レファレンス事例詳細

豊田文三郎の経歴について書かれたものとして、次の資料がある。

■『東区史　第5巻　人物篇』（大阪市東区法円坂町外百五十七箇町区会/編纂　大阪市東区役所　1939.12）
p.847-850に「豊田文三郎」の項があり、生没年月日（「嘉永六年七月二十二日」～「明治二十九年八月七日」）等のほか、経歴について記載されている。
「愛珠幼稚園は彼の発案によりて創立せられたもので、創立委員並に監事として尽力した。」（p.849）
「衛生会員となり、次いで大阪市会議員に選ばれ、後大阪市会第二代の議長に当選、更に選ばれて衆議院議員となること再度」（p.849）
「大阪商品陳列所商議員として貿易の助成に尽力し（中略）「関西日報」を創刊経営して大阪文化に貢献した功績も大きい。（中略）私立教育会・私立衛生会等の創設にも力を致した。」（p.849-850）

■『大阪人物辞典』（三善貞司/編　清文堂出版　2000.11）
p.792に「豊田文三郎」の項がある。

■『大阪府人物・人材情報リスト　2021第1巻』（日外アソシエーツ株式会社/編集　日外アソシエーツ(制作)　2020.10）
p.45に「豊田文三郎」の項がある。

まとまったものではないが、経歴に関係する記述、また豊田文三郎の写真が掲載されているものとして次の資料がある。

■『大阪府会史　第1編』（大阪府会/[編]　大阪府内務部　1933）
明治33年刊の写真縮写印刷。
「第二章　府会議員ニ関スル事項　第三款　議員在職年数」の表に文三郎の記載がある。
「［当選及退職年月］明治十五年五月補欠当選、引続改選毎ニ当選、二十三年七月衆議院議員ニ当選ノ為辞任　［在任年数］八年三ヶ月　［住所族籍］高麗橋三丁目平民　［氏名］豊田文三郎」（p.24）

■『大阪市会史　第1巻』（大阪市参事会/[編]　大阪市役所　1910）
「第1章　明治22年ノ市会　第1節　市会ノ開設」に開設当初の議員一覧があり、「東区」に「豊田文三郎」の名がある。
「第2章　明治23年ノ市会　第1節　2月10日ノ市会」に「議長及議長代理ノ選挙」の項があり、文三郎が得票14票で議長に選出されたとの記載がある（p.309-310）。

■『愛珠幼稚園百年史』（大阪市立愛珠幼稚園百周年記念事業委員会/編　大阪市立愛珠幼稚園百周年記念事業委員会　1980.6）
p.34「創立の事情」の項に、文三郎を含む4名の「開設委員」の写真が掲載されている。
藪内吉彦「愛珠幼稚園創立の事情とその歴史的意義」（p.105-113）にも「創立にさいしての最大の功労者であり創立当時の幼稚園監事（園長が置かれるのは大阪市が発足し幼稚園規則が施行された明治22年10月以降である）である滝山、豊田両氏の簡単な紹介」として「豊田文三郎」の経歴が記載されている。（p.106-107）

■『大阪電灯株式会社沿革史』（大阪電灯/[編]　大阪電灯　1925.2）
明治20年11月28日付「大阪電燈会社設立願」（p.2-5）の発起人に「同［大阪］東区高麗橋三丁目拾六番地　豊田文三郎」の署名がある（口絵p.1、本文p.3）。
また、口絵p.18には「元取締役　豊田文三郎氏」と見出しの付いた写真が掲載されている。

また、次の資料では、「2代」文三郎に関する記載の中に、「初代」について触れた箇所がある。

■『大阪人名資料事典　第1巻　関西人名資料シリーズ　大阪現代人名辞書』（日本図書センター　2003.5）
文明社　大正2年刊の復刻。
p.214-215に「豊田文三郎」の項がある。「明治八年三月二十六日を以て大阪高麗橋に生る。故文三郎の長男にして幼名を善平といひ、明治二十九年九月家督を相続して文三郎を襲名す」とあり、この項は文三郎の長男についての記載であることがわかる。
「初代」については、「先代文三郎は大阪糸物商界第一流の人望家なりき。」との記述がある。

［事例作成日：2021年2月12日］