レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022/01/28
- 登録日時
- 2022/02/10 00:30
- 更新日時
- 2022/02/10 00:30
- 管理番号
- 6001054611
- 質問
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解決
井上真改は「大坂正宗」と称されていたそうだが、資料で確認したい。
- 回答
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次の資料に記載がありました。
■『井上真改大鑑』(中島新一郎,飯田一雄/著 刀剣春秋新聞社 1978.10)
「井上真改の略伝」の中に、「津田助広と並んで名匠の誉が高く、”大坂正宗”と世人から尊称されてきている。刀剣書にその称が最初に記されたのが『新刀銘尽』(享保六年刊)である。」とあります。
※『新刀銘尽』は所蔵がなく確認できていません。
■『大阪人物辞典』(三善貞司/編 清文堂出版 2000.11)
p.110-111「井上真改」の項に、「大坂新刀を代表する刀剣師」とあり、「晩年の井上真改の業は、ますます冴えて神技に近く、世の人々は『大坂正宗』と称えた。」(p.111)と記載があります。
■『大阪人物誌 正編』(石田誠太郎/著 臨川書店 1974)
「井上眞改」(p.35-36)の項に、「井上氏、初名は国貞(或曰初名は良明)、後眞改と改む、(中略)浪華御小人町に住するを以て世に大阪正宗と称せらる実に慶長以後の第一人者として人争ふて之を重宝するに至る人と為り」とあります。(p.35)
また、碑文も掲載されており、「井上和泉守國貞、姓藤原、後號眞改(中略)世称大阪正宗(後略)」とあります。(p.35)
■『大坂金石史』(木崎愛吉/編 好尚会出版部 1922)
「(八八)高津 重願寺、井上眞改断碑」(p.301-303)に碑文が掲載されており、碑文の中に「世称大阪正宗」とあります。(p.302)
また、碑文の掲載の後に「國貞の養子二代國貞は『大坂正宗』の名を博した。井上和泉守國貞と銘を打ち、寛文十二年、『井上眞改』と改称したのである。」と説明があります。(p.303)
■『刀剣の精美:乱世の名刀と大坂新刀』(高槻市立しろあと歴史館/編集 高槻市立しろあと歴史館 2016.10)
「第3章 大坂新刀」(p.45-64)に「二代和泉守国貞〔後の井上真改〕」の項があります。
「鎌倉時代の名工・正宗を手本とした、沸を主体とする力強い作風で、『大坂正宗』と称賛されました。同時期に活躍した二代助広と共に、大坂新刀の双璧に挙げられています。」とあります。(p.48)
■『日本刀鑑定法 下』(本阿弥光博/著 雄山閣 1974)
「新刀編 畿内 摂津国(大阪府)」(p.23-63)に「井上真改」の項があります。(p.32-35)
また、「真改は大阪新刀を津田助広とともに代表する名工とされ、世の賞揚が厚いことはいうまでもない」(p.33)とあります。また、『宮崎県嘉蹟誌』という資料からの引用も記載されています。
■『宮崎県嘉績誌 みやざき21世紀文庫』(宮崎県/原著・編 鉱脈社 1999.6)
「第七章 群芳余芬 第九節 剣工」に「井上真改」の項(p.338-339)があり、次の記載があります。
「当時の刀工其の右に出ずる者なし。時人呼んで大阪正宗と称す。」(p.339)
〔事例作成日:2022年1月28日〕
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 金工芸 (756 10版)
- 参考資料
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- 井上真改大鑑 中島新一郎,飯田一雄著 刀剣春秋新聞社 1978.10
- 大阪人物辞典 三善/貞司∥編 清文堂出版 2000.11 (110-111)
- 大阪人物誌 正編 石田/誠太郎∥著 臨川書店 1974 (35)
- 大坂金石史 木崎/愛吉∥編 好尚会出版部 1922 (301-303)
- 刀剣の精美 高槻市立しろあと歴史館‖編集 高槻市立しろあと歴史館 2016.10 (48)
- 日本刀鑑定法 下 本阿弥/光博∥著 雄山閣 1974 (33)
- 宮崎県嘉績誌 宮崎県∥原著・編 鉱脈社 1999.6 (338-339)
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 大阪,人物・団体
- 質問者区分
- 業務
- 登録番号
- 1000311976