レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021年12月01日
- 登録日時
- 2022/01/27 16:36
- 更新日時
- 2022/02/24 14:11
- 管理番号
- 名古屋市鶴-2021-008
- 質問
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解決
名古屋周辺にオオカミが生息していたか知りたい。
- 回答
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名古屋市が発行している『レッドデータブックなごや 2015動物編』を確認すると、p.32に江戸時代にはオオカミが名古屋近郊で目撃された記録があると記載されていました。
また江戸時代中期の尾張藩士が記した日記『鸚鵡籠中記』には現在の名古屋市内にあたる地域でオオカミが出没したことが記録されています(以下のページ数は『鸚鵡籠中記』の全編が翻刻・収録されている『名古屋叢書 続編』によります)。
・元禄6年(1693):現在の天白区平針付近
『名古屋叢書 続編』第9巻p.140に鹿狩りでオオカミが捕獲されたと記述されています。
・宝永6年(1709):現在の北区味鋺付近。翌年にかけて現在の愛知県北西部にあたる地域で人がオオカミに襲われる事件が相次ぎ、尾張藩がオオカミを駆除しています。
『名古屋叢書 続編』第11巻p.448-p.453,p.457,p.461,p.475,p.589,p.596-597でこの事件について記述されています。
また、『レッドデータブックなごや 2015動物編』によると享保2年(1717)にも名古屋市内でオオカミが生息していることを示唆する記述があるようですが、今回の調査では確認することが出来ませんでした。
上記のうち、宝永6年(1709)の事件については以下の本に詳細がまとめられています。
『狼、暴れ候 日記に見る尾張藩事件簿』新家猷佑/著 新風舎 2005 p.10-p.21
- 回答プロセス
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(1)名古屋市内に生息した絶滅種が記載されている『レッドデータブックなごや 2015動物編』を確認すると、p.32でニホンオオカミについて記述されていました。
(2)『狼、暴れ候 日記に見る尾張藩事件簿』(2005)を確認したところ宝永6年(1709)の事件について紹介されていました。
(3)『名古屋叢書 続編』に収録されている『鸚鵡籠中記』を確認したところ、第9巻と第11巻でオオカミに関する記述を確認できました。
- 事前調査事項
- NDC
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- 哺乳類 (489 9版)
- 中部地方 (215 9版)
- 参考資料
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名古屋市環境局環境企画部環境活動推進課/編集 , 名古屋市環境局環境企画部環境活動推進課. レッドデータブックなごや : 名古屋市の絶滅のおそれのある野生生物 2015動物編. 名古屋市環境局環境企画部環境活動推進課, 2015-04.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I110650856-00 -
新家猷佑 著 , 新家, 猷佑, 1942-. 狼、暴れ候 : 日記に見る尾張藩事件簿. 新風舎, 2005.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000007731037-00 , ISBN 4797459093 -
名古屋市教育委員会 編集 , 名古屋市教育委員会. 名古屋叢書 続編 第9巻. 名古屋市教育委員会, 1965.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I064543827-00 -
名古屋市教育委員会 編集 , 名古屋市教育委員会. 名古屋叢書 続編 第11巻. 名古屋市教育委員会, 1968.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I064543831-00
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名古屋市環境局環境企画部環境活動推進課/編集 , 名古屋市環境局環境企画部環境活動推進課. レッドデータブックなごや : 名古屋市の絶滅のおそれのある野生生物 2015動物編. 名古屋市環境局環境企画部環境活動推進課, 2015-04.
- キーワード
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- オオカミ
- 名古屋
- 獣害
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000311249