当館の所蔵資料をお調べしましたが、「栃木県電柱商組合」に関する詳細な資料は確認できませんでした。栃木県における電柱材生産については、複数の資料より関連する記述が確認できました。
■栃木県電柱商組合について
・『栃木県木材史』(徳田浩淳/著 栃木県木材業協同組合連合会 1976)
p.202「前編 本県木材業の歩み 明治大正期の木材業概観 栃木県木材業組合連合会の動向」に「栃木県電柱商組合」の項があり、「昭和十六年三月、鹿沼に『栃木県電柱商組合』が組織された。」とあります。組織について、組合加入金や年間組合費等の記述はありますが、「詳細は資料不足で判明しない。」とあります。
■栃木県における電柱材生産について
・『鹿沼市史 後編』(鹿沼市史編さん委員会/編 鹿沼市役所 1968)
p.558-559「第三編 近代 第四章 産業経済の発展 四 近代産業の展開」の「4 電力事業(日光電力)」の項に、電力事業によって電柱の需要が増加したと記述があります。
また、同章「7 木工業 (1)木材」(p.569-578)の項に、電柱材に関する記述があり、「鹿沼市場年表」(p.572)、「鹿沼木材市場の構造 原木・製品のバランス推計 (昭和二八年度)」(p.573)からは生産量等を確認できます。
・『鹿沼市史 通史編 近現代』(鹿沼市史編さん委員会/編 鹿沼市 2006)
p.383-386「第3部 鹿沼の社会変動 第2章 大戦景気と鹿沼の産業 第3節 木の町鹿沼の発展」の「木材」の項に、簡易ですが、鹿沼の丸太材が電柱(電信柱)に利用されたと記述されており、大正期のものと思われる「360 電柱に薬剤を注入している風景」写真が掲載されています。
・『目で見る日光・今市・鹿沼の100年』(沼尾正彦/ほか編集 郷土出版社 1995)
p.24「明治時代 三、産業の発達 豊かな自然の恵み 電柱材に薬剤注入(明治~大正・鹿沼)」に、上記『鹿沼市史 通史編 近現代』(鹿沼市史編さん委員会/編 鹿沼市 2006)と同じ写真が掲載されています。
・『鹿沼の木材木工四百年史』(白石邦男/著、発行 2009)
p.84-86「第三章 明治時代」に「電気 電信柱」の項があります。南摩出身の小久保六郎が日光電力を創立し、小久保六郎の影響等から鹿沼が自然と電信柱の供給地となったと記述されています。
・『いまいち市史 通史編 6』(今市市史編さん委員会/編 今市市 2005)
p.127-130「第三章 今市の大正・昭和 第二節 好況から不況・戦時統制へ 三 商工業と今市銀行」の「今市町の商店」の項にある「3-36 昭和7年の今市町の会社」(注 「昭和七年調査 今市郷土地誌」(『今市市旧町村郷土誌』)より作成。」の表に、電柱材の販売の会社名が掲載されています。
また、同章「製材・木工業」(p.137-139)項の記述の中に「小来川で切り出された電柱用杉材」とあります。
・『栃木縣史 第9巻(産業編)』(田代善吉/著 臨川書店 1972)
p.444-453「第四二章 林業」の項に、上都賀の一部からは電柱材の産出もあると記述されています。
・『日本地誌 第5巻』(日本地誌研究所/編 二宮書店 1981)
p.531-532「栃木県内地域誌 3.在来工業と近代工業の競合と併存 (1) 在来工業とその特質 (b) 鹿沼市の木材工業」の「製材工業」の項に、電力会社の創立により大量の電柱が必要となり、製材業の発展に拍車をかけたとの記述があります。
以下の資料に、栃木県内における丸太材の規格から「電柱材」の項目が確認できました。
・『下野山林会報 第34號』(下野山林会/編、発行 1931)
p.9-17「栃木縣地方の材木規格に就いて(承前)」(一葉生)の「(第三表)丸太材規格」(p.11-12)に記述があります。
・『栃木県林政史 下巻』(栃木県林務部/編 栃木県 1968)
p.68-71「第2編 昭和(終戦まで)時代 第1章 民有林業の指導奨励 第3節 林業および関連産業の調査・指導 第2款 丸太材および竹材の規格調査」の「(1)丸太材規格」の項に記述があります。
以下の資料はお調べしましたが、関連する記述は確認できませんでした。
・『栃木県林政史 上巻』(栃木県林務部/編 栃木県 1957)
・『栃木県史研究 6』(栃木県史編さん専門委員会/編 栃木県教育委員会 1973)
・『木材辞典』(京都大学木材研究所/編 創元社 1956)
・『電柱マニア』(須賀亮行/著,オーム社/編 オーム社 2020)