レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2024年07月08日
- 登録日時
- 2024/07/25 12:36
- 更新日時
- 2024/08/19 13:45
- 管理番号
- 2460
- 質問
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解決
①今川氏の領国であった(1550年代前後のおよそ10数年間)三河を通行した紀行文の作者と紀行文名を知りたい。
②紀行文から分かる交通関係(コース・運搬など)を知りたい。
- 回答
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①の回答
→・宗牧「東国紀行」(1544年)
・大村家盛「参詣道中日記」(1553年)
・山科言継「言継卿記」(1553年、1556年、1557年)
・紹巴「紹巴富士見道記」(1567年)
②の回答
→①で用いた資料を参考に、読み解くのは自身でお願いする
- 回答プロセス
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1.『新編日本古典文学全集;48中世日記紀行集』(918/シヨ/48)(小学館)
→p609-610解説より1544年「東国紀行」(宗牧)、1567「富士見道記」(紹巴)があるとわかる。
『 新日本古典文学大系;51中世日記紀行集』(918/イワ/51)(岩波書店)
→p520解説より、同じく「東国紀行」「富士見道記」があるとわかる。
2.『日本の古典名著総解説』(028/ジユ)(自由国民社)
→p192「東国紀行」の項より『群書類従』に本文があるとわかる。
3.『新校羣書類従;15巻』(031/15/15)(内外書籍,S4)
→p268-293に「東国紀行」本文あり。
4.業務システムにて「東国紀行」で検索
→『日本文化研究における歴史と文学』(210.0/ヤナ/)にp47-73「『東国紀行』にみる戦国時代の交通・宿泊事情」あり
5.業務システムにて「富士見道記」で検索
→『中世日記紀行文学全評釈集成;第7巻』に原文があるとわかるが所蔵なし。
『紹巴富士見道記の世界』は歴史博物館に所蔵あり。
6.Web検索bingにて「山科言継 紀行文 三河」で検索
→愛知教育大学学術情報リポジトリに「戦国期東西交通における智多と尾張」(松島周一)あり。p15に同時代の紀行文の一覧あり。また、『富士見道記』以外は『愛知県史;資料編十』に掲載予定と記載あり。
7.『愛知県史;資料編10』(A/201/アイ/シリ-10)を確認。
・宗牧「東国紀行」(1544年)p623-631
・大村家盛「参詣道中日記」(1553年)p765-767
・山科言継「言継卿記」(1553年)p768、(1556年)p824-825、(1557年)p832-835
8.安城市周辺の本を探すWeb検索「ケンサーチ」にて、「富士見道記」で検索
→「群書類従;第18巻」がヒット。群書類従に原文があるとわかる。
→『新校羣書類従;15巻』(031/15/15)p255-267に「紹巴富士見道記」本文あり。
9.デジコレにてキーワード「公家山科言継 紀行 三河」で検索
→24件ヒット
・『立正大学國語國文(12)』に飛鳥井雅康の『富士歴覧記』について記載あり。「明応八年(一四九九)五月に富士見物の旅に出かけている」とあり、三河の記載もあるが、年代が離れている。
10.所蔵資料の中から、三河地方の市史及び愛知県史の中世資料編、三河地方の歴史研究資料をブラウジング。
・『新編安城市史 5』(A234.5/アン/A)p.565「弘治三年(1557)三月 山科言継、駿河国からの帰途、岡崎・大浜に泊まる。」の記載と
『言継卿記』の一部抜粋あり。
・『新編知立市史 3-2』(A234.3/チリ/3)p.153「天文十三年(1544)閏十一月 宗牧が伊勢湾より尾張国に渡り、十二月まで三河国の
各地で連歌会を興行する。」の記載と『東国紀行』の一部抜粋あり。
・『新編知立市史 3-2』(A234.3/チリ/3)p.177「永禄十年(1567)二月二十七日 連歌師里村紹巴が富士見物の途次、三河国八橋に
立ち寄る。」の記載と『紹巴富士見道記』の一部抜粋あり。
・『新編西尾市史 資料編2』(A235.1/シン/シリ-2)p.534「天文十三年(1544)閏十一月十二日 宗牧、尾張国知多郡より船で三河国大
浜に到り、称名寺に泊まる。翌日、鷲塚を経て岡崎に到る。」の記載と『東国紀行』の一部抜粋あり。
・『新編西尾市史 資料編2』(A235.1/シン/シリ-2)p.551「弘治三年(1557)三月十四日 山科言嗣、駿河から京都に帰る途中、岡崎を出て矢作川を舟で渡り、吉良を経て入海を渡り、鷲塚に着き、進んで大浜に到る。」の記載と『言継卿記』の一部抜粋あり。
・『新修豊田市史 6』(A232.4/シン/6)p.214「弘治三年(1557)一月五日 大給松平親乗が、駿河の新光明寺において山科言継と同居
する。」の記載と『言継卿記』の一部抜粋あり。
p.251「永禄十一年(1568)十月十日 大給松平親乗が上洛して誓願寺に寄宿し、山科言継と会う。」の記載と『言継卿記』の一部抜粋あり。
- 事前調査事項
- NDC
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- 作品集 (918 9版)
- 選定図書目録.参考図書目録 (028 9版)
- 日本語 (031 9版)
- 参考資料
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新編日本古典文学全集 48 (中世日記紀行集). 小学館, 1994.
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002398707 , ISBN 4-09-658048-1 -
日本の古典名著・総解説 : 日本人の知の足跡を集大成、名著早わかり事典 改訂版. 自由国民社, 1991.
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002143198 , ISBN 4-426-60303-X - 塙 保己一. 新校羣書類従 第15巻. 東京 内外書籍, 1929.
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佐竹昭広 [ほか]編. 新日本古典文学大系 51. 岩波書店, 1990.
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002075436 , ISBN 4-00-240051-4 -
柳沢昌紀 編著. 日本文化研究における歴史と文学 : 双方の視点による再検討. 中京大学文化科学研究所, 2020.
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000001-I09111102421605 -
愛知県史編さん委員会 編集. 愛知県史 資料編10. 愛知県, 2009.
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000001-I10111101788179 -
安城市史編集委員会 編. 新編安城市史 5(資料編 古代・中世). 安城市, 2004.
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000010273356 -
知立市史編さん委員会 編集. 新編知立市史 3 資料編 考古(原始・古代・中世). 知立市, 2015.
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000001-I11121101633256 -
新編西尾市史編さん委員会 編. 新編西尾市史 資料編 2 (古代・中世). 愛知県西尾市, 2020.
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I030427730 -
新修豊田市史編さん専門委員会 編. 新修豊田市史 6 資料編 古代・中世. 愛知県豊田市, 2017.
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I028969492
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新編日本古典文学全集 48 (中世日記紀行集). 小学館, 1994.
- キーワード
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- 三河(ミカワ)
- 紀行文(キコウブン)
- 今川氏(イマガワシ)
- 古典(コテン)
- 中世(チュウセイ)
- 一般書
- 郷土
- 安城
- その他
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000353601