レファレンス事例詳細

関連記述があった以下の資料を紹介した。

1　「波賀町」を指しているとの推定が記載されている資料
『新編埼玉県史　通史編　2　中世』（埼玉県編　埼玉県　1988）
　p222「播磨国の中村氏」の項
　「秩父神社文書の一つづきの写の二か所に、播磨国山下政所で書いたという注記がある。この文書自体が播磨国で作成されたというのではなく、秩父神社造営から間もない頃、山下政所で一件書類をまとめて筆写したという意味であろう。（中略）中村氏の一族大河原氏が三方(みかたの)西(さい)（兵庫県波賀町）に居住していたことから、中村氏の惣領もまた三方荘にいたと推定される。」とあり。

『新編埼玉県史　別編　4　年表・系図』（埼玉県　1991）
　巻頭付属資料「新編埼玉県史だより」p7　「（前略）山下政所の所在を捜したが、現在波賀町農協の建っているあたりに、かつて土塁様のものがあったということで、その辺が政所跡であったかもしれない」とあり。

『河越氏の研究』（岡田清一編　名著出版　2003）
　p155「「播磨国山下政所」（波賀城麓の三方西荘政所と推定）」とあり。

『波賀町誌』（波賀町誌編集委員会編　波賀町（兵庫県）　1986）
　p646-647「五　波賀町年表」の項に「延慶元（1308）秩父社造営に関する文書、目録が播磨国山下政所にて作成される」とあり。

『秩父学入門　わが愛する風土へ』（高田誠〔ほか〕著　さきたま出版会　1984）
　p55「播磨国山下政所について、（中略）播磨国完粟郡三方西の地と考えると、山下は当然この地域に含まれると考えなければならない」とあり。

《国立国会図書館デジタルコレクション》『鎌倉幕府御家人制の展開過程』（七海雅人著　七海雅人　1999）
　p72「中村氏は、播磨国三方西庄の地頭職も保持しており、山下政所とは、その庄政所と考えられる」とあり。（https://dl.ndl.go.jp/pid/3177353　国立国会図書館）42コマ　国立国会図書館内/図書館・個人送信限定

2　「姫路市」を指しているとの推定が記載されている資料
『秩父大祭　歴史と信仰と』（千嶋寿著　埼玉新聞社　1981）
　p188　￥「（前略）これは目録の中味（書状類とその文面）を持っていた秩父の地頭が徳治三年（一三〇八）一月二十六日以前に播磨国（兵庫県）へ移住してしまっていたことを意味する。幕府の命令（？）によって播磨国の山下（姫路市）の地頭に任じられて移住したのであろう」とあり。

3　未詳と記載されている資料
『角川日本地名大辞典　28　兵庫県』（「角川日本地名大辞典」編纂委員会編纂　角川書店　1988）
　p1528「やました　山下」の項あり。
　「〔中世〕鎌倉期に見える地名。播磨国のうち。徳治３年正月26日の山下政所文書目録案によれば、武蔵国秩父社造営に関する文書目録が「播磨国山下政所」で作成されている（秩父神社文書／新編埼玉県史資料編５）。元亨4年10月日【原文ママ】の秩父社造営料木注文案も山下政所で作成されている（同前）。比定地未詳。」とあり。