レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015年02月20日
- 登録日時
- 2019/10/12 16:19
- 更新日時
- 2019/12/01 12:32
- 管理番号
- 2019-33
- 質問
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解決
愛媛県美術館で武智光春コレクションの展示を見たときに、武智光春は装コウ師〔コウは表示されないが、部首さんずいに黄色の黄の旧字。以下、「コウ」と表示〕だと聞いた。装コウ師は表具師のようなものだと聞いたのだが、どう違うのか。
- 回答
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【資料1】p200-201より
そうこう[装コウ]
表具・表装の古称。装は装ホエ〔ころもへんに背〕(ヒョウ〔ころもへんに表〕ホエ)つまり装幀を意味し、コウは紙を染める意味であるが、また池(縁をとる)を意味する語でもあり、装コウは「装池」ともいわれた。主に奈良・平安時代に行われた経巻の表具・表装をいう。
ー・し[装コウ師]
装コウを行う者。装コウ手・装コウ生とも称した。唐代の中国には官制に定められた装コウ匠がいて、書画の表装にあたった。わが国では鎌倉時代に表具専門のヒョウホエ師(ひょうほえし)が現れ、装コウ師は経師(きょうじ)と呼ばれて区別されるようになった。 →経師(きょうじ)
きょうじ[経師]
古くは経典の書写を行う写経生・写経僧を意味し、後に巻物の表装、さらに書画の表具をする職人を指すようになった言葉。奈良時代には写経を専門に行う経師生と表装を仕事とする装コウ生がおり、装コウ生が経師と呼ばれて巻子類の表装を専門とするようになった。平安時代には掛幅も経師の仕事となり、鎌倉時代から「へうほうゑし(ヒョウホエ・表ホエ師)」と呼ばれる表具専門の職が見られ、次第に巻子類は経師、軸装はヒョウホエ師という棲み分けが見られるようになったという。江戸時代以降は掛軸の表具や襖・障子の張り替えなどを行うものを経師屋と呼んでおり、その後は表具師とほぼ同意で用いられている。 →表具師(ひょうぐし)
【資料2】の序に大智(「経」の旧字体)之氏の以下の記載あり。
装コウ師という職種は、古来から伝統と格式を持ち、書画を引き立てる表装と書画の保存を計る修復を主業としているのだが、この修復が文化財保護上いかに重要な役割を持つ業務であるかをあらためて世間に広く伝えたのが武智光春さんである。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 絵画材料.技法 (724 10版)
- 参考資料
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- 【資料1】『表具の事典』(京表具協同組合連合会/編集 京表具協同組合連合会 2010年)<当館請求記号:R 724.9-ヒヨ-2010>
- 【資料2】『天狗の申し子』(武智光春/著 整古堂 1998年) <当館請求記号:724.9-タミ-1986>
- キーワード
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- 武智光春(たけち こうしゅん)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000262562