レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022年4月9日
- 登録日時
- 2022/05/10 14:43
- 更新日時
- 2022/05/20 20:25
- 管理番号
- 県立長野-22-015
- 質問
-
未解決
明治11年5月に千曲川の難所を巡視するため、当県を訪れたというアンリードメリルについて書かれた資料はあるか。地域史料に長野県からの「達」の写しがある。
- 回答
-
当館所蔵の下記資料を調べたが、明治11年5月に当県を訪れたという、アンリードメリルについて書かれた資料は確認できなかった。
なお、『長野県史 近代史料編 第7巻 交通・通信』 長野県編 長野県史刊行会 【N209/11-1/7】の
p.716-717 521「明治十一年六月 内務卿宛県権令千曲川開鑿場所測量につき官員派遣方等伺」に、アンレートメルク氏という記述がみられ、問い合わせの人物と思われる。
(-前略-)神奈川県下横浜港今村松五郎成モノト約定シ、同人ヨリ仏国人同港寄留地百三十拾七番
館アンレートメルク氏相雇、実地ニ望ミ監視候処果シテ成巧可相成見込ヲ以測量之儀出願セリ(-後
略-)
とあるように、土木測量関係の技師もしくは、河川改修にかかわる技師かもしれないが、詳細は不明。
長野県立歴史館へも照会したが、関係資料は得られなかった。
- 回答プロセス
-
1 明治11年に来県とあることから、信濃毎日新聞データベースで「アンリードメリル」「外国人」などで検索するがヒットしない。当時、外国人名について表記が現在と異なることも多いと思われたので、「アンリ」もしくは「ヘンリ」、「メリル」などを個々に検索するがヒットしない。
2 明治11年4月25日-6月5日(収録されていた日: 4/25,28,5/1,4,7,10,13,19,22,25,28,6/1,4)の新聞記事の紙面をすべて見ていく。「アンリードメリル」もしくはそれに近い外国人の記事はない。
3 明治初期にお雇い外国人が多く来日していたことから、『資料 御雇外国人』『幕末明治人物研究文献目録』 などを見る。
4 『お雇い外国人 概説』などの参考文献から、政府だけでなく、府県や私的に雇用する外国人がいたことがわかった。これらの参考文献を所蔵資料、国立国会図書館デジタルコレクションなどを活用して確認する。
5 県からの「達」かあったとのことから、長野県報で明治11年5月を中心に布達を調べる。当館所蔵分には、当該資料はない。
6 千曲川の難所見分とのことから、技師と思われたので、千曲川の歴史に関する資料(郷土分類N517)を調べる。
7 利用者に地域を問い合わせ、千曲川下流域とわかる。当該地域だけでなく、その付近も立ち寄っている可能性があるので、県史を含め市町村史誌を調査する。
8 長野県立歴史館に明治期の行政文書を照会するが、関係資料はないとのこと。
<調査資料>
・『資料 御雇外国人』 ユネスコ東アジア文化研究センター編 小学館 1975【210.6/ユネ】
・『幕末明治人物研究文献目録』 日外アソシエーツ編・刊 2010 【281.03/ニチ】
・『お雇い外国人 概説』 梅渓昇著 鹿島研究所出版会 1968 【210.6/132/1】
p.224-227「府県御雇外国人姓名一覧」
p.228-236「公私傭入外国人明細表1 明治7年7月-8年6月」
p.236-253「公私傭入外国人明細表2 明治8年7月-9年6月」
・『お雇い外国人 建築・土木』 梅渓昇著 鹿島出版会 1976 【210.6/132/15】
・「明治文化関係欧米人名録」
『お雇い外国人 地方文化』重久篤太郎著 鹿島出版会 1976 【210.6/132/14】p.214-261
・「明治文化に寄與せる歐米外人の略歴 総覧表」『明治文化発祥記念誌』大日本文明協会編・刊 1924
p.3-30(国立国会図書館デジタルコレクション インターネット公開)
・「来日外人一覧表」『近代日本産業技術の西欧化』三枝博音[ほか]著 東洋経済新報社 1960
p.275 (146コマ)(国立国会図書館デジタルコレクション 参加館公開)
・『明治以後本邦土木と外人』 中村孫一編 土木学会 1942 【510/6】
・『経済主体性講座 第6巻』 有沢広已[ほか]編 中央公論社 1960 【330.8/9/6】
・『日本経済史辞典 下巻』 経済史研究会編 日本評論社 1954 【332.1/19/2】
・『明治文化全集 第16巻』 吉野作造編 日本評論社 1928 【081/20/16】
・『下水内郡誌』 明治文献 1974
(下水内郡教育会編・刊 1915の復刻)(日本郡誌史料集成 中部地方)【N211/1】
・『長野県史 通史編 第7巻 近代1』 長野県編 長野県史刊行会 1988【N209/11-4/7】
・『栄村史 水内編』 栄村史水内編編集委員会著 栄村 1960 【N211/13/1】
・『栄村誌 歴史編』 栄村誌編纂委員会著 栄村 2022 【N211/91/1】
・『村史ときわ』 宝月圭吾編 常盤村史刊行委員会 1968 【N211/21】
・『歴史の道調査報告書31 千曲川』 長野県教育委員会編
長野県文化財保護協会 1992(長野県教育委員会編・刊 1991の復刊) 【591.52/ナガ】
・『千曲川の今昔』
国土交通省北陸地方整備局千曲川工事事務所監修 北陸建設弘済会 2001 【N517/166】
・『信濃の巨流 千曲川』 建設省北陸地方建設局千曲川工事事務所 1993 【N517/106】
・『長野県行政文書目録 行政簿冊1 明治・大正編』 長野県立歴史館編・刊 1994 【N317/183/1】
・『中野市誌 歴史編(後編)』 中野市誌編纂委員会 中野市 1981 【N213/59/3】
・『長野県史通史編 第8巻近代2』 長野県編 長野県史刊行会 1989 【N209/11-4/8】
・『長野市誌 第5巻 歴史編近代1』 長野市誌編さん委員会編 長野市 1997【N212/318/5】
・『豊野町誌 2豊野町の歴史』 豊野町誌刊行委員会編・刊 2000 【N212/18a/2】
・『須坂市史』 須坂市史編纂委員会編 須坂市 1981 【N214/50】
・『須坂市誌 第5巻』 須坂市誌編さん室 須坂市 2016 【N214/119/5】
・『豊田村誌』 江口善次著 豊田村誌刊行会 1963 【N211/19】
・『飯山市誌歴史編 下』飯山市誌編纂専門委員会 飯山市誌編纂委員会1995 【N211/48/2-2】
・『長野県報』明治10年4月から12年4月(欠:多数)
・「信濃毎日新聞データベース」 明治11年(1878年)4月25日-6月5日
(収録されていた日: 4/25, 28, 5/1, 4, 7, 10, 13, 19, 22, 25, 28, 6/1, 4)
- 事前調査事項
- NDC
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- 伝記 (280 10版)
- 日本史 (210 10版)
- 中部地方 (215 10版)
- 参考資料
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長野県/編集 , 長野県. 長野県史 近代史料編 第7巻. 長野県史刊行会, 1981.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I005949779-00 (『』 長野県編 長野県史刊行会 【N209/11-1/7】)
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長野県/編集 , 長野県. 長野県史 近代史料編 第7巻. 長野県史刊行会, 1981.
- キーワード
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- アンリードメリル
- お雇い外国人
- 歴史--明治時代
- 長野県
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土 人物
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000316055