レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2025/06/04
- 登録日時
- 2025/08/02 00:31
- 更新日時
- 2025/08/19 12:05
- 管理番号
- 秋田-3187
- 質問
-
未解決
『大野のあゆみ 秋田蕗の里』(大野のあゆみ編集委員会/編、大野部落会、2003.3、214.5/オオ/郷)の中で、仁井田の火振りかまくらの作り方で記載のある「宿柳」、「ほんでえぎ棒」について以下を知りたい。
(1)「宿柳」の読み方、柳の種類、木の材質、具体的な役割の名称か。
(2)「宿柳」は、✖印のように交差されている2本の棒のことか。
(3)「宿柳」は、屋根の流れを表しているのか。
(4)「ほんでえぎ棒」は、交差された入口の✖印と、後ろの✖印を繋ぐ屋根の棟の役割をする棒か。
- 回答
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(1)、(2)、(3)について記載のある資料は確認できず。
参考までに秋田県内で、かまくらに柳を飾る、木を使ってかまくらを作るという記載があったので紹介。
①『総合郷土研究秋田県』(秋田県師範学校/編、秋田県師範学校、1939、A290/54/)資料番号:112400858
②『「かまくら」についての民族学的考察』(七尾雅子/著)資料番号:111512919(『日本文学研究、巻号13』、1974年1月、抜刷)
③『楢山のかまくら』(木谷正一/著、楢山かまくら保存会、1982、A386/174/)資料番号:128048246
(4)について、「ほんでえぎ棒」について記載のある資料は確認できず。
参考までに、似た語句で「ホデァギボウ」、「ホデギ棒」の記載はあったが、かまくらの構造に関係する資料は確認できず。
④『秋田民俗語彙事典』(稲雄次/編著、無明舎出版、1990、R382.1/イア/郷)資料番号:124000290
⑤『カマクラとボンデン』(稲雄次/著、秋田文化出版、1990、386/イカ/郷)資料番号:124000944
- 回答プロセス
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(1)「宿柳」の読み方、柳の種類、木の材質、具体的な役割の名称か。
(2)「宿柳」は、✖印のように交差されている2本の棒のことか。
(3)「宿柳」は、屋根の流れを表しているのか。
1.所蔵書誌検索(キーワード:宿柳) 。該当なし。
2.NDC植物分類470(植物学)に関する書架をブラウジング。該当なし。
3.所蔵資料検索(キーワード:神社、建築)。該当なし。
4.郷土の資料を所蔵資料検索(キーワード:かまくら、仁井田)。
秋田県内でかまくらに柳を飾るという記載があったので参考までに紹介。
①『総合郷土研究秋田県』(秋田県師範学校/編、秋田県師範学校、1939、A290/54/)資料番号:112400858
→p773 「入口には七五三縄を張り、外には紙幟を立て、柳の枝に五色の紙をつけたものを飾る。」とあり。(秋田市牛島町)
②『「かまくら」についての民族学的考察』(七尾雅子/著)資料番号:111512919(『日本文学研究、巻号13』、1974年1月、抜刷)
→p119 「水そそぎ氷かためて、それへ其日には藁を積み、門松、飾藁なんどみな積みて、四壁には紙の旗さまざまの四手切かけし柳などかざり、わらはべ打群れ、ほたき棒てんでに提て、ゆきかふ女あらば尻うたんと用意す、」とあり。(『出羽国領風俗問状答』より)
また、かまくらの構造でも「宿柳」について記載のある資料は発見できず。
秋田県内で、木を使ってかまくらを作るという記載があったので紹介。
③『楢山のかまくら』(木谷正一/著、楢山かまくら保存会、1982、A386/174/)資料番号:128048246
→p14 「私たち楢山かまくらは、この雪の壁に長木丸太(昔はどの農家でも稲杭や冬囲い用としてあったものである)で骨を組み藁であんだヌマを上げ、中で寝とまりのできるようになっているのが特徴である。」とあり。
→p22-26 かまくらの作り方の詳しい記載あり。
