レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012年12月09日
- 登録日時
- 2013/01/25 15:11
- 更新日時
- 2013/03/21 16:20
- 管理番号
- 埼熊-2012-236
- 質問
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解決
狂言「車僧(くるまぞう)」に出てくる歌について知りたい。狂言でなく歌舞伎でもよい。
- 回答
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能・狂言「車僧」の歌として、出典資料により表記・語句に若干の違いがあるが、3首が確認できた。
歌の掲載のあった以下の資料を紹介した。
『謡曲大観 2』(佐成謙太郎著 明治書院 1982)
p963-974「車僧」収載。作中の「歌」と思われるものは以下3首。
「浮世をば何とか廻る車僧。まだ輪のうちに。ありとこそ見れ」(p965)
「浮世をば廻らぬものを車僧。「乗りも得るべきわがあらばこそ」(p966)
「愛宕山樒が原に雪積り。花摘む人の跡だにもなし」(p969)
それぞれについて解説・口語訳あり。特に3首目は「古歌」として「夫木抄曽根好忠の歌を引いた」とあり。
『解註謡曲全集 6 新装愛蔵版』(野上豊一郎編 中央公論社 1985)
p211-224「車僧」あり。
「浮世をば何とか廻る車僧、まだ輪のうちに、ありとこそ見れ」(p215)
「浮世をば廻らぬものを車僧、乗りも得るべき輪があらばこそ」(p215)
「愛宕山樒が原に雪積もり、花摘む人の跡だにもなし」(p221)
それぞれについて口語訳と解説あり。3首目について「「夫木抄」・曽根好忠」とあり。
『謡曲集 下 日本古典全書』(田中允校註 朝日新聞社 1973)
p303-306「車僧」あり。中入部分は省略されている。
「浮世をば、何と廻るぞくるま僧。まだわ(輪)のうちにありとこそみれ」(p304)
「あたご山しきみが原に雪つもり、花摘む人の跡だにもなし」(p304)
1首目は口語訳あり。2首目については「曽丹集・夫木・万代所見の歌」とあり。
『有朋堂文庫 〔23〕 謡曲集 下』(塚本哲三編 有朋堂書店 1926)
p169-172「車僧」あり。
p169〈シテ謡〉として「浮世をば何とか廻る車僧、まだ輪の内に在りとこそ見れ」あり。
『能百番を歩く』(京都新聞社編 京都新聞社 1990)
p135-137〈車僧(くるまぞう)〉の項あり。
「浮世をば何とかまわる車僧。まだ輪の内にありとこそ見れ」(p135)
「浮世をば廻らぬものを車僧。乗りも得るべきわがあらばこそ」(p135-136)
- 回答プロセス
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3首目の歌の出典である「夫木抄」・曽根好忠の歌について調査
『夫木和歌抄 作者分類 研究篇 改訂版』(山田清市著 風間書房 1981)
研究編のため、当該歌そのものの掲載はなし。
- 事前調査事項
- NDC
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- 戯曲 (912 9版)
- 大衆演芸 (779 9版)
- 参考資料
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- 『謡曲大観 2』(佐成謙太郎著 明治書院 1982)
- 『解註謡曲全集 6 新装愛蔵版』(野上豊一郎編 中央公論社 1985)
- 『謡曲集 下 日本古典全書』(田中允校註 朝日新聞社 1973)
- 『有朋堂文庫 〔23〕 謡曲集 下』(塚本哲三編 有朋堂書店 1926)
- 『能百番を歩く』(京都新聞社編 京都新聞社 1990)
- キーワード
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- 謡曲
- 能楽
- 狂言
- 芸能
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000127411