レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020年12月18日
- 登録日時
- 2021/03/17 14:34
- 更新日時
- 2022/05/25 13:10
- 管理番号
- 0000110889
- 質問
-
未解決
幕末長州藩の諸隊の隊士の中に、「百合熊」「金槌」など、「熊」や「槌」を使った名前が多くみられる。その理由が分かる資料があるか。
- 回答
-
隊士の名前に「熊」や「槌」の漢字が多く使用されている理由が分かる資料は見つからなかった。
下記資料1に日本最古の戸籍のひとつである大宝2年(702年)「御野国味蜂間郡春日部里大宝弐年戸籍」の中に「大羆(おおくま)」という人名が確認できるとの記述あり。その時代から人名に動物名が使用されていたことが分かる。
また、資料2p177に大和時代の男性の人名に動物の名前が多いことが書かれている。
ここで例として紹介されているのは、蘇我氏3代の実名にそれぞれ、馬子に「馬」、蝦夷に「海老」、入鹿に「海豚」のように動物名が使用されていることや、巨勢猿臣(こせのさるおみ)に「猿」、宍人臣雁(ししびとのおみかり)に「雁」が使用されていることが挙げられている。
このような名づけは、動物の持つ生命力への憧憬や、動物の精気を我が物にしたいという願いから行われていたとの記述あり。
動物の名前を人名に用いることについては資料3のp62にもほぼ同様の記述が確認できた。
その他、下記資料を確認したが、名前に「槌」の漢字が使用されることや、幕末長州の隊士の名前に関連するような記述は見つからなかった。
渡辺三男 著『苗字・名前・家紋の基礎知識』(新人物往来社,1994.3)
佐久間英 著『お名前風土記』(読売新聞社,1975)
黒木三郎 [ほか]編『家の名・族の名・人の名』(三省堂,1988.9)
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 伝記 (280 9版)
- 参考資料
-
-
1.奥富敬之 著 , 奥富, 敬之, 1936-2008. 苗字と名前を知る事典. 東京堂出版, 2007.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000008435908-00 , ISBN 9784490107036 (p216) -
2.奥富敬之 著 , 奥富, 敬之, 1936-2008. 日本人の名前の歴史. 新人物往来社, 1999.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002822697-00 , ISBN 4404028172 (p177) -
3.大藤修 著 , 大藤, 修, 1948-. 日本人の姓・苗字・名前 : 人名に刻まれた歴史. 吉川弘文館, 2012. (歴史文化ライブラリー ; 353)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I023929320-00 , ISBN 9784642057530 (p62)
-
1.奥富敬之 著 , 奥富, 敬之, 1936-2008. 苗字と名前を知る事典. 東京堂出版, 2007.
- キーワード
-
- 人名
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土 人物
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000295326