(4)「ほんでえぎ棒」は、交差された入口の✖印と、後ろの✖印を繋ぐ屋根の棟の役割をする棒か。
1.『県史』、『市史』、郷土の事典を調査。該当なし。
2.郷土の資料を所蔵資料検索(キーワード:かまくら、仁井田)。
「ほんでえぎ棒」について記載は確認できず。
似た語句で「ホデァギボウ」、「ホデギ棒」の記載があったので紹介。かまくらの構造上の記載のある資料は確認できず。
④『秋田民俗語彙事典』(稲雄次/編著、無明舎出版、1990、R382.1/イア/郷)資料番号:124000290
→p548 「ホデァギボウ」
「長さ1メートルほどのホデァギボウ(ヨメタタキボウ、ホタタキボウ)を持って、木貝を鳴らし、婦女の通るのを見ては棒で尻を打ち、「よいボッコ生まれろ よいボッコ生まれろ」または、「もちやれ 男ボッコもちやれ」と唱えた。」とあり。
⑤『カマクラとボンデン』(稲雄次/著、秋田文化出版、1990、386/イカ/郷)資料番号:124000944
→p38 秋田市楢山のカマクラ 「子供らはホデギ棒を持って木法螺を吹いて郷内の初嫁の家などに、「強い男の子を生むように」と言っては押しかけていた。そうするとその家では餅や御祝儀を出した。このホデキ棒は柳の木で作り、祝い棒とも言われ、正月になるとよく売りに来たが、現在は作る人がいないという。」とあり。
以下の資料も調査したが、記載なし。
×『郷土調査、秋田市 旧仁井田村』(秋田県教育委員会/編、秋田県教育委員会、A361/3-72/)資料番号:112390927
×『仁井田村郷土誌』(相場信太郎/編、仁井田村郷土史編集委員会、1956、A214.5/159/)資料番号:112002688
✕『秋田県史、第7巻』(秋田県/編、加賀谷書店、1977、210/アア/7郷)資料番号:111327383
✕『秋田市史、第17巻』(秋田市/編、秋田市、2006、214.5/アア/17-2郷)資料番号:124368143
×『なつかしの原風景、仁井田の風土記』(相場利治/著、相場利治、2024、214.5/アナ/郷)資料番号:147265417
×『図説草木辞苑』(柏書房、1988、R470.3/カズ/)資料番号:110009784
×『江戸東京草花図鑑』(岩槻秀明/著、エクスナレッジ、2021、470.3/イエ/)資料番号:140299959
×『植物と行事、その由来を推理する』(湯浅浩史/著、朝日新聞社、1993、470.4/ユシ/)資料番号:120744107
×『縁起のよい樹と日本人』(有岡利幸/著、八坂書房、2020、653.2/アエ/)資料番号:140081183
×『図説日本の建築の歴史、寺院・神社と住宅』(玉井哲雄/著、河出書房新社、2020、521/タズ/)資料番号:140213133
×『神社のあいうえお』(甲斐素純/著、文芸社、2017、175/カジ/)資料番号:123757585
×秋田県立図書館デジタルアーカイブ(キーワード:仁井田、火振りかまくら、宿柳、ほんでえぎ棒)
×国立国会図書館デジタルコレクション(キーワード:仁井田、火振りかまくら、宿柳、ほんでえぎ棒)
- 事前調査事項
- NDC
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- 社会科学 (3)
- 歴史 (2)
- 参考資料
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- 総合郷土研究秋田県秋田県師範学校/編秋田県師範学校
- 「かまくら」についての民俗学的考察七尾雅子/著
- 楢山のかまくら木谷正一/著楢山かまくら保存会
- 秋田民俗語彙事典稲 雄次/編著無明舎出版
- カマクラとボンデン稲 雄次/著秋田文化出版社
- キーワード
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- 宿柳(ヤドヤナギ)
- ほんでえぎ棒(ホンデエギボウ)
- かまくら(カマクラ)
- 楢山(ナラヤマ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000372801