レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2025年04月24日
- 登録日時
- 2025/11/26 17:20
- 更新日時
- 2025/12/18 15:24
- 管理番号
- 中央-1-0021868
- 質問
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解決
江戸時代後期の浮世絵師・山東京伝について
①京伝の図案集掲載のデザインは商品化されていたのか
京伝の著作であるいくつかの図案集(『手拭合』や『小紋雅話』など)に掲載されたデザインは、当時実際に手ぬぐいや小物に描かれ商品化されていたのか。
②「吉原つなぎ」は京伝の考案か、もしくはデザインの誕生に関わっていたか
着物や法被のデザインとして用いられる文様「吉原つなぎ」について、京伝のデザインと共通するものがあるように思えるが、その誕生に京伝は関わっているのか。
- 回答
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①について
商品化されていたことがはっきり分かる資料は見つからなかった。参考になりそうな資料を紹介した。
・万象亭の洒落本『二日酔巵觶』(ふつかよいおおさかづき)に、京伝の『小紋裁』に出てくる模様「道明寺格子」と「朝比奈」を浴衣や手ぬぐいに染めている、という記述が出てくる。(参考資料【資料1】)
・東洲斎写楽画『尾上松助の湯浅孫六入道定虎』には、定虎が羽織った丹前に、京伝デザインの鼠小紋とまったく同一の模様が画かれている。(参考資料【資料2】)
②について
「吉原つなぎ」が京伝考案、もしくはデザイン誕生に関わっていたと分かる記述のある資料は見つからなかった。
- 回答プロセス
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・所蔵資料を確認する
・国立国会図書館サーチ、デジタルコレクションで検索する。
・インターネットで検索する
回答で紹介した資料は【資料1】【資料2】だが、この他に、参考資料【資料3】~【資料17】の資料を調査・確認した。
- 事前調査事項
- NDC
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- 広告.宣伝 (674 10版)
- グラフィックデザイン.図案 (727 10版)
- 小説.物語 (913 10版)
- 参考資料
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【資料1】佐藤至子 著. 山東京伝 : 滑稽洒落第一の作者. ミネルヴァ書房, 2009. (ミネルヴァ日本評伝選)
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000010080902 , ISBN 978-4-623-05459-6 (p33「図案を実際に手拭に染めることも可能であり、その点で『小紋裁』に通じるところがある。」
p31-32 回答に記載した内容の記述が出てくる) -
【資料2】山東京傳/著 , 谷峯蔵/解説. 遊びのデザイン. 岩崎美術社, 1984.
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000001-I23211009210164305 (p167「鼠小紋」の解説に以下の記述あり。
「東洲斎写楽画『尾上松助の湯浅孫六入道定虎』には、定虎が羽織った丹前にこの鼠小紋とまったく同一の模様が画かれている。芝居で衣装にこの模様を染めさせたものか、写楽がこれを図中に取り入れたものか。(『写楽新考』)」) -
【資料3】上条耿之介 著. 日本文様事典. 雄山閣出版, 1981.
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001538870 , ISBN 4-639-00123-1 (p194 京伝の滑稽文様について小池藤五郎氏は「物の利用の滑稽を主に、美的感情を従にした」ものと評され、さらに京伝の滑稽文様が流行した様子について『二日酔巵觶』(万象亭作、天明四<1784>年)より引用されている。
p269滑稽文様について解説。この中には、吉原つなぎの記述はない。) -
【資料4】広告批評 (200). マドラ出版, 1996-12.
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000033138-d1852918 (9コマ(p15)「1795(寛政7)年、新型煙草入り売り出しの際に作った絵入りの條條(チラシ)をそのまま包装紙としても使ったものだが、これが江戸中の評判となり、この包み紙ほしさにわざわざ煙草入れを買う人がわんさかといたらしい。」) -
【資料5】西東社編集部 編. 江戸がわかる用語事典 : カラー図解付き. 西東社, 2013.
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I024992348 , ISBN 978-4-7916-1943-6 (p323「手拭のいろいろ」
「天明4(1784)年、手拭のデザインコンテストが行われた。主催者は戯作者の山東京伝で、太田南畝や喜多川歌麿、五代目市川団十郎などが参加し、後に『手拭合』として出版された。」) -
【資料6】深光富士男 著. 〈図説〉江戸のカルチャー教養書・実用書の世界. 河出書房新社, 2022.
