レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011/08/05
- 登録日時
- 2011/08/06 02:00
- 更新日時
- 2011/12/07 09:40
- 提供館
- 宮城県図書館 (2110032)
- 管理番号
- MYG-REF-110007
- 質問
-
未解決
『白バラの匂う夕べは』(あるいは『白バラは雨にぬれて』)という曲について次のことを知りたい。
1.原曲についての詩の意味と,鎮魂歌かどうか。
2.日本語の訳詞の制作時期とその経緯,作詞者・高橋信夫について。
- 回答
-
1.原曲について
資料1『賛美歌・聖歌ものがたり』(大塚野百合 創元社 1995)
pp.30-31 「「楽しめよ」と多くの賛美歌曲」の項に,以下の記載があります。
「彼の歌で最も有名なものは,「年たつ今朝」の原曲「楽しめよ(Freut euch des Lebens)」です。(中略)現在では,高橋信夫作詞の「白ばらの匂う夕べは」という歌詞で歌われています。」
(1)原曲の詩の意味について
資料1 p.30 「「楽しめよ」と多くの賛美歌曲」の項に,以下の掲載があります。
「「楽しめよ,若き生命(いのち),薔薇を摘め,咲く今!」これは友愛の歌で,人生の旅路にはいろいろ悩みもあるが,友と真実な交わりをもつとき,涙は乾き,闇夜は真昼になり,ともに天国へと旅することができる,友情は最高の絆であると歌っている(門馬直衛編『世界民謡全集』第五巻,音楽之友社)。」
(2)「鎮魂歌かどうか」について
資料1,資料2を調査しましたが,鎮魂歌であるという記述はありませんでした。
ただし,賛美歌曲であるという下記の記述がありました。
資料1 pp.28-29 「ネーゲリの「年たつ今朝」の項
「(前略)昭和三年(一九二八)発行の『日曜学校賛美歌』に採録されている同じ曲は,「なにをかささげん(What Shall We Render)」という歌詞がついています。」
資料2 一橋大学機関リポジトリ HERMES-IR 櫻井雅人. 「唱歌集の中の外国曲:『小学校唱歌集』を中心として(2)」. 『言語文化』, 42, 2005年, pp.3-13. 『第二編』収録曲の原曲 第36「年たつけさ」の項
http://hermes-ir.lib.hit-u.ac.jp/rs/bitstream/10086/15504/1/gengo0004200030.pdf (最終アクセス日2011/07/19)
「「年たつけさ」は『ナショナル・ミュージック・チャート』(17)の"The Rising Sun"(歌詞2連)が出典で,元は"Sunrise"という題であった(18)歌詞("See where therising sun")は宗教的ではないが,賛美歌集(19)にもある。明治時代の英語歌集(20)に"See Where the Rising Sun"と"Life Let Us Cherish"の両方が収録された。賛美敬"What Shall We Render" (作詞E.Parson,1840)の曲(21)でもあり,日本では「なにをかささげん」 (『日曜学校讃美歌』 1928)となった(22)」
2.日本語の訳詞の制作時期とその経緯,作詞者・高橋信夫について
(1)原曲が高橋信夫作詞「白ばらの匂う夕べは」として歌われるようになった経緯について
当館所蔵の下記資料を確認しましたが,掲載はありませんでした。
資料3『童謡唱歌名曲全集 第7巻』(田村虎蔵ほか 名著出版 1989)
参考までに,国立国会図書館に以下の所蔵がありました。ただし,日本語の歌詞が作られた時期と成立の経緯についての記載があるかは未調査です。
資料4『白薔薇の匂ふ夕は』(関根和江 豊津町 2000)
資料5『世界の歌を美しい日本語で』(日本訳詩家協会創立45周年記念出版委員会 長田暁二 日本訳詩家協会 2007)
(2)作詞者・高橋信夫について
下記資料を確認しましたが,「高橋信夫」の項目は掲載はありませんでした。
資料6『音楽家人名事典』(日外アソシエーツ 2001)
資料7『福岡県百科事典』(西日本新聞社 1982)
参考までに,福岡県立図書館に,以下の所蔵がありました。ただし,内容については未調査です。
資料8『高橋信夫の生涯』(小正路淑泰 1998)
- 回答プロセス
- 事前調査事項
-
音楽大事典四巻 平凡社
新訂 音楽辞典ト~ワ 音楽之友社
ネーゲリについての簡単な説明はありましたが,曲についての詳しい情報はありませんでした。
- NDC
-
- 音楽 (760 9版)
- 参考資料
- キーワード
-
- 讃美歌
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 人物
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000089690