レファレンス事例詳細

１　質問の「吉祥寺〇〇番」という番号について、その番号が住所の場合、「吉祥寺〇番地」が当時の正式な表記であり、「吉祥寺（局）〇番」という電話番号の可能性もあるため、住所、電話番号両方の観点から調査を行う。

【住所の場合】
２　『住居表示新旧対照表』（武蔵野市,1971）で旧番地から現在（住居表示実施後）の住所を確認する。旧番地に対比する現在の住所は「吉祥寺東町（きちじょうじひがしちょう）４丁目16番（以下略）付近であるが、当館所蔵の『武蔵野市火災保険特殊地図－戦後－』（昭和24年、保険加入者の住宅地図）、『東京府北多摩郡武蔵野町全図』（昭和６年、住所番地のみ記載）では、東京朝日新聞吉祥寺直配所がその住所に存在したかどうかは確認することができなかった。

【電話番号の場合】
３　当時の電話帳を調べる。
国立国会図書館＞リサーチナビ＞資料の種類から調べる＞電話帳　にて、電話帳の調べ方が紹介されている。
https://rnavi.ndl.go.jp/jp/telephone/theme_honbun_102067.html#denden


４　上記サイトの「1-3.　1960年代半ば以前の電話帳」の項に「国立国会図書館で閲覧可能な1960年代半ば以前の主な電話帳リスト」が掲載されている。
https://rnavi.ndl.go.jp/jp/TELnumber_List_before1960_.pdf

また、国立国会図書館デジタルコレクションで閲覧可能な電話帳の検索方法（「詳細検索」のページで、NDC分類に「690」や「696」を入力し、タイトルに「電話」などの語を入れて検索する）も紹介されている。

５　今回は利用者が検索しやすいということで、電話帳リストを案内する。リスト中に質問の年代に合致する1935（昭和10）年発行の『職業別電話名簿　第25版』がインターネット(デジタルコレクション）で一般公開されているため、これを紹介する。
リストの資料名をクリックするとインターネットにて該当資料を閲覧可能。
https://dl.ndl.go.jp/pid/1112313/1/1

６　デジタルコレクションの全文検索機能にて、「吉祥寺直配所」と検索したところ、掲載ページが見つかる。
「東京　し【新聞業】」の項に東京府内の東京朝日新聞直配所が掲載されており、吉祥寺直配所の名と電話番号（吉祥寺〇〇〇）、住所（北多摩、武蔵野、吉祥寺２●●●）の記載あり。
質問中の番号は電話番号の一部であると分かり、正確な住所も確認することができた。

７　『武蔵野市火災保険特殊地図－戦後ー』にて住所索引から該当の地図ページを確認したところ、「朝日新聞直配所」が見つかる。
近くには大きな寺、月窓寺（げっそうじ）※現在もあり）、東京女子体操音楽学校（当時）があった。

８　『住居表示新旧対照表』にて、旧住所吉祥寺２●●●番地は、現在の住所では吉祥寺本町１丁目11番〇～△号と確認する。

９　『ゼンリン住宅地図東京都武蔵野市』（ゼンリン,2022）で火災保険特殊地図と現在の住宅地図とを対比して、該当住所を確認する。