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I032037981 , ISBN 978-4-309-22850-1 (p22-23「手拭合」 p24-27「小紋雅話」 それぞれの本についての図版入り解説。このデザインが実際に商品化されたかどうかについては言及なし。) -
【資料7】小池藤五郎 著. 山東京伝の研究. 岩波書店, 1935.
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000751640 (99-107コマ(p166-183)「第六章 滑稽図案絵師としての京伝」この章にたくさんの図案があるがはっきりと「吉原つなぎ」との記載はなし。
98コマ(p164-165)「「又處々の神社佛閣へ、山東京傳と染出せし手拭を奉納してけり。-略-」と記すは、この手拭合に關聯して奉納手拭の事などがあり、それをかくの如くに表現したではなからうか。」とあり、商品化ではないが奉納はしていたことが分かる。) -
【資料8】靖淵 : 大妻女子大学家政学会機関誌 (14). 大妻女子大学家政学会, 1971.
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000012790-d2740159 (27コマ(p50-51)「町人たちの用いた柄を見ると、男性は-略-吉原つなぎなどのように粋なものが多い。-略-小紋はこのように、服飾界の流行を風靡するまでになった。そこで山東京伝(1761~1816)は、おどけた模様を案出し、小紋の大流行に風刺の目を向けている。」) -
【資料9】毛利登 編. 図鑑日本の文様美術. 東京美術, 1969.
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000001-I23111100356202 (p271-272「浮世文 ここにあげた作品は-略-山東京伝(1761-1826)の戯作の1部である。」として吉原つなぎが紹介されている。) -
【資料10】人間文化研究機構国文学研究資料館 編. 図説「見立」と「やつし」 : 日本文化の表現技法. 八木書店, 2008.
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000009310518 , ISBN 978-4-8406-9668-5 (p204 図版11に吉原つなぎが載っている) -
【資料11】本吉春三郎 著. きもの文様事典. 婦人画報社, 1979.
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001461263 (p230「よしわらつなぎ吉原つなぎ 廓つなぎともいう。-略-その形態が吉原の町の方形の区画に似ているために名づけられた。」) -
【資料12】高木好次 等編. 洒落本大系 第六巻. 林平書店, 1931.
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000039-I1883029 (101-128コマが「二日酔巵觶」にあたる) -
【資料13】中崎昌雄. 「「意匠」作家としての山東京伝 「小紋雅話」連続模様デザインのシンメトリー構成」. 1986-12-20. 『中京大学教養論叢』 27(3) p. p409-460
https://chukyo-u.repo.nii.ac.jp/records/12523 (PDF17-18枚目「「小紋裁」の天明4年3月刊、万象亭「二日酔巵觶」には京伝がその挿絵を描いている。その中に次の科白がある。宣伝なのだろうが、実際に利用した人もあったのだろう。」) -
【資料14】岩本活東子 [編]. 燕石十種 第2巻. 中央公論社, 1979.
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001419137 (「戯作六家撰」収録。p58-66に「山東京伝」が載っている。) -
【資料15】[岩本活東子 編]. 新燕石十種 第6巻. 中央公論社, 1981.
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001537200 (「伊波伝毛乃記」収録) -
【資料16】中田節子 著 , 林美一 監修. 広告で見る江戸時代. 角川書店, 1999.
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002778275 , ISBN 4-04-883566-1 (p66-70「山東京伝」。煙草のデザインなどの記述は詳しい。) -
【資料17】谷峯蔵 著. 写楽新考 : 写楽は京伝だった. 文芸春秋, 1981.
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001536458 (p206-208「京伝は、跳ね鼠を、かつて『小紋裁』の中で図案化したが、面白いことにこの柄模様を、東洲斎写楽は、尾上松緑の湯浅六入道の丹前衣裳に描いている。もしこれが写実であるならば、京伝案の模様が、すでに芝居衣裳に採用されていたことになるだろう。」)
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【資料1】佐藤至子 著. 山東京伝 : 滑稽洒落第一の作者. ミネルヴァ書房, 2009. (ミネルヴァ日本評伝選)
- キーワード
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- 山東京伝
- 図案
- デザイン
- 商品
- 吉原つなぎ
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 人物
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000376999