
- 管理番号
- 県立長野-25-092
- 質問
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未解決
女優の山本安英(やまもとやすえ)と脚本家の木下順二が太平洋戦争中、長野県の蓼科に疎開していたらしいが、疎開先で地元の青年らと民話劇を上演したらしい。この時の記録が地元の地域資料として残っていないか。
- 回答
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山本安英、木下順二らの疎開先は旧諏訪郡笹原村(現・茅野市湖東)および旧諏訪郡北山村湯川区(現・茅野市北山湯川)付近であった可能性が高い(参考:レファレンス協同データベース 県立長野25-091)が、この地域の史誌類には青年会の活動の一つとして村芝居の上演が挙げられているのみで、山本らや疎開中の人物との交流については確認できなかった。
山本安英、木下順二らが疎開中に行った地元の青年らと行った民話劇についてはそれぞれの著作に次のようにある。
『女優という仕事』 山本安英著 岩波書店 1992【775/42】p.128-129「信州の疎開先で、祭りの演し物としてこの『二十二夜待ち』をやったんです。村の長老か青年団長が「おめえさま方は何かゲーをなさる方だっちゅうが……」と頼みにこられて(中略)疎開地にも集団疎開のようにいっしょに集まっていた若い人たちに、ばあさまと藤六とならず者の役をふって、あとの村人は青年団の人たちが何人出てもいいというかたちにしました。」
『木下順二集 3』木下順二著 岩波書店 1988【912.6/134/3】p.301「ある農村演劇―『二十二夜待ち』の思い出」
「戦争中、山の中にいたら、村の青年たちがやってきて、「一つ、へえ、芝居をおねげえ申してえ」といった。半月さきのお祭りに、何か芝居を見せてくれというのである。」
p.305「『二十二夜待ち』について」
「ある日部屋に坐っていると、村の人がきて、次の祭りに何かやってくれといった。安英さんをつかまえて、「おめえさまが、オヤブンのようだが」という交渉であった。そこで、当時書いて持っていった『二十二夜待ち』をやったわけだが、幕あきから何分かの十数人の農民の役を、ほんもののお百姓さんたちにやってもらうことにした。」
- 回答プロセス
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1. 事前調査資料を確認。
2. 山本らの疎開地について確認。諏訪郡笹原村(現・茅野市湖東)、諏訪郡北山村湯川区(現・茅野市北山湯川)が確認できたため、これらの地域に該当する史誌類を確認。(参考:レファレンス協同データベース 県立長野25-091)
3. 当館の蔵書検索システムで郷土資料に絞り、「笹原」「湯川」「青年会」「青年団」「演劇」「村芝居」などで検索。
4.当館契約の「信濃毎日新聞データベース」で「山本安英」「木下順二」「二十二夜」「演劇」「笹原」「湯川」などをキーワードに検索。ただし「信濃毎日新聞データベース」は1995年7月以前の記事は主要な見出しからのみの検索となる。
5. 長野県郷土分類法でN241(諏訪郡.諏訪市.岡谷市.茅野市)、N379(社会教育)、N770(演劇)の棚で調べる。
6. 当館に所蔵がない『湯川むら』湯川むら編纂委員会編 茅野市北山湯川区 1976、『茅野市の村芝居』茅野市教育委員会編・刊 1982の2点について、所蔵がある茅野市図書館に内容を照会したが、該当する内容は確認できなかったとのこと。7. 諏訪市博物館併設のすわ大昔情報センター収蔵資料『茅野市北山支所所蔵史料目録』についても内容を照会したが、同様に該当する内容は確認できなかったとのこと。
8. 茅野市八ヶ岳総合博物館に青年会の活動記録や山本安英らに関する記録等を収蔵していないか確認したが、『山本安英舞台写真集』木下順二、岡倉士朗編 未来社 1960に疎開中、下古田地区の小学校(分校)で撮影されたというキャプションの付いた写真のみ確認できたと回答を受けた。<調査資料>
図書
『村芝居』宇治正美著 銀河書房 1975【N049/35】
『蓼科山』小林泉著 芦田村他三 四村財産組合 1943【N222/20】
『立科町誌 歴史編(下)』立科町誌編纂委員会編 立科町誌刊行会 1997【N222/118/4】
『富士見町史 下巻』富士見町編 富士見町教育委員会 2005【N241/121/2】
『奥蓼科の歴史』北沢栄一著 草原社 1982【N241/156】
『南大塩の歩み』南大塩の歩み編集委員会編 南大塩区 1999【N241/157】
『写真で見るむかしの茅野市 八ヶ岳総合博物館30年のあゆみ』茅野市八ヶ岳総合博物館編・刊2018【N241/254】
『北山村勢要覧』諏訪郡北山村編 北山村 1954【N354.1/6】
『やまうら風土記』湯田坂正一著 長野日報社 1999【N382/108】
『続々 やまうら風土記』湯田坂正一著 長野日報社 2009【N382/108/3】
『諏訪北山民謡集 付・祭礼と農家の構造』小池安右衛門著 岡谷書店 1982【N388.9/32】
『信州舞台物語 団十郎も須磨子もやってきた』長野県立歴史館編集・刊 [2005]【N770/6】
p.64「信州の演劇と現代」に第二次世界大戦終戦間際に長野県に疎開してきた役者・劇団について解説があるが、山本安英らについて言及はない。
『茅野に残る舞台・舞屋の記録』サポートC編 2015【N771/2】
『木下順二集 2』木下順二著 岩波書店 1988【912.6/134/2】
『木下順二集 16』木下順二著 岩波書店 1989【912.6/134/16】
『演出者の仕事 : 岡倉士朗演劇論集』岡倉士朗著 未来社 1965
[国立国会図書館デジタルコレクション送信サービスで閲覧可 参照2025-07-24]
p.98(国立国会図書館デジタルコレクション67コマ目)に「木下さんは戦争中信州の一農村に疎開した。(中略)木下さんは村人と一しょに上演する中で」のみ言及がある。
雑誌
柳平啓明「豊平公園碑と村芝居-豊郷神社をみて-」『茅野』茅野市郷土研究会 第53号2001年3月
武居幸重「[丘麓湖盆]芝居」『茅野』茅野市郷土研究会 第60号2004年9月
「特集・山本安英追悼」『悲劇喜劇』 早川書房 第47巻2号1994年2月号 No.520
- 事前調査事項
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『女優という仕事』 山本安英著 岩波書店 1992【775/42】
『木下順二集 3』木下順二著 岩波書店 1988【912.6/134/3】
- NDC
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- 演劇 (770 10版)
- 戯曲 (912 10版)
- 社会教育 (379 10版)
- 参考資料
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山本安英 著. 女優という仕事. 岩波書店, 1992. (岩波新書)
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002234531 , ISBN 4-00-430258-7 -
江藤文夫 [ほか]編纂. 木下順二集 3. 岩波書店, 1988.
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001906580 , ISBN 4-00-091353-0
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山本安英 著. 女優という仕事. 岩波書店, 1992. (岩波新書)
- キーワード
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- 山本安英
- 木下順二
- 民話劇
- 農村演劇
- 村芝居
- 蓼科
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 学生
- 登録番号
- 1000373117